ゲオルゲは最初「Call Ya George?(ジョージ)」と尋ねられ「Gheorghe(ゲオルゲ)」と答える。彼はドラゴンを倒した聖ジョージではなかったが、少なくとも牧場とジョニーを救った。 やっとの事で家事をしている祖母と、体が不自由になった父を抱え、母のように逃げていかなかったジョニー。責任感も、妊娠を控えた牛に向けた優しい眼差しも、父からの叱責と一人で仕事をこなすうち、諦観と自暴自棄に容易くすり替わる。そんな彼がゲオルゲとの出会いで瞬く間に代わってゆく。お泊りから初めて戻って来た夜に、ゲオルゲを見上げる可愛らしさったらない。 ちらちらとゲオルグを眺め、祖母が早くアイロンかけを終えないかなぁとソワソワ。「What's Wrong With You?どうしたの?」「魂胆でもあるわけ?」と祖母にもしっかり気づかれる。ドアを閉めるや否や首筋にキス。んもーなんでこういう可愛いジョニーを封印しておいたんだ。「愛される」事を知ったジョニーは、愛する人を取り戻すため、牧場を立て直すため、父に談判する強さを持つまでになる。本編は恋愛がメインだが、ジョニーの成長物語である。そして折々の変化をジョシュ・オコナ―が魅力的に演じている。クライマックスでゲオルゲに抱きしめられ、左目からつーと涙が落ちるシーンはまさに神。彼に限らず、主要人物それぞれが魅力的だ。