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October 10, 2023
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みなさんこんばんは。9月にリビアで起こった洪水被害が甚大ですね。今日もフローベール作品を紹介します。

感情教育(上下)
L’Education Sentimentale
ギュスターヴ・フローベール
光文社古典新訳文庫

「一瞬、幻が立ち現れたのかと思った」
「なんという名前で、どこに住んでいるのだろう?どのように暮らし、どんな人生をおくってきたのか?この人の部屋にある家具を、身につける家具のすべてを、さらにはつきあっている人たちを知ることができないものか。肉体を所有したいという欲望すら、より切実な欲求のもとに、際限のない、胸ぐるしいまでの好奇心のなかに消えうせてしまった。」
出会った瞬間に衝撃を受けた胸苦しい思いは
「それがすべてだった」
で終わる。

 大学入学試験に合格したばかりで故郷に帰るフレデリック・モローは、帰りの船に乗り合わせたマリー・アルヌー夫人に一瞬で恋をする。“夫人”というからには夫がいて子供もいる。それでも、一たび火が付いた想いはおさまらない。彼女のいない所で名前を叫んだり(ひと昔前のトレンディドラマでよくやる!)、モンマルトル通りで工芸美術という店をやっている夫の店や社交界、彼女が現れそうな所に顔を出し、何とかして気を引こうとする。

 一方フレデリックにアプローチしてくる女性もいる。数多くの男性と浮名を流すロザネットと、銀行家の妻ダンブルーズ夫人、そして地元の名士ロックの娘ルイーズだ。ただし最後の一人は、まだ少女で、とても恋の相手にはならない。

「ふたりの女性、ロザネットとアルヌー夫人とのつきあいは、フレデリックの生活に二種類の音楽をかなでるように思われた。いっぽうは快活で、激しやすく、気晴らしになる。もういっぽうはおごそかで、ほとんど敬虔な雰囲気をたたえている。ふたつの音楽は同時に鳴りひびき、しだいに高まって、やがて少しずつ混じりあっていった。アルヌー夫人の指さきがたまたま触れただけで、たちまちもうひとりの女が欲望のまえに姿を現すのは、こちらのほうがより望みをたくすことができるからだろう。また、ロザネットといっしょにいて、なにか心を動かされるようなことがあると、すぐにあの真摯な恋を思い浮かべてしまう。」

 いっちょうまえに二人の女性の間で揺れつつも、本命にはしっかりアタック。
「いったいぼくは、なにをするためにこの世に生をうけたのでしょう?富や、名声や、権力をえるために汲々としている人たちもいます。ぼくは定まった職に就いているわけではありません。ぼくの心は、もっぱらあなたのことで占められています。あなたこそが、ぼくの全財産であり、ぼくの生活や考えの目的であり、中心なのです。空気がなければ生きていけないように、ぼくはあなたなしでは生きていけません。」
 しかし、現実的に考えて、アルヌー夫人と一緒になるにしても、頼りになるのは金である。母親は伯父の遺産を当てにしていたが、どうやら雲行きが怪しい。それでも勇気を出してフレデリックが誘ったその日が1848年2月23日、パリで二月革命が勃発が勃発した日であった。

 恋情とフランスの熱狂が二重写しになるが、いずれも熱が冷めると引いていく。親友デローリス、パリで知り合ったマルチノン、ユソネ、ベルラン、セネカルもそれぞれ現実の道に戻ってゆく。そして、フレデリックも。ど真ん中ビルドゥングスロマンである。

 アルヌー夫妻のモデルは、ユダヤ系ドイツ人モーリス・シュレザンジェとその妻エリザで、夫人はフローベールより11歳年上の25歳だった。

2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。

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最終更新日  October 10, 2023 12:00:23 AM
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