凍えたココロ

凍えたココロ

羽根



嘘吐きお姫様

どこまでも飛べる気がした

あなたの元へ君の元へ

嘘吐きお姫様

この大きな羽根さえあれば

どこへだって行ける気がした




嘘吐き姫 いつも夢見た

だから大切な宝石

宝箱に入れておいた

愚劣な召使が毎日一つずつ

盗んでいっていることも知らず

今日も新しい宝石一つ

飛ぶ為に 宝箱に仕舞った




黒い魔女 ほうきにまたがって飛ぶ

嘘吐き姫の 憧れる あの男のもとへ

嘘吐き姫の 憧れる あの男のもとへ

そして 黒い魔女と男は 露な姿になり

抱き 押し広げ 押し広げられ

互いを慰めあい やがて二人は果て

事を終える




今は 卑怯な王様 

ご馳走を腹いっぱい 平らげる 

ついでに 夢見る女王も食べる

醜く太った 卑怯な王様

その醜い身体に 汗を掻き

夢見る女王の 身体を食べる




嘘吐き姫は 今日もまた羽根で飛ぶ

あの人のもとへ 君のもとへ

いつか私の大切なものを捧げましょうと

空高くから あの人へ囁く




嘘吐き姫の宝石は 増える事は無い

毎日 愚劣な召使 盗んでいく

あの人のもとへも 向かえない

ほうきにまたがった 黒い魔女がいるから




この世界の果ての果て

誰も知らない 秘密のお話


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