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4月28日の早朝、サンライズ出雲が岡山に到着した。そこで降りて新幹線ホームへ上がったら、えらい混雑している。乗り継ぐ予定の新幹線は、6時51分発みずほ601号鹿児島中央行き。九州新幹線の車両である。サンライズ出雲が定刻どおり着かない可能性を考え、指定席は取らなかった。だから自由席となるのだが、ホームは列車を待つ人で長蛇の列。そこへやって来た列車も超満員だ。果たして乗れるのか?という感じだが、東京の通勤電車はいつもこんなもんでしょ的な感覚で無理に体をねじ込んで乗る。デッキのドアに押し付けられてる感じである。さて、次の広島駅まで34分なのだが、同じ姿勢で突っ立っているのは案外苦痛だ。列車は猛スピードだから、何駅を通過しているのか景色で推定するしかない。福山通運の建物が目立ち始め、農家の瓦屋根が赤茶けた色ばかりになれば、いよいよ広島へ来た!という雰囲気である。呉線の227系電車広島駅へ到着、ドアが開いたら圧力で外へ放り出された。そしてホームは大混雑である。駅のコインロッカーで大きな荷物を預け、我々は在来線の呉行列車へ乗り換え。広島を発着する列車はどれも都会的な新型電車になっていた。あのセンスのかけらも無い黄色い電車は見当たらない。どの電車も赤いラインが特徴的で、まるでカープ、カープ、カープひろっしまっ・・・だよね。227系はクロスシート車なので、ここでやっと朝ご飯(菓子パン)を口に出来た。電車は瀬戸内の海岸沿いを呉へ向かう。大小無数の島々が浮かび、その隙間を船が行き交う光景は正に瀬戸内海だ。大和ミュージアムの戦艦大和呉では、大和ミュージアムやてつのくじら館などを見学、合間に湾内の観光船に乗ることも出来た。大急ぎの観光だったが、それなりに充実。 詳細はのリンクから。呉から広島駅に戻り、そこから広電で原爆ドーム前へ さつきの花がよく咲いており、荒涼とした負の世界遺産と不思議な対照を成す。それよりも不思議な対照だと思ったのは、広島市内と呉市内の雰囲気の違いだ。これが同じ県内でわずか20キロに隣接する都市とは思えない。確かに大和ミュージアムも平和を祈念してはいる。海上自衛官だって誰も戦争を欲していないだろう。いや、今日の広島市民が平和に暮らせるのも、実はアメリカの核の傘があり、自衛隊の防衛実務によって外交上の均衡を実現しているからであり、そのような現実を認識するなら呉市内を見学するのは無意味ではない。 さて、平和資料館がリニュアルしたというので、資料館に行ってみたら、入口で長い行列を作っている。帰りの新幹線を意識せざるを得なかった。館内は大変な混雑だ。警備員が立ち止まらないでくださいと呼びかける。人波に押されながらの見学となった。前に訪問した際は、東館が閉鎖されていて、被爆前の市内ジオラマが見られなかったが、今度はジオラマのたぐいは全て無くなっている。有名な被災者の様子を表現したジオラマも撤去されたのはニュースになった。作り物を極力排し、写真や実物展示を重視する意図は理解できるが、結局なんだったのか分からなくなることは無いのか。被爆者の遺品は説得力があるが、昨日どこかで起きた火事で亡くなった方の遺品だって悲惨であり、程度の差が分からない人もいるだろう。そういえば、拙者の年代は小学生の時分、原爆を理解する手始めとしてはだしのゲンの映画を見させられて見事トラウマになった。史実に誤りが多いとされながら、作り物でも意味は十二分に伝わっていたのだ。あのマンガも図書館から追放されかけてるそうで、かと言ってあのマンガを超えるモノって他にあるのか?原爆ドームの横に最近建ったらしい、素晴らしい展望台付ビルに観光客がごった返しているのを横目に見ながら、再び広電に乗って引き揚げるとする。広島駅で新大阪行きの新幹線(みずほ何号か忘れた)に乗ったが、ここはきっちり指定席を取っていたので大丈夫。九州新幹線の指定席が2列+2列であることを知った。これは素晴らしい!随所に木目調の装飾がなされ、グリーン車並みの豪華さなのだ。山陽新幹線区間は九州新幹線の車両に乗った方がいいみたい。ただし指定席でね。
2019.05.19
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実家の片付けを手伝っていて、ポロっと出て来たメモ帳に釘付けとなった。旧池田銀行から頂いたと思われるメモ帳である。懐かしい!大阪在住時代、池田銀行の営業マンが頻繁に家へ来ていた。後で母に聞いたら、特段用事も無いけど「お宅んちの珈琲が美味しかったから」と云うのが、訪問する最大の理由だったとか。何とも大らかな時代だが、拙者も彼が訪問するのは一つの愉しみだった。その時だけ、お客さん用の氷砂糖を珈琲に入れて呉れたからである。珈琲が大好きになったのも、あの時代の影響なのかも知れない。そして、約四十年ぶりに見つかったメモ帳を眺めていて、拙者は次第にある種の衝撃を覚えたのであった。池田銀行イメージガールは、代々タカラジェンヌを起用している。母が口座を持っていたのは、相模原へ引っ越す直前の昭和59年3月までの時代で、当時のイメージガールは北原遥子様が担当していた。宝塚の世界においても圧倒的な美貌を誇った伝説のジェンヌ様で、何と昭和60年8月に起きた日航機墜落事故の犠牲者となっているのだ。まさか、このお写真は彼女?色々な媒体で北原遥子様のお写真等を拝見した。少し尖った顎の特徴からして、このメモ帳のお写真は彼女とみて間違いないと思う。いゃー、是は凄いのが出て来たなと暫く興奮が冷めなかった。拙者も年齢を重ねて池田泉州銀行の預金者となり、しまいに「すみれの花定期預金」の抽選に当たって「皇妃エリザベート」の劇を見させていただくことが出来て、こうした貴重な経験をさせていただいたのも、当時の微かな記憶が自分の中に根付いていたことの伏線かも知れないと一人で納得していた。余談だが、長瀬産業の古い株券まで出て来た。とっくの昔に証券会社に預けているから、単なる観賞用ぐらいの意味しか無いが、株券の重みがグッと伝わる雰囲気。ちなみに長瀬の株は調子がいい。配当もいい。中共を「グレーターチャイナ」などと持ち上げて、やたらと重要視しているのが心配だけど。帰りの夜汽車にて、タカラヅカ、池田銀行、大阪在住時代の思い出、そして世紀末オーストリアの芸術、いろんな思いに浸りつつ、キオスクで買った珈琲とサンドイッチとドーナツを味わいながらゲミュートリッヒなひと時を過ごす。今日までの時代を作り上げた全ての人達に感謝を捧げながら。
2023.06.04
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「ンパダケイ」の配達用トラックが、ヤマザキパンの中古車?と思えるほどデザインが似ている。しかも、トラックに描かれる逆読み文字の本家とも云える「ターャジス」が、世間に安易に迎合して逆さ文字を放棄してしまったのだが、イケダパンのトラックは、クラシカルな逆さ文字をしっかり保持しているところが素晴らしい!逆さ文字に萌ぇ~イケダパンは鹿児島ローカルな会社。パンだけでなく、いろんな物を作ってます。お雑煮の為に買った丸餅もイケダパンだったな。そう言えば、イケダパンの菓子パンの幾つかは、ヤマザキと激似で、両者はどうも資本的に繋がりがあるらしい。トラックのデザインが似ている理由も納得であります。甘い菓子パンを食べたくなったら「フランソア」のパンに手が伸びてしまう。モンブランも甘いが、カスタード入りメロンパンも甘い!生クリームが入ったクロワッサンなんか、食べるたびに罪悪感を感じる甘さだ。フランソアは、福岡県のメーカーで、個性的な商品が多いのが特徴だ。の写真右側は、最近其の存在に気付いた「九州づくり」と云う謎のパン。九州は小麦の産地なんですよ。阿蘇の高原で放牧している乳牛から絞った牛乳ホイップとの黄金組み合わせであります。地元農協の牛乳と一緒に頂くことにしましょうか。鹿児島農協の牛乳もまた地方都市らしい雰囲気を持っていて、パックの余白には、地元の治安当局からの「余計なお世話」的な啓発広報が印刷されておるのがお約束だ。秒速5センチメートルと云えばあの飲み物新海誠先生の「秒速5センチメートル」~此の映画はねぇ、しんどいですよ。火垂るの墓の次の次くらいに気が滅入る映画。秒速5センチメートルを観たくらいで鬱になったとか言ってんじゃねーよと云う意見は、全くもって其の通りなんだが、グサッと突き刺さるのは、やはり心理描写の巧みさ故かも知れぬ。要は、東京在住時代に此の映画見て、んでもってヨーグルッペの存在を知った訳ですよ。いなげや(懐かしい!)で何故かヨーグルッペが山積みになっていたのを嫁さんが見つけて買って来た。南九州で流通しているのは、都城の会社だから。まぁ普通の乳酸菌飲料なんだけど、保存が効くから種子島などの離島に流通しやすいんだって。だからあの映画でも種子島のシーンで出て来た訳です。此の会社のグループ企業が北海道にもあって、其処でもヨーグルッペを作っているとのことだが、札幌在住時代に見たことが無かったなぁ。北海道と云えば、カツゲン、ハミンでしょう(何の話か分かります?)。天文館で味わった極上の黒豚去る11月〇日、北海道開拓時代にお世話になったS氏と、黒豚しゃぶしゃぶを初めて食べることになった。我々日本臣民は年々貧しくなっていることを痛感していて、普段の買い物で黒豚は高いから敬遠している。S氏の割引クーポンでやっと黒豚にありつけると云う訳なのだから、鹿児島に生活しておるのに情けないものである。実際食べるとね、こんな美味いもの、初めて食ったと言えるほど美味かった!とろけるような食感でね、さすが畜産王国鹿児島であります。のサイトはこちらから・・
2021.03.21
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ゴールウィークまで延々と冬か!北海道は1年の半分が冬です。春といえば5月と6月、夏は7月と8月、秋は9月と10月、残りは全部冬です。 冬といえば雪!札幌市内を歩く人々を見て分かるのは、雪が降っても傘さして歩かないこと。パウダースノー~サラサラした雪なので、濡れるという感覚じゃない。吹雪くと雪が下からも降ってくる(!)ので、傘をさしても意味がないんです。下から降ってくると息が出来なくて苦しいよ。拙者は北海道の冬に不慣れであるけれども、「何で拙者だけこんなに四苦八苦してんの?」と嫌になることがある。撥水のフード付きコート着て万全のつもりなのに、気がついたら全身雪だるま。街行く人々は、涼しげな顔してケータイいじりながら歩いてるのに、一人で鼻水たらして雪まみれになっているのが納得いかない。何が違うんだ?・・・北海道に移住して・・・「セイコマ」って何だ?札幌市に赴任直後、新居の近くにあった小さな食品スーパーらしき店で食べ物を買ったことがある。オレンジに白抜きの看板が鮮やかなお店で、24時間営業ではなかったので、それがコンビニなのか、どこかの系列のスーパーなのか、判然としなかった。その店が「セイコーマート」という北海道を代表するコンビニと知ったのは、だいぶ後になってからだった。 なにせ、同僚である御家人衆は 「セイコマ」 などと表現する。はじめ 「セイコマ」 の意味が全く分からなかったのだ。次第にそれが 「セイコーマート」 という店であることが分かり、新居の近くにある店が 「セイコマ」 であることもやっと分かった。 セイコーマートの看板は、どうみても白い鳩が羽を広げたようなデザインなので、拙者はしばらくイトーヨーカドー系列の店なのかと早合点したが、それも大きな間違いであることを知った。そもそも看板の動物は鳩ではなく、フェニックスだという!フェニックスってなに?北海道に住んでるの?って思わず聞いちゃった拙者もバカだが・・・。 北海道ではすっかりおなじみの看板。フェニックスとは、何でも想像上の鳥さんだとか・・・ダンボール回収してもらうだけでは申し訳なく・・・札幌市では、ゴミ出しルールに変更があり、ダンボールを雑がみに含めることが出来なくなった。回収ボックスや回収協力店に持参する必要があるという。回収協力店一覧を見たら、あの 「セイコーマート」 があるではないか。ネット通販を利用するのでダンボールが時々たまってくる。それをセイコーマートに持参するのが習慣化してきた。個人的にコンビニは利用しないほうだが、さすがにダンボール回収ばかりでは申し訳なく、ちまちま菓子パンなどを買うようにもなった。98円の食パン6枚切も悪くない。最近、Edyやサピカ (札幌市営地下鉄専用の電子マネー) で買い物出来るようになるなど、便利な店であることも知る。大手コンビニチェーンのような、「どの店に行っても気持ち悪いほど全部同じ」 という感じではなく、個人商店の雰囲気を感じるところが、さすがローカル・コンビニの持ち味と言えようか。狭い店内に、お酒がびっしり並んでいるのも不思議だったが、昔の「お酒屋さん」から転業したケースが多いからだという。 ところでこの「セイコーマート」~茨城県と埼玉県の一部にも出店していて、関東では茨城県のローカルコンビニと誤解されることもあるとか。それは知らなかった!北海道に観光でいらっしゃる皆さん、ぜひ「オレンジに白抜きの鳩みたいな看板」に注目していただければと思います。
2011.12.11
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