平成30年4月1日(日)
詩集「測量船」:三好達治(33)
庭(2)
午後、私は 雉 を射ちに 谿 へ行った。還って見ると、ベ
ッドの脚に水が流れてゐた。私のとりあげた重い玩具の、
まだ濡れゐる
眼窩
や
顳顬
の 疵 に、 小 さ き
赤蟻
がい そ が
しく見え隠れしてゐる、それは淡い褐色の、不思議に優
雅な城のやうであった。
誰から手紙が来た。私はそれに手紙を書いた。
(つづく)
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