3月25日(月)
詩集「バタフライ効果」(26)
著者:金指安行(下田市在住、著者の第三詩集)
発行:二○一八年十一月三十日
発行所:ルネッサンス・アイ
発売元:白順社
贈り物
私には生活を共に送る
家族というものが無くなっていた
それは寝たきりの妻の苦痛から解放されて
私自身に戻っていける
安堵した時期でもあったが
二人連れが
話をしながら通りすぎていく
道端の花を見ている
私には
あのように四つの眼で
同じものを眺める余裕があったろうか
もう一度
その楽しみを
遠慮なく振舞い遠慮なくものが言えて
でもそれは親とか兄弟
とは 違うようだ
いつかは朝の陽に闇は消えて
笊のような心にも歓びは満ちるだろうか
それを願い
無為とか惰性からは遠く
贈られた一人であることの自由を
私は果実のように
楽しもうとする
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