今日の気持ちを短歌におよび短歌鑑賞

今日の気持ちを短歌におよび短歌鑑賞

2019.03.27
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3月27日(水)

詩集「バタフライ効果」(28)

著者:金指安行(下田市在住、著者の第三詩集)

発行:二○一八年十一月三十日

発行所:ルネッサンス・アイ

発売元:白順社

夜明けの音

煮え立つお湯のように

淡い光がしんしんと闇を遠ざける

間もなく夜が明ける

私たちは遠くから近づいてくるバスの音を

未来の足音のように 聴いていた

戦後間もない 片田舎の

待ちに待った修学旅行

子供らは 埒もなく夢に乗せられ

親の思いとは別の

楽しい 世の中へと憧れたのだ

港には稚魚が群れて

やがては外海に出かける前を

一列になり 回れ右をし

あるいは蜘蛛の子のように惑いながら

春の日を楽しんでいた

人生も半ばを過ぎて

しきりに思われる少年の日

あの遠くから近づいてくる淡い光が

沸き立つお湯のように

しんしんと 心に広がり

母と子を大きな喜びで満たした朝を







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最終更新日  2019.03.27 07:43:13
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