4月1日(月)
詩集「バタフライ効果」(33)
著者:金指安行(下田市在住、著者の第三詩集)
発行:二○一八年十一月三十日
発行所:ルネッサンス・アイ
発売元:白順社
鏡
サイドミラーの横にとまって
小鳥がしきりに覗っている
向こう側に仲間が居るのだ
せわしげに羽ばたき
透明な鏡に当たって地に落ちそうになる
またやり直している
何遍も横に止まって
向こう側に入ろうとする
でも、なぜ行けないのだろう
あなたが来て私と一緒に遊ばないか
鏡の国のアリスのように
だが小鳥には鏡というものが解らない
自分というものを
確かめたことがないのだ
鏡に映る姿が
まさか自分だとは知る由もない
向こうの鳥も
こちらの動きに同調している
そのうち もう一羽が木の陰に来た
そして仲良く何処かへと飛んで行った
鏡からは
鳥の姿も見えなくなった
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