8月20日(火)
現代俳句(抜粋:後藤)(140)
発行:昭和39年5月30日
富安風生(11)
萩 枯れて音といふものなかりけり
冬庭か枯れ野の 蕭 条 たる景色を枯れ萩という一つの景色で示しているの です。天地音絶えて、物は枯れつくして、「眺めてふもの」もないのです。
「萩枯れて」は実であり、下十二字(音とふものなかりけり)は虚です。この実のイメージによって、虚の詠歎が裏付けられ、生きてくるのです。
(つづく)
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