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2011年01月23日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
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(※それぞれの株価は提示値、提示投資期間終値等による実際の売買値です。)
★12/6  BBT(3776)      71500円→80000円 上昇率11.9%
★12/7  アクセル(6730)    1998円→2240円   上昇率12.1%
★12/14 日本触媒(4114)   814円→900円   上昇率10.6%
★12/15 田淵電機(6624)   104円→120円   上昇率15.4%
★12/16 fonfun(2323)    285円→329円   上昇率15.4%
★12/27 ダイト(4577)    780円→900円   上昇率15.4%
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3ヶ月以内投資判断 「中立」
買いのタイミング  1月25日以降(ヤフーの決算次第)
3ヶ月以内株価予想 8万円

要点

・国内では敵なし。金融・旅行の更なる拡大及びECサイト全体の市場規模が今後も更に拡大し続ける環境を考えると、成長余地はまだまだ大きい。
・海外展開も積極的。国内需要の先細りに対して打つ手は早い。ただしその一方で財務状態が苦しくもある。
・短期的な底値を占うためにはまず25日に発表される同業他社のヤフー(4689)のEC部門の売上を確認すべき。
・海外では一転それぞれ現地のトップ企業を追いかける立場。進出国を互いに結びつける楽天ネットワークを他社に先んじて形成できれば、相乗効果を期待できそう。


【企業概要】
ネット通販首位。その他金融・旅行などネット全般の総合グループとしての相乗効果を狙う。海外展開を加速中で、昨年はアメリカのECサイトBuy.comを2億5000万ドルで、フランスのPriceMinisterを2億ユーロでそれぞれ買収(6月)。中国では楽酷天を百度と共に開始(10月)。欧米中を抑え、その他台湾・タイ・インドネシアにも進出。将来的には27カ国に進出目標。社内公用語を先駆けて英語化したことでも話題に。


【業績】
事業規模の拡大により、売上は毎期増加。リーマンショックによる影響を最小限に抑え、主力のネット通販はEC業界全体の取扱量が年々増加する中で、着実に収益を積み重ねてきている。

今第三四半期までの売上・営業利益共に過去最高を記録。ネット通販・旅行が引き続き好調。その他金融業なども前年比二桁増の成長を続け、全体的に弱点が無い。今後はクレジット事業の伸びに期待大。買収したビットワレットにより電子マネー「Edy」とのシナジー効果に期待を寄せる。

なお、ネット通販市場に関しては、毎年年末に野村総研が市場規模予測を提示しているので参考にされたい。過去の予測値と実績との比較を行ってみると、特筆すべきは毎年野村総研が予測する以上のスピードで市場規模が拡大しているという事実である。

http://www.nri.co.jp/news/2010/101220.html

10年12月本決算予想(KA.Blog)単位:百万円
売上   343000
営業利益 63900
経常利益 62300
当期純益 30000


会社予想は提示されていないものの、四季報予想をやや下回る業績見通しを予想。昨年末のボーナス・クリスマス商戦でもネット通販の好調が既に報じられており、最終四半期の季節的要因は強い。ただし営業利益以下は新しく連結した子会社などの収益改善がこれからと考えると、負担が先行する状況に。

それでも例年営業利益率は15%を超えており、高い収益力は揺るがない。今期は買収案件などが膨らんでのれん償却負担や立ち上げ費用などを計上したが、利益の伸びが鈍化しない強さが感じられる。

有利子負債は4320億円。有利子負債比率(有利子負債÷自己資本)は189%。バイアウトで成長を続けていく中で有利子負債は大きめ。前期から約1000億円増えているところは気に留めておく必要があるかも知れない。

中でも1年以内に返済の必要がある借入金の額は2213億円と借入の過半を占める。借り換え、CP・社債の発行などで対応されるだろうが、ファイナンスリスクもそれなりに生じる。

フリーキャッシュフローは862億円の赤字。カードローン事業の拡大による資金流出の拡大、海外企業買収のための投資が赤字額を拡大させた。双方共に一過性のものと捉えて差し支えなさそうだが、目先の資金繰りには気を遣う材料。なお前期は1531億円の黒字だった。

流動比率(流動資産÷流動負債×100)は 107%。111%だった前期からやや悪化し、財務面での不安が感じ取れる。


【アナリストの評価】
ドイツ証券:「Buy」 目標株価93000円
今後5年でEBITDA(簡易計算のキャッシュフロー)の成長率は年16%と予想。今期営業利益は644億円、また今後はEC・カード事業などの更なる成長が期待できることから、2015年では1327億円まで拡大の予想。

三菱UFJモルガン:「Neutral」 目標株価60000円
成長見通しは一般的な共通認識となっており、予想を大幅に上回る業績上振れは見込めないこと、海外展開の拡大において実質的な成果を上げるのは難しいと考えていることなどを背景に。

GS:「中立」 目標株価60700円
ECと金融のシナジー、また海外展開に期待が持たれる。

みずほ証券:「アンダーパフォーム」 目標株価53100円
今期営業利益は650億円、売上は3020億円と市場コンセンサスよりも弱気予想。キャッシュフローが赤字であり財務リスクが高いこと、コスト増による利益成長率の足踏みなどが背景。海外子会社の利益貢献が鮮明化するまではポジティブになれないと。

各証券会社によって強弱感が対立する格好にはなっているものの、既に一定の成長は織り込み済みと見る姿勢が優勢。総合的には弱い評価に。


【株価推移】
2000年のITバブル時にヤフーに次ぐ市場最高値7000万円を記録し、崩壊後は1/20近くまで下落。その後は分割などによる時価総額の回復から、今度は新興バブルによって実質的に最高値を上回る。足元の時価総額もITバブル時代から15%程度しか下回っておらず、当時の評価は正解だったという見方ができるかも知れない。

さて株価はその後07年の7月に安値を付けてから切り上がりを見せており、日経平均とは対照的な動きを見せている。日経平均はサブプライム問題の表面化により、07年7月を最後に下落相場入り。08年の10月に最安値を付けるまで15ヶ月で約6割の下落となったが(TOPIXも同様)、同社の株価はそれに反して下値を切り上げてきている。

当時は同社も国内偏重の内需であり、直接的には世界景気減速の影響を受け辛かったこと、また逆に不況による巣ごもり消費が追い風となると捉えられた格好。実際同社の業績も他に比較してそこまで大きく落ち込んでいない。

なお先日19日に付けた高値76800円は新興バブル崩壊後の戻り高値更新となっている。


【テクニカル】
長期的には緩やかな上昇トレンドが継続している。週足では07年及び昨年安値を結んだ下値トレンドライン、また08年・昨年高値を結んだ上値トレンドラインがパラレルで、右肩上がりの上昇を維持していると言える。この流れによれば8万円辺りまでの上昇は見込めそう。

一目均衡表を見ても昨年末に雲抜けを果たして三役好転。13週線も52週線を上抜いて、上昇トレンドは揺るがない。

一方で日足を見ると19日の高値から足元は日柄調整を要する局面。25日線での下げ止まりを期待したいが、来週25日にまず同業ヤフーの決算が控えている。そこのショッピング部門の売上がどう転ぶかで同社の業績も概ね決まってくるため、それを受けてなお25日線で反発してくるかどうかをまず見たい。


【需給】
足元の株価は回転が効いている状態と言える。約4年ぶりの高値を付けてきたが、それより上はしこりが無いため、値動きは軽くなりそう。一方日証金ベースでは貸株の方が多い売り長の状態。昨年9月頃から信用倍率も比較的低位で安定しており、需給面が株価の重石材料になることはなさそう。

ただJASDAQ-TOP20に採用されている事から、同ETF(1551)の価格推移にも要注目。同ETFの基準価格が下がれば、当然裁定売りが作用してくる。


【同業他社比較】
同社の予想PERは30.0倍。また楽天市場事業の営業利益率は48.0%となっている。同業他社と比較すると、それぞれどのような位置づけだろうか。

ヤフー
日本におけるネットの巨人。「Yahoo!ショッピング」を抱え、同社に次ぐECサイトモール2番手。
ショッピング、オークションなどを抱えるコンシューマ事業の営業利益率は66.1%と高い。ただしプレミアム会員の会費やオークションの仲介手数料なども含んでいるため、同社のそれよりは高くなる。

Amazon.com
アメリカにおけるネット通販の巨人。日本でも高いシェアを誇る。売上高は同社の6倍超。
3Qにおける営業利益率は3.5%。電子書籍リーダーKindleの好調な売れ行きから増収増益。ただし成長性に対して収益力は鈍いと言える。


これらから勘案すると、同社の利益水準は決して低くはない。収益力に関しては申し分ないものと思われる。



【課題】
国内では敵なしだが、ネット通販に国際的な垣根は無い。巨大なライバルAmazonは原則送料無料で対応しており、同社にとっては逆風。楽天ブックスでは送料無料キャンペーンを延長して対抗しているが、全加盟店にそこまで強いる事もできず、競争力を維持するためには新たな施策が必要と思われる。

またカカクコムや比較コム、ツタヤT-Point等との戦略的な提携という手段もあるのではないか。今流行りのクーポン共同購入サイトへの進出など、同社にしてはやや後手に回っている印象を受けるポイントも見受けられる。

中国では百度との合弁で「楽酷天」を昨年10月から開始した。ただ中国では模倣品や海賊版の流通が多く、加盟店を随時チェックし、顧客からの信用を傷つけないようにするには多大な労力を費やしそうだ。新興国で同社の期待するパフォーマンスを追求できるかどうかも気になるところ。

その海外展開もようやくスタートラインに立った段階。進出先の市場ではいずれもトップ企業を追いかける立場で、Buy.comは売上高は57億円、PriceMinisterも44億円程度にとどまり、買収金額を回収するにもまだまだ時間がかかりそうだ。中国でもアリババと提携するヤフーを追いかける立場で、2番手からの巻き返しは容易ではない。

ただし世界的に楽天網が広がれば、その結び付け方次第では相乗効果が期待できよう。三木谷社長の掲げる世界展開が実現し、流通総額20兆円が達成できれば、新興市場の雄は世界の雄へと大変貌を遂げることができるだろう。

※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。





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Last updated  2011年01月23日 21時34分16秒
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