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2011年07月14日
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日経平均は本日反落。前日のNYはバーナンキさんの口からQE3の可能性が言及されたことで一時大幅高。ただし引けにかけては欧州不安の懸念が続き、売りに押されました。また引け後にはムーディーズによるアメリカ国債格下げ観測が報じられ、アメリカ本国の財政懸念もそぞろ台頭してくる流れに。

それを受けた日経平均は朝方から売りが先行。昨日既に中国のGDP好調を受けて上昇していた分もあり、9900円を挟んだ値動きに。東京市場でも為替が78円の円高水準で推移すると、輸出関連株中心に売りが集まりました。

後場もそのまま軟調な推移でしたが、14時半に突然為替が1円近く円安に振れると、先物にも買いが入って一気にプラス圏に。政府による介入かと思われましたが、間もなく値もそれぞれ元通りになってしまい、日経平均も再度マイナス圏に。実態はアメリカ系銀行のドル買いという説が有力でしたが、結局そのまま大引けとなりました。

投資判断は「中立」。明日も3連休前ということで手じまい売りが優勢になると思います。為替は日本市場がお休みの間にドンドン円高傾向が続く恐れがあり、リスク回避の動きが出てくるでしょう。

6月の工作機械受注はアジア向け輸出が好調でリーマンショック前の水準に回復。これはプラス材料に働いてきますが、日経平均寄与度の高いファーストリテイリング(9983)の決算はサプライズ無しで小幅売りになってくると見ます。

ただし私は明日しっかりと調整し、9900円前後で落ち着くのであれば、来週からは強気に見ていけると思います。と言うのも、前回も言及したように6月下旬からの上昇過程で開けてきた窓を少しずつ閉めていく一方で、上値に開いた窓が次第に気になる水準になってくるからです。

テクニカル的にはTOPIXの方は既に割り込んでいますが、日経平均は200日線で何とか下支えされている格好でまだ望みがあります。同時にストキャスも次第に割安感が強くなってきています。今週は悪いニュースに素直に反応する地合でしたが、アメリカでは来週から企業の中間決算が本格化してきて、持ち直しの動きが出始めると思います。

日本は来週は4日立ち会いということで、決算前ですし一層商いが薄くなると思います。そんな中ではアメリカの市場動向に左右されやすい地合が続くでしょう。

そんな中で上述のように日本株自体は需給バランスが改善し、外部環境もこれ以上最悪の方向に話が進まないでしょうから、落ち着いてくるとみると来週からは強気に転じることができそうです。そのためには明日もう少し日本株は調整をいれて、需給バランスの安定を心がけたいところです。

ところで、結局本日の為替の変動はなんだったのでしょうね?政府の介入は大体前場に行われますし、すぐに元の水準に戻ってしまったところから考えると俗に言う「なんちゃって介入」の可能性が高いと思います。水準的にも短期筋のストップロスを狙いやすいですし、ちょっと強めに買えば連鎖的な効果がありそうですか、どこの大口がやってもおかしくはありません。

ただこれで為替は容易に反転しないことが確認されましたので、もう少し円高歩調が続くのでしょう。一方でユーロは一週間で急激な円高となりましたから、反動が出て一旦115円までは戻してもおかしくないと思っています。8/1から始まるFXのレバレッジ規制も為替動向にどういう変化を与えてくるか注意が必要です。

それにしてもバーナンキさんのQE3あるかも発言は、既に昨日のFOMC議事録で一部メンバーから出たと伝わっていたにもかかわらず、案外強い反応となりましたね。もし実施したとしたらまた禍根を残すわけですが、バーナンキさんは例の「ヘリコプターから金をばらまけば良い」という思想の人ですから、案外やりかねないかも知れないですね。

そしてデフレから脱却できない日本をバッシングしていたのに先日「10年前よりは同情的」とややトーンダウン。やはり机上での青写真と実際にやってみることの難しさのギャップを思い知ったのでしょうか。

確かにアメリカの政策は日本よりも世界に与える影響力が大きいので、難しさは一層強いでしょうね。なので少々劇薬と思っても投じないといけないところは私も「同情的」です。

しかしQE3は既に2度行った量的緩和の3回目ですから、効果のほどは1回目、2回目よりも弱いと思いますし、逆に副作用の部分はより強くなりますから、日本の首相みたいに「今この瞬間だけ良ければいい」なんて安易な考え方は止めていただきたいものです。

新興市場は「強気の買い」。本日は2指数共に軟調。それぞれ朝方は強かったものの、後場から売られてマイナスに。マザーズ指数は特にその急落が目立ちました。円高耐性は強いものの、全体的な景況感には抗えず、といったところ。

ただマザーズ指数は昨日震災後の高値を更新してきており、本日の調整くらいは許容範囲内。日経JASDAQ平均の方も高値を維持しており、足下では強い流れはまだまだ継続していきそうです。


【ポートフォリオ銘柄】
ソネットエンタテインメント(3789) は続伸。特段材料も出ていないですが、足下では調整が続いていたことから、自律反発の動きが出た格好。一目均衡表の遅行線が実線に下支えされたような状況です。

信用倍率での需給はややバランスが悪くなってきていますが、それでもまだ日証金ベースでも売り長の状態維持。再度25日線を回復してきたことで、ストキャスも好転。ここからまた年初来高値更新の動きが出てきそうです。

ロート製薬(4527) は反落。一部で「節電によるオフィス照明の明度低下によって、パソコンなどを扱う場合に目に疲れが強くなる。そのため目薬が売れている」と報じられ、最近は買われてきました。なるほど、そういう連想もあるものですね。

それはそれとして、株価は震災の影響をほとんど受けていない銘柄にもかかわらず、足下ようやく震災前水準に回復してきた程度で、水準的にまだまだ割安感が強いです。チャート的には長期トレンドは下落が続いているものの、中期的には反転の芽も出てきており、1000円回復まではこのまま上昇が継続できるのではないかと思います。

本日の寄り付きから買いポートフォリオ入れとなった ジャックス(8584) は小動き。取り上げ根拠にも書いた好業績の ポケットカード(8519) は本日の値上がり率1位となりましたが、同社にはあまり波及効果が見られず。それでも寄り付きからは買われたのでまあ由としましょう。

テクニカル的には25日線を下値支持線として、5日線に上値を抑えられる流れが継続。それでもストキャスも随分割安になってきましたから、5日線を抜けることによって上値は一気に拡がりそうです。


【注目銘柄】
トナミホールディングス(9070) は続伸。私の地元の有力な政治家系の運輸会社ですが、玉集めの動きが継続した「らしい」相場形成をしています。丁度先日 までのひらまつ(2764) と同じような感じでしょうか。その正体は間もなく大株主の5%報告などで明らかになるでしょう。

ただこういう銘柄は目立ってしまうと一旦終わりです。本日は最後の仕上げとばかりに大きく陽線を付けて出来高を伴ってきました。ただ出来高が大きいといっても売買代金ではたかが知れているレベルですから、次の買い手が参戦してくれば状況は変わるかも知れませんが、ここから手を出すのは止めておいた方が良いと思います。


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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。





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Last updated  2011年07月14日 20時59分49秒
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