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2023.10.04
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鳥友から水元公園で観察した所謂ベンケイヤマガラについて亜種でなく変異個体ということだが、変異の原因は何かと質問をもらいました。
観察されている個体のDNAを調べないと確定的なことは申し上げられないものの、ヤマガラとコガラの交雑、ナミエヤマガラの羽色変異個体が飛来している可能性などが考えられると返事をさせてもらいました。なお、写真はイメージとしてアップしもので水元の濃色化した個体ではありません。
(1)ベンケイヤマガラの論文への登場
私共の手元には論文がないのですが、理学博士黒田長禮氏の「本邦産ヤマガラの色變型と雑種」に博士が1925年3月銀座松坂屋でベンケイヤマガラとして入手し、飼育したとの記載があると友人より教えてもらいました。
なお、三島(1969)に本邦産ヤマガラの色變型と雑種に報告されているヤマガラは、ヤマガラとコガラの交雑個体である旨の記載があります。
(2)亜種ナミエヤマガラで見られる高い羽色変異について
上田ほか(2006)は、2003年から2004年の繁殖期に伊豆諸島神津島でに亜種ナミエヤ
マガラPv. namiyeiを捕獲し羽色などを調査した結果を報告しています。
報告によると、本土に生息する亜種ヤマガラPv. variusや伊豆諸島南部に生息する亜種オーストンヤマガラP.v. owstoniでは見られないほどに、頬のパッチの色彩が幅広く変異し乳白色から煉瓦色まで様々な個体が存在すると記しています。
また、要因として、神津島個体群が複数の亜種からなっている、さまざまな雑種の存在、浸透交雑、近親交配などの可能性を指摘しています。このうち、浸透交雑について、亜種ヤマガラPv. variusや亜種オーストンヤマガラPv. owstoniが神津島に侵入し、雑種を形成していれば、遺伝子が浸透する可能性は充分考えられるとしている点は注目されます。
(引用)
三島冬嗣.1969.ヤマガラ× コガラの雑種およびアオジの淡色型について.
山階鳥研報.第5巻.第6号.p92-94.
上田恵介•山口典之・森本元•福永杏.2006.稀少鳥類ナミエヤマガラの基礎生態研究
一少ない生息数が引き起こす独特な生活史形質一.
プロ・ナトゥーラ・ファンド第15期助成成果報告書.p39-46.
(写真)
2020年10月25日柏市内で撮影









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最終更新日  2023.10.04 17:06:23
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