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昼前まで小雨がふったりやんだりで、オフィスのある柏市内の谷津田を訪ねました。ここは、カワセミの縄張り内でいくつか持っている餌場のひとつと思われ、止まる場所が複数個所決まっています。水田の杭、遊歩道の上、池を見下ろす木の枝のいずれかにとまり、ひたすら待伏せして魚影を見定めています。魚が捕獲する時は水面に魚が浮いてくる魚影をめがけて瞬時に捕獲できる木の枝、ドジョウやザリガニを捕獲する時は浅瀬を狙いやすい遊歩道の上または水田の杭に止まっています。待伏せしているポイントで捕獲する餌がほぼ予想できるのも観察の醍醐味です。このほか、今日はカルガモが田植え前の水田を移動しながら餌探しをする光景やクロアゲハが田んぼの一角で吸水していました。以前、専門家に教わったところでは、羽化直後の雄がほとんどの由。このほか、畑地の一角では複数のキジバトが地面を嘴で掘り返して餌を物色している姿があったり、身近な鳥や生き物と接する時間となりました。なお、ツミ、フクロウなどの猛禽とは出会えず、次回以降のお楽しみとなりました。(写真)2024年4月30日撮影
2024.04.30
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今朝、オフィスのある千葉県柏市を探索していたら駐車場の一角でコチドリが座り込んでいる姿を発見しました。また別の一羽が移動しているのも見つけました。一羽は胸元の黒い帯が黒味が強くて太く、目を縁取る黄色い皮膚の輪(アイリング)が太い雄個、もう一羽は帯や耳羽に茶色や白色が混ざる雌でした。中核都市でありながら、住宅地の間に小砂利が敷かれた環境が点在してします。ぽっかりとあいたような植生のない駐車場のような場所では捕食者に対して巣が目立つと思われますが、茂ったところでは巣が作れないうえに植生により地表が見えなければ礫での隠蔽効果もないと思われ、周囲に溶け込むような環境に営巣したほうが繁殖成功率が高くなると考えられるのでコチドリが選択したとも考えられます。これから、散歩の楽しみが増えました。(写真)2024年4月29日撮影(参考)笠原里恵.2020.コチドリ.Bird Research News Vol.17 No.4.p1-2.
2024.04.29
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毎年シギ・チドリの探索をしている印西市から柏市にいたる水田地帯を訪ねました。国道408号線から国道356号線に挟まれた水田地帯にはシギ・チドリの姿は皆無だったので印西市安食から小林にかけて広がる水田地帯に移動したところ、田植えが行われていない水田の中と畔で腰をおろして休んでいるムナグロ、キョウジョシギを発見しました。ムナグロは大半が夏羽で、冬羽から夏羽の換羽中の個体でした。また、キョウジョシギは雄成鳥と若鳥でした。体形や採餌スタイルがムクドリ似に見えたので見過ごしそうでした。帰り道、手賀沼沿岸の水田地帯を探索しましたが、こちらはシギ・チドリの姿は皆無。ダイサギ婚姻色個体、電線に複数のツバメが休む光景を見かけたのみでした。昨シーズンは、この時期にムナグロ、キョウジョシギの小さな群れを見かけましたが今シーズンは少し遅い状況です。次回の探索に期待をして帰路につきました。(写真)2024年4月28日撮影
2024.04.28
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2024年4月26日(以下4月と表現)にミゾゴイ成鳥、2月29日(以下2月と表現)にミゾゴイ若鳥を首都圏の異なったフィールドで観察しました。観察した特徴を整理してみました。ご参考になれば幸いです。(1)成鳥と若鳥の目先の裸出部について1枚目から3枚目は4月に観察した成鳥個体です。目先の色は青色で、上面が赤褐色、下面は黄褐色で黒褐色の縦斑がありました。4枚目は2月に観察した若鳥個体です。目先は少し黄色がかった褐色、上面は赤褐色、下面は褐色で黒褐色の縦斑がありました。また、嘴は上嘴・下嘴ともに黒色には変化していない状態でした。白石・石井(2019)が繁殖期は上嘴・下嘴の色が黒色に変化したとしていることおよび本格的な換羽が個体にもよるが翌年の 5月頃からと記していることを考えると生後1年から2年にかけての個体ではないかと考えられます。(2)成鳥と若鳥の目先以外の比較・4月の個体では頭上は赤褐色、2月の個体は頭のてっぺんが少し紺色がかっていました。・川上(2013)が記している脚の前側が黒色で後側が黄色の点については確認できませんでした。5枚目の画像をご覧ください。・4月の個体では上面が赤褐色、雨覆付け根付近がチョコレート色、下面は黄褐色で黒褐色の黒い筋模様(縦斑)がありました。2月の個体では翼に白と黒の斑が点在し、顔にまだら模様が見えていました。・川上(2013)が述べている翼に黒い部分があるとの点については確認できませんでした。(引用)川上和人.2013.ひっそりと暮らす里山の忍者ミゾゴイ.Toyota Technical Center shimoyama.トヨタ自動車.p3.白石利郎,石井裕之.2019.ミゾゴイの羽衣による年齢推定と繁殖期における色彩変化第66回動物園技術者研究会(口頭).横浜市繁殖センター研究事業報告書.発表資料p4
2024.04.27
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かつて水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。一ヶ月ぶりに現地を訪ねました。昨シーズンの今頃は、雌が巣に入り抱卵していましたが、今年は2ペアが飛来しているもののいまだ巣をどこにしようかと雌雄が牽制している状態です。雄が餌を捕獲し運搬し雌にプレゼントしペアリングを目撃しましたが、雌が短時間巣に入る光景は見るもののそれ以上ではありません。年により産卵の時期は大きく変動しているようです。本村(2012)が、産卵は早いつがいで3月、遅いつがいで6月に行われると報告しており、宿場町に飛来しているペアがどのタイミングで産卵するのか注目しています。(写真)2024年4月26日撮影(引用)本村 健.2012.チョウゲンボウ. Bird Research News Vol.9 No.8.p4.
2024.04.26
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先週から姿を登場している首都圏でのミゾゴイの様子を見に出かけました。(なお、2月29日に観察したフィールドとは別の場所です。)(観察したミソゴイの特徴)・眼の周囲と眼先は水色でした。・頭上は淡い紺色で冠羽は短いのか目立ちませんでした。・頭頂から額にかけて暗青色。・下面に黒褐色の縦斑がありました。・嘴は短めでした。上記のことから成鳥雄と思われました。(2月に観察したミゾゴイの特徴)頭上が紺色(成鳥は暗赤褐色)で、後頭に冠羽(成鳥は短い冠羽あり)は認められません。また、若鳥の雨覆や肩羽には褐色斑がありますが、認められませんでした。このことと頭や翼に白と黒の虫食い斑があるので幼鳥と思われました。(写真)2024年4月25日撮影(最後の写真、幼鳥は2月29日撮影)今回も絶滅危惧種であり、観察地は非公開とさせてもらいます。
2024.04.25
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20日茨城県浮島でシギ・チドリを探索していましたら、タカブシギ、クサシギが同じ蓮田に姿がみつけました。全部タカブシギと思っていたのですが、一羽はクサシギでした。違いに気づいたのは尾の黒い横縞の違いでした。クサシギのほうが横縞が少なく、タカブシギでは本数が多いのです。帰宅後、複数の図鑑を見てみると、桐原(2000)にクサシギでは尾に黒い横縞、タカブシギに黒い横縞がある、永井(2014)にクサシギに尾の先端にわずかに黒帯、タカブシギに尾全体に黒帯があると記載がありました。ただし、本数については記述がありませんでした。しかし、日本野鳥の会三重(2018)に同様の見分けのポイントが報告されていました。それによると、「タカブシギとクサシギは腰が白く尾羽も白いですが、尾羽にある黒褐色の横斑の濃さや太さで両種を見分けることができます。尾羽の横帯がタカブシギは5-6 本、クサシギは2-3本、イソシギは腰が褐色で尾羽は外縁だけが白い」と記されていました。(過去の写真で復習してみると)写真一枚目(2020年5月17日千葉県柏市)、二枚目(2019年9月9日茨城県浮島)は、クサシギです。いずれも尾羽の横縞は3本あるように見えます。写真三枚目(2019年8月24日茨城県浮島)、四枚目は(2018年9月8日茨城県浮島)は、タカブシギです。尾羽の横縞は5本あるように見えます。写真五枚目(2018年8月18日千葉県谷津干潟)、六枚目(2018年9月9日千葉県谷津干潟)は、イソシギです。いずれも尾羽は外縁だけ白くなっているのがわかります。(尾羽以外の特徴)クサシギは、タカブシギよの少し小さめで上面の白斑はやや大きく、色が明るい印象があります。また、眉斑は目の後方まで続き、嘴は短めの印象があります。また、羽縁の白斑は小さい点はイソシギと似た印象があります。こうした点とあわせて、尾羽の横縞の違いを観察すると識別に役立つことがわかりました。(引用)桐原政志.2000.日本の鳥550.水鳥の鳥.p228-229.p234.文一総合出版.今井 光昌.2018.シギ・チドリ類の年齢・季節による羽衣の変化第12回タカブシギ、クサシギ、イソシギ. 日本野鳥の会三重会報しろちどり96号.p8-12.永井真人.2014.野鳥図鑑670.p291、p304-305.文一総合出版.
2024.04.24
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久しぶりに松戸市八柱霊園内を探索しました。キビタキのヒッヒッと鳴き声がし、エナガ数羽が動いていました。このほか、センダイムシクイと思われる小鳥も移動しているのを目撃。また、ツミの雌が枝に止まっている姿を観察しました。しかし、小鳥は林の中から姿を現してくれず、ツミも記録しようとしたら渡去。こんな日もあるものですね。(写真)キビタキ:2018年撮影、エナガ:2023年撮影、ツミ:2021年撮影
2024.04.23
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今月1日ヒメアマツバメが巣に入る光景を目撃したので様子を見に出かけました。巣には姿がないものの、巣の形は維持されているので近郊に餌探しに出かけているものと思われました。近くの商業施設ではツバメが巣に座り込み抱卵している姿を観察しました。雄が餌の捕獲で頻繁に飛び回り、その途中に池の縁の土を巣の補強用として運搬したり、大活躍でした。なお、複数のツバメのうち、1羽が下面に赤みのがある亜種アカハラツバメ似の個体でした。ただし、胸の黒帯が太いはずが亜種ツバメと差がないので、亜種ツバメと亜種アカハラツバメの交雑である可能性もあります。このほか、商業施設前の池では複数のバン、近くの調整池では水路にタシギ、水面にコガモ、オカヨシガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモの姿がありました。(カモの観察メモ)・コガモ雌は、全体に褐色ががり、三列風切に橙褐色の斑が出ていましたので生殖羽です。・オカヨシガモ雌は三列風切が生殖羽のような三列風切に薄橙色の斑がなく非生殖羽です。・ハシビロガモ雌は脇の羽に丸みがあり橙色の嘴に小黒斑があり、非生殖羽です。・ヒドリガモ雌は、脇の羽に丸みがないこと、非生殖羽にある白色の羽縁が目立たないので幼羽が換羽中の個体と思われます。(写真)2024年4月22日撮影
2024.04.22
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東京在住の鳥友から5月に入ると手賀沼沿岸でホトトギスの声は聞くのにカッコウの声が聞こえない。いつ頃から記録がないのかと質問をもらいました。手賀沼とその周辺地域で観察記録を振り返ってみました。あわせて、千葉県と隣接する都県での分布も文献を調べてみました。(まとめ)・手賀沼沿岸では、2017年6月12日の記録を最後に鳴き声が記録されていません。・手賀沼流域の街では、柏市南部で2003年繁殖期まで、利根川流域では2010年までは鳴き声の報告が寄せられていましたがそれ以降は寄せられていません。・千葉県と隣接する都県の埼玉県で2011年以降は鳴き声の報告がない、茨城県では分布が急減していると報告がある一方で東京都では2010年以降分布が拡大傾向にある、神奈川県では限られた地区で新たに定着するところもあると報告されています。(手賀沼沿岸での観察記録)1978年6月9日、1978年6月19日、1980年8月10日、2017年6月12日にいずれも手賀沼沿岸で記録があります。(手賀沼沿岸以外での観察記録)2000年5月29日、同年6月6日から9日いずれも柏市南部地区、2002年6月3日、20日柏市南部地区、2003年5月31日から6月15日柏市南部地区で鳴き声の記録があります。2005年5月18日から7月20日、2006年5月14日から7月23日、2008年5月16日から6月25日、2009年5月28日から7月5日、2010年5月13日から7月14日いずれも我孫子市利根川沿いで鳴き声の記録があります。ところが、2011年以降は報告が寄せられず現在に至っています。(近隣の都道府県の記録)朝日新聞デジタル(2019/5/17)が掲載した日本野鳥の会埼玉の記録によると、1996年に開催した計80回の探鳥会でカッコウの出現回数は12回、出現率は15%だったものが、2011年は0回だったと記されています。東京都(2020)では、1970年代から1990年にかけて急減したものが2010年以降分布を拡大していると報告されています。神奈川県(2022)では、箱根仙石原などに限られているが、相模原市、大和市にも定着する傾向があると報告されています。茨城県(2021)では、分布が2005年38から2016-2021年で14メッシュと63%減となったと報告されています。(引用)東京都.2020.レッドデータブック.p447-506.神奈川県.2022.神奈川県鳥獣生息分布調査報告書.茨城県.2021.茨城県鳥類繁殖分布調査報告 2016-2021.p7.(写真)2017年7月19日栃木県戦場ヶ原で撮影
2024.04.21
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茨城県浮島周辺にシギ・チドリの探索に出かけました。蓮田の東端の蓮田ではアオアシシギ、セイタカシギが採餌をしている姿を発見。その後、蓮田エリアを北上すると、クサシギ、タカブシギ、オジロトウネン、タシギ、コチドリが餌探しに余念がない光景を観察できました。また待機中、農道をイタチが通過していく姿を見かけたり、楽しい時間でした。(写真)2024年4月20日撮影
2024.04.20
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これから夏にかけて森林、林などでキビタキと出会う時期となりました。繁殖期に空中を移動する昆虫類を空中で捕獲する姿を捉える姿を見かけます。実はこの採餌高が雌雄で差異があること、植生によって採餌する高さが違うことが研究者の調査で判明しています。参考としてその一部を紹介します。岡久ほか(2012)は、山梨県富士山麓の落葉広葉樹林と常緑針葉樹林でキビタキを対象として雌雄で採餌行動に違いがあるか、植生に応じた採餌行動で雌雄の差があるかを調査した結果を報告しています。その結果、キビタキの雄は植生に関わらず樹冠下部で囀り、なわばりの防衛のためにソングポストに留まっており、採餌高はソングポストの高さのみによって決まっていたことが判明しました。一方、キビタキの雌の採餌高には巣の高さが影響していたことが判明し、巣の傍で採餌する傾向があり、巣が高い位置にあるほど高い位置で採餌を行っていたと記しています。さらに、雌は植生によって採餌する高さが異なっており、常緑針葉樹林では落葉広葉樹林より高い場所で採餌を行ったと述べています。調査結果から、キビタキ雌雄で採餌高に性差が見られ、それは雌雄の繁殖分担と環境に応じて採餌戦略を変化させていたことがわかったとむすんでいます。(引用)岡久雄二・森本 元・高木憲太郎.2012.キビタキの採餌行動の性差.日本鳥学会誌.第61巻.p91-99.(写真)2024年4月18日水元公園、2016年4月24日松戸市で撮影
2024.04.19
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夏鳥到来のシーズンとなり、都内水元公園内を探索しました。林の一角でキビタキ、複数のセンダイムシクイ、オオルリが登場。このうち、枝にとまり姿を披露してくれたのはキビタキのみでしたが、橙色の喉の色が艶やかな雄の姿に見惚れてしまいました。このほか、ユリカモメの頭巾をかぶったような夏羽、冬羽から夏羽に換羽中の個体、コサギの婚姻色個体(目先がピンク色、趾が赤味を帯び、飾り羽の先も黄金色)、あちこちの芝生エリアで群れとなっていたツグミは、下面が真っ黒な個体、黒色斑のある個体、上面の褐色が淡い雌個体と実にいろいろでした。(写真)2024年4月18日撮影(参考:黒い部分の多いキビタキと褐色の個体)岡久(2015)はキビタキの生態などの知見を整理し紹介しています。越冬地で多くの羽を換羽した黒色の個体は体重が軽く、一方あまり換羽していない褐色の個体は体重が重い傾向にあると述べています。また、繁殖地では褐色の割合が高い個体ほど攻撃性が低く激しいオス間闘争を回避する傾向にあると記しています。(引用)岡久雄二.2015.キビタキ.Bird Research News Vol.12 No.6.p4-5.
2024.04.18
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これから初夏にかけて水田などでタマシギの姿を見かけます。多くの図鑑類では一妻多夫の鳥類として紹介されていますが、実は番いになっている期間が短く、抱卵・育雛は雄だけが担当しているので一妻多夫とは言えないのではないか米田(2015)が指摘しています。米田(2015)は、タマシギのオスとメスがどれくらいの時間一緒にいるかを調べてみたら、合計200時間の観察の中で、産卵の日齢が進むにつれて一緒にいる時間を調査した結果、産卵を始める3~4日前から産卵期の前半まではいつもオスとメスが一緒に行動し、巣から離れる時も必ず連れ立って飛んでいき、後半になるとオスは巣に留まって抱卵をします。ところが、メスはどこかに飛んでいくことが多くなり、4個の卵を産み終えるとメスはその巣から離れてしまい、その後巣に戻ってくることはなく、オスは1羽だけでヒナが孵化するまでずっと抱卵を続けたと記しています。つまり、オスとメスが一緒にいる期間は約1週間だけで、その後はバラバラになって暮すことが分かったと報告しています。さらに、タマシギについて言えば番いの期間が非常に短いこと、抱卵や育雛をオスだけが行うことがほかの一夫一妻制の鳥と大きく違うとして指摘しています。(引用)米田重玄.2015.タマシギの繁殖生態「一妻多夫?」.山階鳥研ニュース2015年7月号.(写真)2017年5月27日さいたま市、2023年2月18日、22日都内水元公園で撮影
2024.04.17
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3月末に今シーズンもチョウゲンボウが飛来しているのを観察しました。その後の様子を見に出かけました。1971年オーブン以来親しまれてきた商業施設が10月27日をもって閉店となる旨が店長名で掲示されました。チョウケゲンボウを2001年以来、近隣の皆さんたちと見守ってきました。ビルが取り壊しとなるか、売却されるかで繁殖がどうなるかはわかりませんが今シーズンの様子をリポートしていきます。今朝は、複数のハシブトガラスが存在していたので、壁面や最上階にチョウゲンボウ雄がとまり周囲を監視していました。その後、2羽が加わり計3羽で高層ビル上空を飛翔。約1時間程度、その動きを見守っていましたが例年営巣場所としている換気口に入る姿は角確認できずでした。例年は3月最終週には換気口に入り営巣をスタート、最も早い年では2007年5月9日には幼鳥の顔を観察してしますので、いまだ営巣を確認できないのでやきもきしています。帰り道、隣駅の駅前で毎年繁殖しているイソヒヨドリの様子を見に立ち寄りました。ソングポストとしている商業施設最上階にとまり、ヒーリーリーと朗らかな声を披露し乗降客の皆さんの人気ものとなっていました。今まで、ムカデ、トカゲ、バッタ、イモムシを捕獲し食べているのを目撃していますとお話しすると皆さんびっくりされていました。駅前を飛翔するツバメも同じ商業施設の一角で営巣しています。こちらも上空で昆虫類を捕獲する姿を目撃しています。買い物ついでのウォッチングが楽しみな時期です。(写真)2024年4月16日撮影
2024.04.16
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柏市側では田んぼの代かきがスタートし、コチドリ雌雄が複数飛来しテリトリー確保で大忙しです。谷津田でも耕起が行われ、サシバがトラクターの動きを凝視し小動物の登場をひたすら待機していました。その後、我孫子側に移動し沼の遊歩道を探索すると、地面で餌を探すアオジ、縄張りを巡回していたキジの雄、そしてコガモを捕獲して羽をむしり内臓をたいらけげているオオタカを発見しました。そこにハシブトガラスが飛来し餌のコガモを横取りしようと激しいバトルが展開となりました。カラスの執拗な動きにオオタカは餌を放棄し近くの木に渡去。すぐそばには、セグロカモメの姿があり、バトルを見ていたと思いますが静観の構え。(写真)2024年4年15日撮影
2024.04.15
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ガンカモ科シマアジは、和名を「縞味」とつけられています。石田(2015)が食用にされた歴史があり、和名「アジ」は味がよかったことに由来すると述べています。味についてはカモ肉の中ではどんな位置だったかについて文献を紐解いてみました。皆さんのミニ知識として参考となったら幸いです。(当流節用料理大全が記載している鳥類)真鶴、こん鳥、黒鶴、真雁、雁金、白雁、海雁、真鴨、真鴨、僧鴨、真崎鴨、吉崎鴨、足鴨、口鴨、小鴨、あぢ鴨、嶋あぢ鴨、赤頭鴨、川喰鴨、ひでかげつ鴨、羽白霜振鴨、鈴鴨、大赤頭、神子鴨、ほひらき鴨、黒鴨など約82種類の調理法が掲載されています。嶋あぢ鴨がシマアジのことを指しているものと思います。(あぢ鴨はトモエガモのことを指しているようです)(シマアジは肉のランクとしてはどんなポジションか)石田(2015)が味がよかったと紹介している点を文献でたどってみましたが、食用ランクのようなものは見つけらませんでした。しかし、マガモ雌雄1ペアを基準とした販売価格が存在していたことを菅(1995)が紹介していました。それによると、カモ肉の場合、マガモ雌雄番いの価格を決めそれを基準にして相場価格が決定されたとあります。マガモ1に対してガン1.5、オナガガモ0.3、ヒドリガモ0.25、キンクロハジロ0.2、シマアジ0.14、ハシビロガモ0.14などの売買比率が記されていました。(江戸時代の建前と実際)江間(2013)が報告しているように、文献を振り返ると、仏教の伝来とともに天武天皇(675)が肉食禁止令を発して以来、牛、馬、犬、猿、鶏などの肉を口にしなくなった、また1687年徳川綱吉が生類憐みの令を出し、1709年に廃止されまで料理本の出版物も控えられていたと記されています。その後も徳川吉宗が1718年に鶴、白鳥、雁、鴨が少なくなり食用にすることを禁止しました。しかし、菅(1995)が述べているように、1744年に水鳥荷物の検査所を設け水鳥問屋が売買するという幕府公認の仕組みが存在し、1842年問屋組合が停止されるまで続き、その後も第二次大戦以前まで農閑期の冬場に水鳥猟が続けられていました。それは、農家の閑散期の生活を支える意味と貴重な蛋白源として重用され東京などの大消費地へ供給されていました。(引用)当流節用料理大全.1978.江戸時代料理本集成3巻.pp12-260.臨川書店.菅 豊.1995.朝日百科日本の歴史別冊.通巻18号.p35-51.江間三恵子.2013.日本食生活学会誌.第23巻.第4号.p247-258.石田光史.2015.野鳥図鑑.p46.ナツメ社.(写真)2024年4月13日さいたま市、2017年4月16日習志野市秋津、2019年10月7日水元公園で撮影
2024.04.14
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待ち望んでいたガンカモ科シマアジとさいたま市内で出会えました。雄2羽、雌1羽が暖かな日差しのもと、眠りこんでいました。雄の白く太い眉斑、眉斑の白色は後頭まで伸びている特徴、黒、白、青灰色の三色から構成される肩羽、雌の羽色が明るい色になっていたのをじっくりと観察できました。(写真)2024年4月13日さいたま市内で撮影
2024.04.13
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4月1日に雌の姿を目撃したものの、まだペアの相手や造巣する様子も確認できず、日数が経過していくばかりです。しかし、近郊の公園の一角で3羽が飛翔する姿を観察したり、今朝は少し離れた谷津田上空で鳴きながら飛翔する個体と上空を飛翔する個体の2羽を観察できました。ツミは、越冬期過ごした林から営巣林に移動する時期は、行動圏がとても広いのが特徴です。その後、営巣林の候補地をいくつか抱え、雌がその林に執着する時期となると雌が林に長時間滞在するようになります。その後、4月に造巣期に入り、独自で巣作りをスタートするか、カラスなどの巣をベースにして枝や葉を搬入して巣を大きくします。(写真)2024年4月1日、2023年4月13日撮影
2024.04.12
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手賀沼沿岸で最も面積の大きい谷津田にサシバを探索に立ち寄りました。地区の一角に京都祇園祭と同じ七月二十三日、二十四日の夏祭りが行われる神社があり、住宅地として開発されたエリアとの間に谷津田が残されています。サシバの姿を見つけたのは車の行き来の多い道路沿いの電柱のてっぺんでした。ひたすら眼下の水田を見つめ、到来直後から育雛初期まで主食としているカエル類の動きを凝視していました。水路沿いをカエルが移動するとサシバも止まる電柱をかえやや低い位置に止まる位置を変更。その集中力に感服。いつもの年ですと、5月半ばまでは水田の脇の電柱、5月下旬には畔や土手、農道、雑木林で餌を探索しています。季節の進行とともに採食場所をかえてその時期に捕獲しやすい餌を捕獲するのがサシバの特徴です。今日観察した個体は、胸が一様に褐色の雄で、雌ほどではないけれど眉斑がありました。(写真)2024年4年11日撮影
2024.04.11
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まだ滞在している冬の水鳥と春の渡りの鳥たちと会いを期待して船橋市三番瀬を訪ねました。12時近くが干潮でその時刻にあわせて現地に到着。お目当ては、ヒメハマシギ、オバシギなどの春の渡り鳥と北帰行を控えている水鳥たち。最初は干潟の先に広がる小島にダイゼン、ハマシギ、オバシギ、オオソリハシシギ、ミヤコドリなどが羽を休めていて距離が遠すぎてなかなかじっくり観察できず。それでも、14時すぎに潮が満ち始めると干潟に移動し姿を披露してくれました。そのほか、水鳥では、ススガモにくわえてビロードキンクロの姿、金色の飾り羽と虹彩の赤色が素敵なハジロカイツブリ夏羽、沖合を移動する27000羽の群れで移動するカワウの姿を目撃したり、楽しい時間を過ごしました。(写真)2024年4月10日撮影
2024.04.10
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昨日、谷津干潟でハシビロガモ生殖羽を観察しました。生殖羽も嘴が橙色のもの、黒色のもの、三列風切の薄橙色の斑の大小の違いがあります。これまで観察した個体の写真を使って紹介します。一枚目の個体は雄と一緒に水面を移動していたときの一枚です。この個体の嘴は黒色、虹彩は暗色、羽縁が薄い橙色で体全体が明るい印象がありました。ただし、三列風切には薄橙色の斑が小さく見えていました。二枚目の個体は、嘴は橙色で、虹彩は暗色、羽縁は薄い橙色でした。三列風切の薄橙色の斑は横に長く見えていました。図鑑類で雌生殖羽と記載されるのはこの個体が多いと思います。三枚目の個体は、虹彩は茜色、雌成鳥と比べると雨覆に褐色味があり、脇の羽に丸みはありませんでした。幼羽から第一回生殖羽に換羽中のものと思われました。四枚目の個体は、虹彩は茜色、脇の羽は丸みが強く、非生殖羽と思われます。五枚目は、雄エクリプスと思われる個体で虹彩が黄色です。雌の虹彩は暗色から黒っぽい赤や茜色などの変化に富みます。雄エクリプスでは嘴は橙色の個体が多い気がしますが、この個体は黒色です。(写真)一枚目、二枚目:2024年4月8日千葉県習志野市谷津干潟三枚目:2018年1月3日千葉県市川市中国分四枚目:2009年11月8日千葉県成田市五枚目:2009年10月17日茨城県つくば市
2024.04.09
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昨日、オバシギ、ダイゼンなどの姿があったと鳥友に教えられ谷津干潟を訪ねました。干潮時刻にあわせて現地に到着し干潟を見渡しましたが、コチドリ以外のシギ・チドリの姿はありませんでした。大潮で近郊の三番瀬に餌探しに出かけてしまった模様でした。しかし、複数のコチドリが縄張り争いで活発に動き回り、体を膨らませて威嚇したり、鳴きながら追尾したりしていました。このほか、コガモ雌、オナガガモ雌、ハシビロガモ雌の各生殖羽の個体を複数見つけました。いずれも非生殖羽に比べて褐色味が強くなっていました。あわせて、アオサギの婚姻色個体(目先から嘴、足が赤味を帯びている)と夏羽個体の姿、葦原では葦の中にいるカイガラムシを採食しているシジュウカラの姿を観察。シギ・チドリを堪能とはいきませんてしたが、旬の時期の観察の醍醐味を楽しみました。(写真)2024年4月8日撮影
2024.04.08
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昨日、手賀沼沿岸の谷津田でアオゲラを観察した旨のリポートしました。鳥友から今までアオゲラの観察記録が少ないのはどうしてかと質問をもらいました。(関東はアオゲラの分布の空白地帯)バードリサーチ(2023)は、アオゲラの分布についての知見を整理し報告しています。それによると、本州以南に広く分布して拡大していますが、分布の空白域になっているのが関東地方の平野部から房総半島にかけてと記しています。関東地方のアオゲラの記録率は28%と低く、次いで低い中部太平洋側(57%)の半分以下の順となっていると述べています。その理由として、関東の平野部は,農地や住宅地が中心で,そこに樹林が点在しています。こうした環境は樹林性のアオゲラにとっては生息地として適していなかったこと、南方系のアオゲラは厳冬期に移動しない留鳥性の高さ(*)があることをあげています。(*)北方系のアカゲラは厳冬期に移動する習性をもちます。手賀沼とその沿岸では1997年以降、10月から翌年2月まで少数が観察されています。(ナラ枯れとアオゲラの分布)バードリサーチ(2023)は、関東地方にカシノナガキクイムシが媒介するナラ菌によるナラ枯れが2010年代後半から拡大していることをあげ、かつて佐渡でナラ枯れが増えた時期にそれまでいなかったアカゲラが定着・増加し、現在は普通種となっています。関東でもナラ枯れの増加でアオゲラの分布拡大が加速するのかと注目される旨を記しています。(引用)バードリサーチ. 2023.日本の森の鳥の変化:アオゲラ.2023年05月12日.(写真)アオゲラ:2024年4月6日手賀沼沿岸、アカゲラ:2020年1月13日柏市内で撮影
2024.04.07
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明け方から9時頃まで小雨がふっていましたがその後やんだので春のシギ・チドリを探索しに茨城県浮島まで足を延ばしました。しかし、到着し小雨が降り出し風も吹き抜ける探索には不向きの条件となりました。それでも、セイタカシギ4羽、オオソリハシシギ1羽、タシギ8羽が蓮田と畔に見つけて現地を後にしました。手賀沼沿岸の谷津田まで移動し、サシバが飛来したポイントで待機。一羽は電柱のてっぺんに止まっている姿を見つけました。その後、2羽で上空を鳴きながら旋回していました。どうやらペアのようでした。しばらくその動きを観察していたら、木のへっぺんにキツツキの姿を発見。後頭部のみ赤い、上面は黄緑色で下面に波状斑があり、アオゲラ雌個体でした。(写真)2024年4月6日撮影(浮島、手賀沼沿岸ともに小雨、曇天で証拠写真です)(メモ)アオゲラは手賀沼沿岸とその周辺地域では、2014年12月、2015年3月に観察したことがあるのみです。
2024.04.06
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そろそろ、キビタキが子育てのため日本に渡ってくる時期となります。キビタキというと艶やかな喉の黄色と頭部から体上面の黒色が特徴の雄を思い浮かべる方が多いと思います。ところが、体上面がオリーブ褐色の雌は、林の中から姿を現すのが少ないので観察するとさて種類はと悩む方が多い気がします。その識別のポイントを整理してみました。(お腹の色と喉の色)まず確かめたいのが、お腹が白く、喉が薄黄色味を帯びているかです。同じような環境で出会うオオルリはお腹の下まで淡い褐色です。(背中の色)キビタキ雌は背はオリーブ色をしています。オオルリでは背はグレーがかった茶色です。(喉の下の色)キビタキ雌は喉の下はまだら模様です。オオルリでは喉の下に白い線が見えます。(参照)五百沢日丸.2000.日本の鳥550山野の鳥.p228-229.文一総合出版.(写真)2018年10月13日、14日、2019年10月6日柏市内で撮影
2024.04.05
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埼玉県草加市の鳥友から自治体発行のそうか生き物だより(2023/11 no26)に「最近では気候変動の影響で冬が暖かくなってきているため、ツグミの日本での滞在期間が短くなってきているようです。23 年間で 40 日以上も短くなったと言われています」と記されているが、隣接する千葉県ではどうかと問い合わせをもらいました。そこでホームグランドの手賀沼沿岸地区のツグミの初認と終認の記録を見返してみました。記録を確認できる2000年以降2023年までの初認と終認を整理すると次のようになります。変動を繰り返しながら、滞在日数は減少傾向にあることがわかります。2000/11/13-2001/4/5(143日)、2001/10/29-2002/4/7(160日)、2002/11/7-2003/5/4 (178日)、2003/11/3-2004/4/11(160日)、2004/11/10-2005/5/9(180日)、2005/11/1-2006/4/23(173日)、2006/11/13-2007/4/29(167日)、2007/11/7-2008/4/29(174日)、2009/11/5-2010/5/13(189日)、2010/11/3-2011/5/3(181日)、2011/11/16-2012/4/23(159日)、2012/10/25-2013/4/28(185日)、2013/11/14-2014/4/26(163日)、2014/11/4-2015/4/26(173日)、2015/11/16-2016/4/25(161日)、2016/11/13-2017/4/15(153日)、2017/11/13-2018/4/14(152日)、2018/12/3-2019/4/24(142日)、2019/11/16-2020/04/25(161日)、2020/11/16-2021/4/25(160日)、2021/11/21-2022/4/13(143日)、2022/12/15-2023/4/27(133日)(滞在日数の変化)・最も長い滞在2009年から2010年189日、最も短い滞在2022年から2023年133日その差は56日であり、草加市の40日以上を大きく上回っています。(初認の変動)・最も早く渡来したのが2012年10月25日、最も遅かったのが2018年12月3日でした。(終認の変動)・最も早い終認が2001年4月5日、最も遅い終認が2010年5月13日でした。(写真)2024年4月4日柏市内の公園にて撮影
2024.04.04
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冬の間は、谷津の水路沿いでチャッチャとウグイスに似た地鳴きをしていたミソサザイが山地の湿った場所、渓流沿い、崖地に移動し驚くべき声量で囀る姿を観察できる時期です。以前、沢の近くなどの騒音がある場所に生息する個体と森に生息する個体を比較すると、前者のミソサザイは大きな声で囀ることを紹介しました。今回、紹介するのは、ミソサザイは誰から囀りを学ぶのか、バリエーションはどの程度持っているのかについて、惣田(2022)が京都府芦生研究林で行った調査報告てす。それによると、雄の囀りのバリエーションは平均6.4で、300m程度の縄張りを持っていたことが判明したと記しています。さらに、雄の間で共有されているさえずりタイプもあることが判明し、さえずりの要素の共有も観察されたことから雄は近隣の個体からさえずりを学んだと考えられると述べています。雌が囀りのバリエーションの多い雄を好むのかといった点は未解明ですが、今後の調査を注目したいと思います。(引用)惣田彩可.2022.年間を通じたミソサザイの生態に関する調査.2022年第37回タカラ・ハーモニストファンド研究助成報告.pp15.(写真)2022年5月26日長野県戸隠、2021年6月29日長野県上高地、2015年5月23日栃木県日光で撮影
2024.04.03
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我孫子市側の手賀沼遊歩道沿いの桜の開花の具合を見学するのをメインに、アカガシラサギ、クイナ、ヒクイナ、水鳥たちを観察しながら散策しました。桜は一分咲き程度で週末あたりが満開となる模様です。さて、野鳥たちの様子ですが、雨の影響で手賀沼の水位が上昇しており、アカガシラサギが採食場所としているエリアにはその姿はありませんでした。それでも、もうそろいろ北へ旅立つクイナ、沼沿岸で繁殖するヒクイナは健在でした。クイナは体上面が褐色で、下面は青灰色で腹と脇に黒と白の横縞、上嘴が黒く下嘴が赤い成鳥冬羽個体でした。時折、キューイと首を絞められたような声を出しているのを聞きました。このほか、水面にカイツブリ、カンムリカイツブリ、コガモ、カルガモ、セグロカモメ、ユリカモメなどの姿がありました。(写真)2024年4月2日撮影
2024.04.02
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ツミが昨年まで営巣していた林が相続のため売却され宅地造成となったため、その動向が気になっていましたが、今朝探索していたら2014年まで営巣していた林に雌の姿を見つけました。コナラの木にとまり、キィキィキィと鳴き声を出したり羽繕いをしている姿を観察できました。雄が同じ林に来ているかは不明ですが、姿を確認できたのでホッとしました。(写真)2024年4月1日撮影
2024.04.01
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そろそろヒメアマツバメが飛来する頃なので柏の葉キャンパス駅近郊を探索しました。例年営巣をしているポイントを訪ねると、唾液で鳥の羽毛や草の穂などを壁面貼り付けて作った新しい巣となっていました。しばらく待機していると、2羽のヒメアマツバメが上空から巣の中に入りしばらく休憩する光景を目撃できました。このほか、アマツバメ5羽が上空を旋回し、ツバメが巣材をくわえて建物に出入りしている姿を観察したり、春らしい光景を堪能できました。その後、柏の葉キャンパス駅近くにある調整池を訪ねました。餌探しに余念のないコチドリ、水路沿いの泥に嘴を差し込んで餌を物色するタシギ、水面を移動するオカヨシガモ、ハシビロガモ、カイツブリを観察。ハシビロガモの雄は、ほとんど生殖羽となっているのにエクリプスに見られる嘴根元に白い縁取り状の模様がまだ残っていました。帰り道の途中で造成地のフェンスにキジの雄が止まって周囲を警戒する姿を発見。テリトリーを見張っていたものと思われます。(写真)2024年4月1日撮影
2024.04.01
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