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2023.12.24
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オフィス近くの公園を散歩していたら、エナガ10羽前後と複数のシジュウカラ、メジロ、コゲラが混群となってコブシ、アラカシ、エノキの枝にを移動していく姿を目撃しました。これから寒さが本格的になる中、その塒はどうしているのだろうと疑問が頭をよぎり文献に目を通してみました。すると、気温低下への対処と塒に入って枝に並列で並ぶ行動について報告を見つけました。
(エナガの気温低下への対処)
赤塚(2012)は、群れと塒の関係について報告しています。
それによると、エナガは進化の途中で、他個体の体温を当てにして夜間の気温の低下に対処する習性を身に付けた。イギリスで行なわれた研究によると、夜間のエネルギー消失の計測から塒内の位置取りに個体の優位があることが判明し、巣造り中のつがいは巣が完成するまで集団塒を利用し、ヒナがある程度育つと繁殖が集まって集団塒を構成して巣内のヒナとは別の場所で眠る。ヒナが巣立った初日の夜にでさえ、巣立ちビナのみを安全な場所に塒入りさせて親は群れの集団塒へ戻った事例があると記し、集団で塒をとることは生存率を高めるために重要であると推測され生活史に影響を与えていると述べています。
群れでいると自身のエネルギーをあまり使わずに体温維持、単独でいると体温維持にエネルギーが必要で体温維持の難しい小型の鳥ほど寒い地方の鳥ほど重要であるとも言えそうです。
(エナガが枝に並列となる様子)
エナガの塒については詳しい観察がかなわないためか研究が極めて少ないのですが、中村(1962)が長野県下高井郡と下伊那郡で調査結果を報告しています。
中でもどのように塒に入り、枝に並列しているかについての報告があります。
それによると、藪の中の特定の枝の上へ一列に並列する行動について記しています。
並列は1羽ずつ集ることによって進行するが、最初の1羽は枝の上で羽づくろいをし次の1羽が来ると横すべりの押し合いになり、おちつく頃に次のものは上へまわって2羽の間へとびおりて割り込む体をのばしてから急に縮めて割り込むと記しています。
(引用)
中村登流.エナガの塒と就塒行動.日本鳥学会.1962 年 17 巻 79-80 号 p.109-122
赤塚隆幸.2012.エナガ 群れと塒の関係.Bird Research News Vol.9 No.7.p3.













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最終更新日  2023.12.24 11:11:02
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