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March 27, 2023
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カテゴリ: 政治

日本も全国展開できる戦略に

尾松 亮

政府、地域協働の経済再生

近年、米国連王政府は「廃炉時代」を迎える立地地域の経済再生を支援するプログラムに力を入れている。米商務省経済開発局( EDA )の資料によれば、 2020 会計年度( 21 9 月まで)には「原発閉鎖の影響を受けるコミュニティー」支援のために 1500 万㌦が割り当てられた。 21 5 月に EDA は廃炉が進むビルグリム原発が立地するマサチューセッツ州プリマス市に対して、雇用創出・経済多角化支援のために 380 万㌦の補助金拠出を決定している。

21 9 月にも、 EDA はミシガン州南西部における「先端研究・支援パーク」計画に対して、 600 万㌦の補助金を支給することを決定した。これは 22 年に迫るパリセード原発閉鎖を見越して、周辺地域での新規雇用抄出、経済多角化を推進するための計画である。この「技術パーク」は 248 人の雇用を生み出し、追加で 1400 万㌦分の民間投資を得呼び込む効果が期待されている。

米国では原発閉鎖後、多くの立地地域が短期間のうちに税収の減少、原発完全雇用の喪失などの社会・経済的影響を受けてきた。廃炉事業だけでは、これら否定的影響を十分に緩和できないことも多くの立地地域の経験が示している。日本よりも先に廃炉時代を迎えた米国では、連邦政府が地域再生に資金を投じ、各地で生み出されるベストプラクティス(最善の事例)を全国展開する戦略を描く。

21 11 月現在、日本でも 24 基の商用原発廃炉が決定している。廃炉決定原子炉数で日本は世界第 4 位に当たり、すでに大量廃炉時代を迎えたといってよい。しかし、米国のように「廃炉時代」の地域再生策を中央政府が支援し、廃炉時代の経済モデルを全国に展開しようという政策はまだない。

21 3 月には、「原子力発電施設等立地地域振興特別措置法(原発特措法)」の期限が 10 年間再延長された。同法は原発立地地域の振興策として道路や港湾などインフラ建設を国が負担するものであり、この振興策では廃炉中原発も対象に含まれる。

しかしこの政策には「廃炉時代」を見据えた立地地域のための産業育成という視点が欠けている。稼働中原発と同様の振興策をただ延長するのではなく、廃炉を決めた原発立地地域が生まれ変わるための支援こそが必要である。

(廃炉制度研究会代表)

【廃炉の時代‐課題と対策‐㉖】聖教新聞 2021.12.7






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Last updated  March 27, 2023 06:03:17 AM
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