日々のあぶく?

日々のあぶく?

February 23, 2006
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なんてことは、まるでない。

「砂漠に雪だって降らせることが出来る」一貫した自分の考えに従って行動する西嶋、ノリが良いカワセミ頭の鳥井、
スプーン曲げなどささやかな超能力が使える南、多くの男が玉砕していく眉目秀麗な東堂、そして、鳥瞰型の僕・北村。
軽妙な語り口によって進む大学生活。
皆や仙台市内のブティックの店員・鳩麦さんとの出会い。合コンで出会った長谷川さんらの策略。
ホスト礼一とのボーリング対決のあった一年の春。
「プレジデントマン」の出没。連続強盗犯との遭遇による事故があった二年の夏。
ミスコン、超能力者・鷲尾とそれがインチキだと暴こうとする麻生の対決などを盛り込んだ学祭のあった三年の秋、
「プレジデントマン」との遭遇、連続強盗犯の逮捕にこぎつけた四年の冬、
そして、別れの春…「オアシス」から「砂漠」という名の社会に僕たち

伊坂氏は色々な表現の仕方の出来る作家だと思う。
根底に流れるものは同じでも、空気が違う。
次はどうやってみせてくれるのだろうと楽しみにさせてくれる。
また、何かが欠けても強く(普通に)生きる人を描くのも上手い。
所々に挟まれる「人間の土地」などの言葉も響いてくる。
思わせぶりな予感などを描き、「なんてことはまるでない」と締める北村の語り口調がいい。





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Last updated  February 23, 2006 01:30:36 PM


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