日々のあぶく?

日々のあぶく?

April 21, 2006
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この子の絵は未完成 乙一・
可愛らしいサイドの乙一作品。
普通と違う力を持つ息子・遊馬が描く絵からは匂いがし、彼がそう思っていたらシマシマな柄のものと一緒に洗濯した物は柄が写ってしまう。
彼はまだ幼稚園生。
彼が常識を理解するまではお絵かきを禁じるのだったが―

赤い毬 恩田陸・
亡くなった祖母に会ったことがある。
母の実家で海鳴り(潮騒)が聞こえなくなったあの時、熊笹の中で赤い毬をついていた少女。
ずっと毬をつきつづけなければいけない。いつかは私の番が来る。と少女は言った。
いつか私の番が来るのだろうか?

雰囲気作りがうまい。
急に途切れる潮騒の場面は映像化したら効果的だろうな。

百物語 北村薫・
酔っ払った後輩・美都子を泊める事になった安西。
「寝たくない」という彼女のため、二人で百物語をすることに。
一つ話すごとに家の明かりを一つ消していく。
最後に彼女は話す「一番近いのにすべてを見ることのない自分の姿は怖くないか」と―

ぞわりとする。

天使のレシート 誉田哲也・
高校受験を控えた伸照は科学者志望でありながら数学の成績が伸び悩んでいた。
気になるコンビニの店員・天使恭子に偶然出会い、彼女に促されるまま相談すると…

桟敷がたり 西澤保彦・
故郷であったつまらない合コンを早々に退散した次の日、東京に帰るために空港にいた下瀬沙理奈。
彼女は昨日一緒にいた友人・サエと一緒になる。
家族が旅先で事故にあったと連絡があり、東京に向かうつもりでサエは空港にきたという。
だが、事故の連絡は悪戯、しかも、乗る予定だった飛行機は整備不良で飛び立たず、次の飛行機は爆破された―

10月はSPAMで満ちている 桜坂洋・
何がしかの文章を書く仕事をしたいと会社を辞めた僕の新しい仕事は、スパム(メール)用の宣伝文を書くこと。
同僚となったのは秘密めいた所のある嘉穂、ほとんど喋らない露暮。
昼に偶然魚肉ソーセージを食べたていたことで、
会社の近くに駐車している人間から(自分が食べるであろう魚肉ソーセージを猫に餌付けし、その猫が車に足跡をつけた)言いがかりをつけられる。
猫に餌付けしている犯人は誰か?

犯人をスパムフィルターと同じ方法で推理する嘉穂。
不思議な雰囲気あり。
(スパムメールの)語源となったスパムって、沖縄でよく消費されていると言う厚めのハムソーセージみたいなもののこと、だよね?
嘉穂の言う"新しい技術を真っ先に活用するのはピンク産業と戦争"というのは事実だろうだけに、なんだかもったいないなーと思う。

哭く姉と嗤う弟 岩井志麻子・
姉の幸せを思いながらも懸想していた弟。
弟は姉がしてくれた物語を思い出す。
涙を流して戻ってきた姉、それを見て"泣かないで"と嗤う弟。

妖しげな雰囲気漂う作品。





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Last updated  April 21, 2006 03:52:19 PM


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