日々のあぶく?

日々のあぶく?

May 27, 2006
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おかしな二人 岡嶋二人盛衰記
ちなみに、第十回吉川英治文学新人賞受賞作、だそうな。

イコマ電子工業という会社の再生をかけるための全財産"五千万円"。
その金額の同額を要求する息子・慎吾の誘拐事件が発生。
社長の生駒洋一郎は息子のため、全額を払う決意をする。
電話とメモで巧妙に誘導する犯人に、洋一郎、(犯人に同行を指示された社員の)間宮と鷲尾、警察は翻弄されるまま、海に金の延べ棒に変えた身代金を投げ入れる。
息子は帰ってくるが、犯人は捕まらなかった。
その後、会社は元々誘いをかけていたリカード・カメラに吸収合併される。
その(8年前の)手記を息子に残し、洋一郎は末期癌により、生涯を終えた。

その12年後、かつての事件に端を発する新たな誘拐が行なわれる。
最新のコンピューター技術を駆使されて行なわれた誘拐のターゲットはリカード・カメラ会長・武藤為明の孫、葛原兼介。
犯人は合成音声を使い、身代金十億円はダイヤに変えろと要求。
身代金の運び屋に指名されたのはかつて、誘拐され、現リカード・カメラ社員・生駒慎吾だった。


犯人が最初に分かって進むミステリ。(叙述、って言うのだったか?)
兼介の誘拐は、攫われるのではなく、コンピューターゲームに自ら誘導され、監禁されるというのが斬新。
(この小説の初版は1988年。コンピューター技術を駆使するこの小説、出版当時はさらに斬新な手法だと思われたのではないだろうか?)
誘拐犯と警察の息もつかさぬ攻防戦、というのはなく、達成されるのを淡々と読み進める感じ。
だが、次はどうやって翻弄する気だろう?と思いながら読むのは面白かった。





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Last updated  May 29, 2006 12:24:15 AM


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