倒れている人(傷病者)の観察


今回は「傷病者の状態を観察」します。なぜそうする必要があるかというと、傷病者がどういった状態であるか・何の手当を優先すべきかというのが、応急手当をする上において大事だからです。

倒れている人を見つけたあなたは、周囲の状況を確認して近付いていきますが、観察は近づきながらもう始まってます。
傷病者の様子はどんな様子ですか?大きな出血はありませんか?手や足はどうですか?折れていたりしませんか?
もし、大きな出血があるようでしたら、傷口に手近にあるタオルやハンカチなどを当てて血を止める処置をしましょう。

ひととおりの観察が終わったら、まず「意識のあるなし」を調べてみましょう。
あなたは傷病者の片側、肩のあたりでひざ立ちになります。
「もしもし」とか「どうしましたか」とか言いながら肩を軽くたたき呼びかけてみて下さい。新生児(生まれたばかりや生まれてすぐの子)や乳児(お母さんのおっぱいや粉ミルクを飲んでいる時期の子)の場合は、肩が出っ張ってないので足の裏をたたいてください。知っている人なら名前を呼びかけるのもいいでしょう。

この時、意識のあるなしを調べるために、激しく頭や体を揺すったりしないように気をつけて下さい。頭や首にけががある場合は、そこを揺すってかえってそのけがを悪化させることがあります。

どうですか?何か反応(目を開ける・応答するなど)がありますか?
もし反応がある(意識のある状態)なら、話しかけ「どうしたのか(倒れたときの状況・痛いところなど)」聞いてみて、倒れている人の楽な体の位置に寝かせて、けがをしていればけがの手当をしてあげましょう。

もし反応がない(意識のない状態)なら、意識障害があると疑います。
意識がなくなると、あごや首・舌の力が抜け、舌の根元が落ち込んだり、液体や食べ物のかたまりがひっかかって、のどの奥がふさがりやすくなります。
この状態をそのままにしておくと、息(呼吸)が出来なくなるので後で説明する「気道確保」をしなければなりません。

どちらの場合も、早めに周囲を見渡して協力してくれる人をさがしましょう。「誰か来てください!」と大声を出し近くにいる人に手伝ってもらいましょう。

あなたが指示して、まわりの人に手伝ってもらうことはたくさんあります。
「119番への電話(通報とも言う)」「周囲の安全確保」「群衆整理」「応急手当に必要なものを取ってくる」「(必要に応じた)傷病者の安全な場所への移動」「傷病者のプライバシー確保」「人工呼吸・心臓マッサージ」「大きな出血を止めるための手当」などです。次回はそれらの割り当ての仕方について書きます。




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