05/冬~



ブック
2005年・冬 絵本&おはなし覚え書き



パンのかけらとちいさなあくま
パンのかけらとちいさなあくま 』内田 莉莎子再話 / 堀内 誠一画 (福音館書店)

≪あくま≫というと悪者のイメージですが、
この本に出てくる≪あくま≫はとってもいい人?です。
貧しいきこりのひとかけらのパンを盗んで得意になったちいさいあくまを
大きいあくまが叱ります。
ちゃんと謝って役に立つまで帰ってきてはいけないと・・・。
あくまにもやってはいけないことがあるというのが、なんだかほっとします。
そこで、小さいあくまは、きこりに謝って、きこりのために一生懸命働きます。
そして、意地悪な地主をやっつけます。
そのやっつけかたが、「さすがあくま!!」といった大胆さ。
そして、きこりにとても感謝され、よろこばれたあくまくん。
「これで家に帰れるよ」と安心して帰っていきます。
読んだ後、とってもいい気分、あったかい気持ちになれる本です。
こんなあくまなら会ってみたいな~と思います。


十二支のお節料理
十二支のお節料理 』川端 誠作(BL出版)

あなたの干支は・・?
正月準備の係りは、何かな?
『十二支のお節料理』は
一年に一度2学期最後ぐらいしか読めない季節限定絵本かなと思います。
読みたいと思いながら、今までなかなか読めずにいました。
十二支たちがみんなで協力してお正月の準備をするおはなし。
<障子はり><餅つき><鏡餅><お重><正月らしい食材>
<年越しそば><玄関のお飾り><宝船に乗った七福神>
<ししまい><掛け軸><晴れ着>
たくさんの年末年始の様子が描かれています。
はっきりした絵で、こんな風にこころを込めて用意して
お正月が迎えられたらいいなぁと思わせてくれます。
静かに更けてゆく大晦日の夜。
そして華やかな輝かしい新年。
絵本からも日本のお正月が伝わってきます。
なんか、絵がおかしいらしく、あちらこちらで絵を見ながら
ぼそぼそ、くすくす楽しそうな声が聞こえてきました。
みんな、楽しいお正月を迎えてね!と思いました。
  あっ!その前にまだクリスマスがあったね。


ゆきむすめ
ゆきむすめ 』内田 莉莎子再話 / 佐藤 忠良画(福音館書店 )

ひさしぶり、このおはなしに再会したのは、
まず語りでの『ゆきむすめ』だった。
なんて透明で美しいはなしなのかと思った。
冷たい風が、すーっと吹き抜けていくような感覚・・・。
子どものいないおじいさんとおばあさんは、雪で女の子を作りました。
その子が、突然にっこり笑って歩き出したのです。
二人は大喜び。
でも春が近づくと、ゆきむすめはじっと家に閉じこもってしまいました。
友だちに誘われて、遊びに行っても木陰に座って、
小川の水で足を冷やしながら、お日様の沈むのを待っているのでした。
夜になって、枯れ枝を集め焚き火のとびこえごっこをはじめました。
その時、ゆきむすめは・・・・。
最後は、はかなげで、悲しい・・・。
でもゆきむすめは、自分の意志で行ってしまったのではないかと私は思う。
やはり、ゆきむすめは人間の子どもにはなれなかったのでしょう・・。
悲しいのだけれど、清々しい感じもあるロシアの昔話です。
語りのイメージを壊さない、素朴な絵がまたとってもいい絵本です。


やっとわかったぞ! あたまをひねろう! どうしてかわかる?
世界のなぞかけ昔話
どうしてかわかる?/あたまをひねろう!/やっとわかったぞ!



てぶくろ
てぶくろ 』エウゲーニー・M・ラチョフえ / うちだ りさこやく(福音館書店)

とっても有名なお話ですね。
おじいさんが落としていったてぶくろを家にしてしまう動物たち。
最初は、ちいさなねずみ、そしてかえる、うさぎ、きつね・・・。
それぞれの個性や性格が絵でとてもよく表されています。
そして最後はおおかみ、くままでてぶくろの中に入ろうとします。
動物たちの着ているものも民族色が出ていておしゃれな感じです。
でも私が好きなのは、ただのてぶくろに
階段が付いて、その後入り口、屋根が付き
いつの間にか呼び鈴、小窓・・・と
どんどん家らしくなっていくところです。
じっくり絵を見て楽しんでもらいたい絵本です。


クレメント・Cムーアの絵本


雪の上のなぞのあしあと
雪の上のなぞのあしあと 』あべ 弘士さく(福音館書店)

ここは、日本で一番寒いところにある動物園。
ある冬の夜、不思議な「じけん」が起こったんだ・・・。
その日、ぼくは動物園の宿直だった。
夜のみまわり(夜の動物たちはこんな感じなんだ)
途中までは異常なしだった。
ところが、アシカを見てオオカミのところへ行こうとしたとき。
おや!?不思議なあしあと発見!
今まで見たことも聞いたこともない、踏み固めた雪のあと。
ブルドーザーようなあとが、動物園中をぐるぐるまわっている。
これは何だ?
あしあと図鑑で調べても載ってない。
仲間に連絡して応援を頼まなくっちゃ。
さぁ・・このあしあとの正体は・・?
動物園の飼育係をしていたという
あべ弘士さんならではの、絵本ですね。


だんだんのみ
だんだんのみ


きょうというひ
きょうというひ





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