先輩から聞き、今も胸に残る言葉がある。「視界に入るものの中で一番高くそびえるのが、高層ビルではなく、山というのは幸せだ。山は人を謙虚にさせる」。山は言葉を発することはないが、見る人に何かを語り掛け、心を満たしてくれる。
石川啄木は詠んだ。「ふるさとの山に向ひて/言ふことなし/ふるさとの山はありがたきかな」。郷里の岩手山を仰ぐ啄木の心には、畏敬や感謝とともに、その威容のように自己を築き上げる決意が込み上げたのではないか。
聖教通信員を務める婦人部員は、ことあるごとに自宅から程近い場所で、岩手山を撮り続けてきた。「二科展」の「二科会写真部展」での受賞歴もある腕前の彼女が、“渾身の作”という岩手山の写真を見せてくれた。「良いと思う写真は、決まって、悩みと格闘している時のものです」。
子どもの不登校、親の介護、自身の病……試練と戦う渦中でカメラに収めた力作は、これまで何度も聖教新聞を飾ってきた。不動の大山に、自身の不退の決意を重ねながら、シャッターを切ったに違いない。
初代会長の牧口常三郎先生は、「吾人は山と一致せるものとして、ともに苦楽をともにし」と記した(『人生地理学』)。わが胸中にも仰ぎ見る大山を抱き、偉大な人生を登はんしたい。
~~~~~~~~~聖教新聞名字の言より~~~~~~~~~
【今日は何の日】
★ガンバレの日( 日本) 1936年8月11日に、ベルリンオリンピックの女子200m平泳ぎ決勝で、ラジオの実況をしていた日本放送協会の河西三省アナウンサーが前畑秀子選手に「前畑ガンバレ」と20回以上連呼し、日本中をわかせたことに由来。前畑は優勝し、日本人女性として初めての金メダルを獲得した。
★三国花火大会( 日本 福井県坂井市三国町) 毎年8月11日に行われている北陸最大級の花火大会。
★三国花火大会2013 LIGHT UP NIPPON( 日本 岩手県・宮城県・福島県) 毎年8月11日に行われている東日本大震災復興祈願イベントを兼ねた花火大会。
★山の日( 日本) 2014年5月23日に改正祝日法が可決され、2016年より制定された祝日。趣旨は、山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する。日本で8月の祝日制定はこれが初めてとなる。
★きのこの山の日 株式会社明治が上述の「山の日」にあやかり、自社で販売している菓子・きのこの山の記念日として日本記念日協会に申請して正式に受理されたもの。本家・山の日と同じく2016年から施行される。
▲藤原道長、金峯山に写経を奉納(1007)
▲足利尊氏、征夷大将軍となる(1338)
▲1457年太田道灌によって築かれ、1590年以降、徳川家の居城になっていた江戸城本丸、全焼(1639)
▲徳川5代将軍綱吉「生類憐みの令」のひとこま、鳥や魚の食糧用飼育・売買を禁止(1707)
▲ハワイ移民者から、初手紙(1868)
▲アメリカ海軍天文台が、火星の衛星を発見(1877)
▲前畑秀子ベルリンオリンピック、200m平泳ぎで金メダル。わが国では女性初の金(1936)
▲日本初のミニスカート(マリー・クワントデザイン)、発売(1965)