音楽隊・しなの合唱団が先月26日、「全日本合唱コンクール」の全国大会で熱演。7カ月間の練習でつくり上げた渾身の演奏は、圧巻だった。
大会を目前に控えたある日。練習の合間の休憩時間に、団員同士の会話が聞こえた。「みんなの声がぴたっと合うと、楽譜にはない音が聞こえてくるんだよね」。聞けば「倍音」というものらしい。
空気が振動して伝わる音は、ほとんどの場合、一つの音を出しても、実はその2倍、3倍の振動数を持った音(=倍音)が同時に鳴る。一人の歌声だと小さくて聞き取れないが、合唱になれば音が重なって響くため、通常は聞こえない倍音が、はっきり聞こえるようになるという。
心一つに声を合わせると、多彩で豊かな音が生まれる。まさに合唱の醍醐味だが、そこには「団結の妙」に通じる示唆があるように思える。万事、一人でいると分からない“自分の姿”がある。目標に向かって、仲間と心を合わせて共に進む中で、今まで気付かなかった“自身の新たな可能性”を感じ取ることができる。
一人一人の個性を最大に引き出し、輝かせていくのが「異体同心の団結」。大目的へ共に進む同志の存在がどれほど大切か。さらなる高みを目指して、挑戦を開始した合唱団の友の姿に教えられた。
~~~~~~~~~聖教新聞名字の言より~~~~~~~~~
【今日は何の日】