■ ドラマ 永久の彼方へ

■ ドラマ 永久の彼方へ

2006年08月21日
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カテゴリ: 第一章 061 ~ 122 話
.
 その後、今までの出来事が嘘のように平和な1ケ月が経過した。
 太陽の日差しが強く差し込むとても蒸し暑い日の朝、

ゆうすけ
  「じゃ姉さん、行ってきま~す♪」
和恵姉さん
  「こういち、利江ちゃんを頼むわね。」
こういち
  「うん。」

利江
  「お父さん、お母さん、行ってきます。。。」
利江の父(校長先生)
  「気をつけてな。」
利江の母
  「みなさんに迷惑掛けないようにね。」
利江
  「はぁ~ぃ。。。♪」






 各自でリュックを背負ったこういち、ゆうすけ、利江の三人は、パスポートを見せ、
 旅客機の搭乗手続きのため奥に進みだした。
 そして振り返り、大きく手を振っている。

利江の父(校長先生)
  「かわいい子には旅をさせろと昔から良く言うが、
   送り出す親の気持ちはやはり複雑だのう・・・・。」
利江の母
  「この分だと、嫁入りの時が大変そうね。。。」
利江の父(校長先生)
  「まだまだ子供だから、当分先の話じゃな。」
利江の母
  「あら、既に心は決まっているんじゃありませんの?」
利江の父(校長先生)
  「おぃおぃ、今はその話をせんでもよかろうに。。。」

 あははは。。。

和恵姉さん
  「丁度夏休みに当たるので長期欠席をしなくて済むんですよね。」
利江の父(校長先生)
  「毎年彼は行っているのかね。」
和恵姉さん
  「えぇ、毎年2回、家訓で毎度必ず出席すべし。 みたいに決まっていることなんです。」
利江の母
  「修行のためにですの?」
和恵姉さん
  「えぇ。
   でも、こういちの修行のためではないんです。
   先方の修行のために・・・・かな。」
利江の父(校長先生)
  「ほぅ、先方の修行のためになのか。。。
   そりゃまた偉い話だのう。」

和恵姉さん
  「さぁ、行きましょう。ご自宅までお送り致します。」


~~
   ~~
      ~~


ゆうすけ
  「利江ちゃんは飛行機は初めてかい?」
利江
  「うん、なんかワクワクしちゃう。。。」
ゆうすけ
  「初めてじゃ、しっかりと堪能しないとね♪」

 動く歩道で移動する3人。





 そして、
 ・ ロビーでイスに座って待つ姿。
 ・ 搭乗案内でゲートに向かう姿。
 ・ 搭乗通路から見える旅客機を見て指差す利江と何か話すゆうすけの姿。
 ・ シートベルトを締め、窓際から外を見つめる利江。
 ・ 離陸時の加速に目が点になる利江。
 ・ 窓から富士の山が見え、はしゃぐ利江の姿。
 ・ 上空の振動で怖がるゆうすけの姿を見て、笑う利江。

 こんな光景がスライド写真のように展開した。





 約二時間弱程で目的地の飛行場に無事着陸。
バスに乗る3人。

利江
  「ずいぶんと旧式のバスね。」
ゆうすけ
  「味があっていいものさ。」
利江
  「このバスにどのくらい乗ってるの?」
ゆうすけ
  「一時間半ぐらいかな。 あとはずっと徒歩になるよ。」
利江
  「えっ、徒歩って・・・・もう到着するの?」
こういち
  「目的地までの乗り物が無いのさ。
   ずっと大自然の中を延々と歩くことになる。」
ゆうすけ
  「実践版の林間学校っつーか、アウトドアキャンプっつーか。」
利江
  「それでお姉さんが体力必要よって・・・?」
ゆうすけ
  「そういうこと♪」

こういち
  「まぁ、一般人はそこへ向かうことがないからね。」

利江
  「そこって・・・・・どこに行くわけ?」

ゆうすけ
  「大少林寺本山だよ。」
利江
  「少林寺って、あの?」
ゆうすけ
  「あぁ。
   でも、その総本部みたいなところ。
   入れる人は限られていて、こういちと一緒じゃないと入山の許可がでないからさ。
   貴重な体験さ。」

 3人が座って話していた後ろの最後部座席で話を聞いていた一人の老人。
 歳は90代、よれよれの布を身にまとい、顔はシワだらけ、髪は白髪で肩まで伸びている。
 口ひげともみ上げがいっしょになって伸び、口から30cm は垂れ下がっている。
 木製で、取っ手が枝の切り株らしき形状を利用して『?』の形をした杖を床について、
 両手をその杖の上に乗せて話しかけてきた。

白髪の老人
  「そこのお若い方々、大少林寺総本山に行きなさるのか・・・・。」
ゆうすけ
  「あぁ。 爺ちゃん、聞いてたのかよ。」
白髪の老人
  「耳が遠いはずなのに、何故か聞こえてしまっての・・・・。」
こういち
  「爺さん、知っているのかい? そこを。」
白髪の老人
  「ぃぃゃ、噂だけじゃわい。
   すると御主らは選ばれた戦士ってことじゃな。
   お若いのに凄いことじゃ。」
利江
  「私は付き人なの。 戦士じゃないんだけど・・・・」

白髪の老人
  「ほぉ お嬢さん、あんた良い目をしていなさる。
   こんな目をした娘さんは見たことがない。

   ん・・・?」

 じ~っと利江の目を見続ける老人。
 続いてこういちも見続けた。そして、

白髪の老人
  「まさか、あんた・・・・あんたら・・・・」

 急に眼を開き、驚くようにこういちと利江を右手人差し指で指して、震えるように話した。

白髪の老人
  「どうりで・・・・・。
   あんたがた・・・・た、頼みましたぞ。」

ゆうすけ
  「どうしたんだい? 話が見えないよ。」

白髪の老人
  「お、おぬしもまた・・・・
   さすがはあそこに行くだけあるのぉ。

   じゃが、もう近いぞ・・・・、頼みましたぞ・・・。」

 こういちが、 はっ として白髪の老人を見つめた。
 白髪の老人は何か口でモグモグしながら、そう言い終わると目をつぶり寝てしまった。




                            -つづく-




第九十 話  総本山への道中 へ
 (さぁどうかな)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月14日 15時07分26秒
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