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ガンが再発し、入院を余儀無くされた伯母を見舞った。
嫁いだ姉、妹、そして私。 姪が3人揃ってきてくれたのが嬉しいととても喜んでくれた。 病状は内心不安だったものの、顔色もよく元気な姿に安堵する。
伯母はここしばらく入退院を繰り返し、伯父も持病があってかなり体力が衰えている。同居している跡取り息子の次男も、妻と二人の子供を残し東京に単身赴任中。
面会室で伯母と話しをしていると、病院の近くに嫁いでいる長女も偶然お見舞いに来て、久しぶりに一緒にいろんな話しができた。
聞けば、跡取り息子のお嫁さん、かなり今どきの、はっきり物申す人らしい。
伯母が体調がすぐれない中でも、家族のために「たくあん」を漬けようとしていたら、手伝いましょうかでもなく、「お母さん、今年はこんなこと止めた方がいいですよ」 と清々と言われてしまったという。
子供を抱えて、できる限りの家事はしているようだが、一事が万事こんなビジネスライクな調子で、伯母も長女も不満に思っている様子。
そしてさらに、追い討ちをかけるように。 先日帰省した跡取り息子が 「ボクは親より嫁をとる」 と、話しの中で両親に宣言したというのだ。 それもその場に嫁がいないのに。
伯母は嫁いでから、ダイコン1本買うにも必ずついてくるような小うるさい舅・姑に仕えて、看取った。そして4人の子供を育て上げた。 大変な苦労と我慢の連続の人生。 孫の面倒を見て、自由な時間もままならないまま、病気が再発してしまった今。
嫁へのパフォーマンスならともかく。 手塩にかけて育てた息子に「嫁をとる」 と宣言されてしまった伯母の気持ちを思うとやりきれない。 (嫁にとっっては最高のダンナ様)
それでも、彼女がいる風もない跡取り(予定)息子プラス小姑の私をかかえた我が家の母よりはマシなのか・・・
抗がん剤で抜けてしまった伯母の髪がまた生えてきていた。 生きている中で改めて思う。 笑ったり、泣いたり、怒ったり、感動したり、落ち込んだり、悲しんだりしながら。
いただいた命、自分らしく天寿を全うすること。 生きる。 ただそれだけのことかも知れない。