ルゥちゃんくぅ~ん♪

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ロケジィのなすだ情報(2001年度版)

9月26日(水)

はじめまして。ロケット関係の仕事をしてますロケジィです。
なすだのH2Aロケット等近況を気が向いたら書いていきます。
乞うご期待。

9月27日(木)

H2A一号機が打ち上げ段階の時、二号機のLE7Aエンジンの燃焼試験を行ない順調に進んでいます。
H2とH2Aの違いはコストが半分になったこともさることながら色んな人口衛星を打ち上げることができるロケットのバリエーションがあることです。標準型、増強型、ホープ搭載型など今の計画段階で6タイプがあります。
次回は、種子島宇宙センターで見た打ち上げ現場の話でもしましょう。

9月28日(金)

10月から種子島へ出張に行く人が多くなりました。二号機打ち上げ準備にむけ、あわただしいです。
ロケット打ち上げ現場は、打ち上げ射点とロケット組立棟がありH2のときと違い打ち上げ回数が倍以上になりました。年に二回以上打ち上げることができるようになりました。それも二機同時に組み立てができるようになったからです。
続きはまた明日。になるかな。

9月29日(土)

今日、昼礼で三号機の打ち上げが決まりました。来年の打ち上げなので宇宙関係は大忙しです。
ロケット組立棟のことについて説明しましょう。H2は衛星部分(頭部)以外を組立棟で組み立て、そこから発射台で射点に移動しノーズフェアリング(頭部衛星部分)を取り付けていました。H2Aでは、組立棟で頭部まで全部組み立てるようになっています。ロケットがすっぽりと横に二機入るようになっており、射点に移動できるように約100mの高さの二枚ドアになっています。建物は吹き抜けになっているので最上階から下を見ると人が蟻のように見えます。体が震えたのを今でも覚えています。H2は、開発品でH2Aは、まさに量産体制のものです。世界のロケット産業に進出したと言っていいでしょう。

10月1日(月)

今日、内の若い者が種子島に一ヶ月の出張に行ってしまった。初めてなのでうれしくいったのでは?でもそれも最初の1週間。後は暇の持て余し・・・。と娯楽の無い島です。
宇宙センターは、簡単に敷地内に入れます。ただロケット打ち上げ場はIDカードなしでは入れません。(そりゃそうだー。)射点には、組立棟、とブロックハウスというロケット司令塔があります。ブロックハウスの名前のとうり分厚い壁で仕切られている建物で、ロケットが爆発しても破壊されないようになっています。打ち上げ時は、ブロックハウス以外は全て立ち入り禁止です。打ち上げまでそこで準備をし打ち上げスイッチを押します。

10月4日(木)

今日の昼礼で、H2Aの打ち上げ日にちが決まった。二号機は、来年の一月、三号機は三月に打ち上げになるらしい。二号機はすでに組み立てはしているが三号機はこれからなので、うちはてんてこ舞い。現場は2勤体制になるとか。忙しくなる。
三月に打ち上げないと十月以降になるらしい。何故そうなるかは、打ち上げの時、種子島の東側の海域が立ち入り禁止にしなければならないからである。しかしその海域は、漁業操業区域でもあるので漁業組合の許可がいる。漁船が操業してない時を見計らって打ち上げなければならないからである。漁船には逆らえません・・・

10月6日(土)

うちの職場から、宇宙職場へ人の流れが著しい。
二号機からH2八号機失敗の原因だった燃料タービンポンプの改良型が採用されている。一号機は時間の関係で採用されなかったが、二号機は本当の意味での打ち上げ正念場である。うちが作っているSRBーA(補助ブースター)もH2の時よりも、大きさもコンパクトにしコストを半分、推進能力も10%UPになったが目標の40%低コストにするため、がんばっている。私は、お手伝いでH2A零号機の組み立てに行ったことがあるが、実際に見てもかなりコンパクトになっていた。でも実物は写真で見るより大きい。

10月9日(火)

では、これからのロケットはどうなるのか?今は使い捨てのロケットがほとんどで、スペースシャトルですら交換部品が多く使い捨て状態でコストが従来の計画よりオーバーしている。それと宇宙ごみが多くなりつつある現代では次世代のロケットが開発している。米国では、デルタクリッパーと言うそのままの状態の機体で打ち上げ、地球に帰還してくる。サンダーバード3号のようなロケットを開発していることが6年前に資料が着たが今はどうなのか?日本もスペースプレーンというシャトル型のロケット(補助ブースター無し)を開発しているがエンジンの開発が手間取っているらしい。別の開発でシャトル型を二つ合わせて一つは補助ブースターの役目で役目が終わったら滑走路に下りてくると言うロケットもあるが情報がこない。お目見えしたいものである。今は、H2A,J1改、ホープで忙しいみたいだ。

10月12日(金)

スペースシャトルについては、宇宙ごみが出ないようになっている。補助ブースターは、パラシュートで落下し回収して再利用。液体燃料タンクは、地球に落下するようにしてあり当初は宇宙ステーションに利用するようにしていたが、無理があったようだ。(あれをどうするっちゅーうねん。)H2Aも二段式ロケットにし2段ロケットは軌道を変えられるよう、再度噴射できるように再着火方式となっている。多段式になればなるほど、宇宙ごみが増えるからである。打ち上げの際、宇宙ごみを監視して、ないところを狙って打ち上げます。それだけ宇宙にもごみがいっぱいになってきた?ゴミ回収シャトルが打ち上げるのも時間の問題では・・・。

10月16日(火)

H2Aの補助ブースターSRB-Aについて。H2のSRBは構造体を鋼で作っているが、SRB-Aは炭素繊維(非金属)でできている。強度は二倍になり軽量化を測っている。ロケットノズルを小さくしてノズル駆動を油圧から電気モーター式にして軽量化、効率性を良くした。組み立て方式を四分割で組み立てたのを一体式にして作業の簡素化を図っている。固体ロケットでは、コスト、性能に於いてトップレベルである。
日本は、固体ロケットでは世界トップであることはまちがいないだろう。

10月19日(金)

ロケット打ち上げ場について。宇宙センタ-には、3つの射点があります。H2A打ち上げの吉信射点。中型ロケットのJ1ロケット打ち上げの大崎射点。以前はH1ロケットの打ち上げに使っていました。それと小型ロケット打ち上げの竹崎射点。ロケット開発は、この竹崎射点から始まりました。ここの海岸線は結構きれいな海岸です。あと、宇宙科学館がありH2の実物大模型が外に横たわっています。その前に宇宙服を着た毛利さんの人形があるのが笑えました。宇宙科学館は、いろんな宇宙に関するゲームがあり面白く、一日中いても飽きません。また行きたい。

10月22日(月)

H2Aの打ち上げ場の組立棟の怖いお話しをおひとつ。組立棟ができる前、昔はお墓だったらしい。H2の組立棟の工事の時作業員が落下死亡事故を起こした。そしてH2Aの組立棟の工事のときもまた落下死亡事故を起こした。私が仕事に行った後にその事故が起きたようである。今考えただけでもぞっとする。最上階に作業にいっていたからである。その時、二枚扉が開いていたので真夜中の発射台を見たとき、この組立棟の大きさが身にしみて思った。でもあのぞくぞく感はこのことだったのかも。

11月15日(木)

H2A3号機の打ち上げが一年延期になるらしい。まだ決定ではないが、衛星とエンジン関係が手間取っているらしい。4号機の打ち上げが予定どうりなので先に打ち上げることになりそうだ。エンジンが改良型になるのでどうも慎重になっているらしい。でも事業団も慎重の時は慎重だが、危ない橋も何度か渡っている。一号機も成功はしたが、いろいろあったらしい。これは専門的になるので控えます。でも成功は成功でよしとしよう。次の二号機も成功して欲しい。来年二月ごろ。

11月17日(土)

H2A 3号機が2003年打ち上げになりました。2002年が二機の打ち上げで、2003年は、三号機が打ち上げられるのでなんと四機の打ち上げになり慌ただしいです。年に三機ペースになります。それと二号機は衛星が二機同時に打ち上げになるので追加の補助ブースター(SSB)が付きます。打ち上げは1月31日。

11月28日(水)

二号機の射場整備も終わったみたいで種子島からぞくぞく帰ってきました。準備は万端?後はソフトウェア面かな?
ウチの工場では、最近火災報知機がよく鳴る。誤作動がよく起きる。こんなんでは、狼少年と同じで実際火事になっても「また誤作動か。」と思ってとんでもないことになるぞー。どうにか、ならんかい。いんちき報知器くん。

12月13日(木)

ロケット関連の団体が3団体があり、有名なのが宇宙開発事業団(NASDA)後、宇宙科学研究所(宇宙研)があり、前者が宇宙開発を主に、後者は宇宙研究で宇宙探査、惑星探査などをおこなっている。部者も違うので別々のロケット開発をしている。NASDAはH2A。宇宙研はM5と言うロケットを使っている。これも固体ロケットでは最大級のロケットである。しかし去年の失敗で打ち上げが延期になっている。ロケットノズルの欠陥で打ち上げ失敗におわり、今は燃焼試験を行ない、再起に向けて試験を行っている。火星探査機「のぞみ」の打ち上げもこのM5で打ち上げ成功している。

12月24日(月)

NASDAと宇宙研では、ロケットの色、打ち上げ方法も違っていてNASDAは、白地の赤の線が使われ(H2Aは黒が入っている)、宇宙研は銀色に赤線が使われている。打ち上げ方法は、前者は慣性誘導(自力発射)、後者は遠隔誘導(地球自転での電波誘導)で行われている。簡単には垂直発射と斜め発射である。写真で見るとわかる。これだけでも違うのである。



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