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書評/「ヒトラーの秘密図書館」
4点/5点
「若いころ、私には十分な教育を受けるために必要な資金も機会もありませんでした。だから、毎晩本を1冊ないし、2冊読みました。ベッドに入るのがひどく遅かった晩もそうでした」
このように過去を振り返った男は一国の宰相に登りつめます。
学がない男が猛勉強し、国民の支持を受け首相になる。立派なサクセスストーリーですが、困ったことにこの男の名はアドルフ・ヒトラーなのです。
勤勉な男は総理になった後も毎晩読書に励みます。
恋人のエヴァ・ブラウンがヒトラーの夜の読書を邪魔してものすごく怒られた事もあったそうです。
それ位ヒトラーはマジメに読書しまくります。女よりも読書です。勤勉の鏡です。
「 与える人間には受け取ることも必要です。私は必要なものを本から受け取ります 」(p181)ともヒトラーは言います。
彼が本から受け取ったものは何だったのか。そして彼がドイツ国民に、いや全世界の人々に与えたものは何だったのか?
戦争を風化させない事は大切です。戦争を二度と起こさないと覚悟を決めることも大切です。
しかし「勤勉の鏡のようにも見えるヒトラーが大惨事を引き起こしたのか?」もきっと考えないといけないのだと思います。
そしてその事を考えるためにはこの本は必需品となるでしょう。
終戦記念日に記す。
この読書法によって、ヒトラーは、戦車の製造から舞台作品まで無数の問題に関して膨大な量の情報を記憶し、事実上即座に思いだすことができた。フリードリヒ・シラーとジョージ・バーナード・ショーの作品をヒトラーが比較するのを聞いたゲッべルスは、その晩帰宅して日記に、「この男は天才だ」と書きつけた。
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