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書評/中島義道「時間を哲学する」
3.5点/5点
「過去というところ」はまったく場所ではないということを示すこと、さらに場所であると思うから出来事はその場所に保存されうるのですが、これがまったくの錯覚であることを見抜くこと、この錯覚への陥り方を見とどけること、そしてこの錯覚から芋づる式に出現する世界観を示すこと、以上のことが本書の中心課題であると言ってよいでしょう。
私は哲学については全くの門外漢です。
そんな私としては中島氏のおっしゃっている結論が正しいのかどうかは分かりませんし、中島氏にとっては不本意かもしれませんが、興味がありません。
p67に 過去はどこへ「行った」のでもない。「もはやない」ものとして<今ここ>にあるのです。 とあります。
この本のサブタイトルにもなっている「 過去はどこへ行ったのか 」への答えなのでしょう。
しかしながら私にはこの答えの是非を自分なりに判断するだけのものを何も持ち合わせていません
とはいえ、哲学門外漢の私にとってもこの本は読む意味は大いにあったと思います。
哲学者(いち哲学者でしょうが)の思考法に触れる事が出来たからです。
「なるほど、哲学者というのはこういう風に考えるのか」と。
中島氏のおっしゃっていることのほとんどは理解できていないと思います。
それでも自分とは違う思考をする専門家の本(門外漢にも読みやすいように優しく書いているのでしょうが)、自分の思考レベルよりも高い本を読む事もたまには必要なのだと実感しました。
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