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ムーアの法則


●ムーアの法則

 情報技術(IT)が社会に及ぼす影響を考える上で絶対に押さえておかなければならないことがある。
 インテル創業者ゴードン・ムーアが1956年に提唱した「ムーアの法則」に、IT産業は40年たった今も相変わらず支配され続けており、これから先もかなり長い間、支配され続けるだろうという点である。

 もともとは「半導体性能は1年半で2倍になる」というシンプルな法則だったものが、現在は広義に「あらゆるIT関連製品のコストは、年率30%から40%で下落していく」という意味に転じた。

 新しい製品分野が登場してすぐは「こんな機能もほしい」「もっと高い性能を」「より使いやすく」という顧客ニーズが多いから、製品価格が下落するのではなく、同じ価格の製品の機能・性能・使いやすさが向上していく。

 しかしその製品分野が十分成熟し、顧客にとって「必要十分」の機能が準備されると、一気に価格下落が急となる。

 「ムーアの法則」が40年も続いてきた結果、ついに私たちは今「チープ革命」(Cheap Revolution)とも言うべき状況の恩恵を蒙る時代に入ったのではないか。

 こんな問題提起をしているのが、米フォーブス誌コラムニストのがリッチ・カールガードである。


                        梅田望夫



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