【粗筋】
奈良の大仏の眼が落ちた。そこらを探しても見つからない。昔の職人の腕は大したもので、今の職人では同じ物は作れないという。誰か直せるものはいないかとふれを出すと、子供連れが来て直すという。しかも職人が申し出る値段の 10
分の1でいいというのだ。寺で承知すると、子供が梯子を登って大仏の眼の中へ入って行った。そこらを探しても見付からないので、大仏の中側に落ちたとみたのだ。子供は中を探して眼を元の位置に押し込んだ。しかし、子供の出口がない。どうするのかしらと見ていると、鼻の穴から出てきた。
「利口な子だな。眼から鼻へ抜けた」
【成立】
天明5(1785)年『猫に小判』の「大仏」。「東の旅」の奈良見物の落ち。
「大仏餅」の枕に用いられていたが、同じ諺を用いた落ちであり、あまり良い取り合わせとは思えない。桂夏丸君が「開眼式」という題で、大仏完成の時の事件として演じていた。
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