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さてさて、女としても仕事人としても大好きな友達からイイ女バトンというのが回ってきましたよ。回してくれたのはずいぶん前だったみたいなんだけど、2006年の自分へ向けてということで、今さらながら考えてみました。◆イイ女の条件とは?・出るべきところ、引くべきところをわかっている・人にスポットライトを回してあげられる・人の痛みがわかる(頭でなくて肌で)・自分を俯瞰できる目を持っている◆一番いい女だと思う人は誰ですか?いちばん、って難しいね。献身的、優しさ、という意味ではうちの母親がダントツ。お母さん、もっと自分勝手にしていいんだよ~ (東京で好き放題してる親不孝娘が言える台詞じゃないけど)上記二つはさておき、世渡りの下手さは親譲りじゃなかろうかと思うときがあります。年齢に関わらず女を捨てずにいる、という点ならば東京にはいくらでもモデルがいるのだけれど地に足の着いた、あくまで現実的な生活に裏打ちされているという女性があまり身近にいないようです。パーツごとに素敵な人はたくさん。だけど全て兼ね備えた人はあまりいない。そして、「全て手に入れている」と評される人は、何か胡散臭く感じる。捨てずに、身を削らずに、女性として美しくあるというのは難しい。なぜかといえば、ある程度の年齢になると無言のうちに世間一般の女性の評価基準にそれらが組み込まれるから。体現してるような母を間近で見てきた私はそれを必ずしも嫌では思わないけれど、そこそこ何でも自由にさせてもらってきた身分としては、ほんのちょっと気が重いような。◆イイ女がしてそうなこと・自分以外の誰の目にも触れないような部分をきちんとしておくこと。 部屋の中とか、精神的な部分とか、生活習慣とか。 大雑把O型にはヒジョ~に難しいです。うぅぅ。 ◆イイ女が持っていそうなモノ・しっかりした、仕事の出来る男友達。・人の柔らかいところをわかる女友達。◆イイ女はこれだけはしてはいけない・人の足を引っ張ること。・可能性を摘むような発言をすること。◆イイ女になるためにしていること・うーん。うーん。難しいですな。 根拠のあるポジティブシンキングかな。 考えなしの前向き人間、なんてただのバカなので。 ◆あなたのイイ女度は?・自分で宣言できるくらいイイ女になりたいけれど、 イイ女は自らの口で語ることは絶対にないと思う。欲張りなようだけど、2006年はあれもこれも手に入れるべく頑張ってみようと思います。
December 29, 2005
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なんだかTVカメラが社内をうろうろしています。MTG中にも、入稿に追われてパツパツな時も、社内事情をぺらぺら喋ってるときも、ふと気がついたら近くにいたりして気付くたびにぎょっとして下を向いています。何とおそろしいことに、最終チェックなしで公共の電波に乗るらしいのです。いつも以上に引きつった私の顔が画面の端にちらりと映ったらまぁまぁ3割引だよね、ということで笑ってやってください。少なくとも、普段はそこまで引きつった顔で仕事はしていない、と思いたい。そこまで好き放題に映す権利がどこにあるのだ、と訊ねたい。それにしても、TVというのはおそろしいものだ、と思う。当事者になってみるとつくづくよくわかる。今に始まったことじゃないけれどこの忙しいのに、仕事のフローにまで口を挟んできて事前に描いたストーリーのもとに、事実を脚色してしまおうとするのだから。各論は事実だけれども、それを切り貼りして出来上がったものは…?社内を歩き回るディレクターの顔色の悪さからして、(冗談抜きで緑色!!!)生み出される物の不健康さが窺われるというものだ。
November 4, 2005
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仕事を強制終了させて、休み明けに大量持ち越し。そして武道館へ逃げ込んだ。で、3時間近く、立ちっぱなし&踊りっぱなしだった。踊ってなかったのは`let go`を聴いてた間だけ。YOSHIKA、EMYLI、Sowelu、加藤ミリヤ、ひさしぶりのLISA、あと男性2人(興味ないので覚えてない)そしてCrystal KayとBoAまで登場。でもほんと、これだけのメンバーがとっかえひっかえ出てくると、singerとしてのキャリアが歴然。Crystal KayもBoAも、YOSHIKAやEMYLI同様とっても若いけれど音がぶれないし、何より声量が全然比べ物にならなくて。他の若いメンバーも、この人たちと並べなければ盛り上がってる武道館の中ではまだごまかせたかもしれない。 ・・・ライブ会場へ近付くにつれ、ますます遅々としてくる人の流れにイラつくときは、いつもどんな人が集まっているのかファン層の観察をして気を紛らわせたりしているが…今日は今まで行った中で最も「普通!!」と思ったライブかもしれない。平日だから?m-floが特にファッション的な色を出していないから?それだけでもなさそうだ。そんなわけで、九段下駅のホームも、「さっきまでライブがあったらしい」という雰囲気は全くなく、会社帰りのピーク時間みたいな感じ。明日はお休みだけど、みんなきちんと家に戻っていったんだろうなと思ってしまった。さっきまで踊ってた武道館の空気をカラダに微塵も残さずに。m-floの何がすごいって、「THE・日本の常識的なビジネスマン」みたいな人たちをこれだけ取り込みつつそれでもエッジの立った音楽を作るっていう、この絶妙(?)なバランスなのかも。仕事を強制終了させて、休み明けに大量持ち越し。そして武道館へ逃げ込んだ。という人が私以外に何千人くらいいたんだろう。
November 2, 2005
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Let go... let go... let go... I know I gotta let goLet go... let go... let go... I know I gotta leave my past behind and let goLet go... let go... let go... I know I gotta be strong You better know where you’re going and know where you’re fromBetter believe it baby, let’s go...このまま忘れられなくて閉じ込めてはいられなくて踏み込んじゃないけないとわかっててもこの気持ち どうしても gotta let you knowあつく 激しく 動く時間の中で欲しいよ 君の heart, boy....一瞬でも叶わない恋におぼれても このまま夢から覚めたくないcan’t let goワガママでもいい 揺るがない愛がここに欲しいよcome on now baby, come on...yeah, yeah, yeah...すべての始まりは"Hey how you doin’?"yeah, yeah, yeah...2人目と目が合い幕開けたストーリーラインyeah, yeah, yeah...そして、出会いと別れがセットかのようにyeah, yeah,yeah...時は止まり、そばにいなくてもI’m alrightなんて強がりでも隣にいないと心痛みJust wanderin’ if you feel the same同じ気持ちなのか確かめたくてマジ空回りしてばかりain’t nobodyでも怖がらずに手綱ゆるめてこう自由つかむためlet go...I’m tellin’ you エゴは心のテロ...甘く 静かに 時は流れてくのに体がIt’s breaking apart boyどうして壊れそうな位 不安になるだけOh why独り占めしたくなるの何も言わずに ただ君の愛がここに欲しいよLet go... let go... let go... I know I gotta let goLet go... let go... let go... I know I gotta leave my past behind and let goLet go... let go... let go... I know I gotta be strong You better know where you’re going and know where you’re fromBetter believe it baby, let’s go...Love train... に駆け込み乗車したけど待ってはくれない理想からstraight no chase猛speedで現実までrun, run, run止まる事ない時計の針一度だけ使えるマジック、運命の鍵loveで逆転、あざ笑うlogic急がないとMr. Heartbreak might stay巻き戻す 色あせた 記憶再生Tell me how to be freeOh baby, oh babyWill my heart be free?So tell me一瞬でも叶わない恋におぼれても このまま夢から覚めたくないcan’t let goワガママでもいい 揺るがない愛がここに欲しいよ壊れそうな位 不安になるだけOh why独り占めしたくなるの何も言わずに ただ君の愛がここに欲しいよ`m-flo loves YOSHIKA`・・・来月のライブが待ち遠しい。この曲聴いてると、もっと自分を大切にしないと、などと思えてくるのはなぜだろう。この季節に似合いすぎ。この季節がいちばん好き。
October 10, 2005
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前日取った睡眠は2時間。どう考えても、家の外でクラシックを聴くべき状態じゃなかった。今ピアノなんか聴いたら、夢の世界へ一直線!になること請け合い。が、しっかり起きていた。意識をなくして目を閉じてるような暇はなかった。だって、ステージに現れた彼女のオーラがすごかったから。とても年下には見えない、日本人離れした堂々とした体躯にふさわしかった。そのオーラみたいなものは、職場からくたびれたカラダを引きずってきた私には過剰とも思えるほど。残念ながら、この席の位置からは指の動きが見えなかった。私たちは、迫力に押されながらもこの人の手元を想像した。チープで陳腐な表現だけれど、過ごしてきた時間の濃密さとか、ぶち当たったハードルとか、乗り越えてきた限界の数が、そのまま見えない何かになって眠気を吹っ飛ばしていったんだろうと思う。たまたま今日のこのホールは小さいけれど、この人の活躍の場は「世界」なのだ。・・・そして2時間睡眠のツケは、演奏終了後にやってきた。ステージから降りた彼女は、ちっとも人を緊張させないかわいらしい人でそこですっかり空気が抜けた私は当の本人を目の前にして、ぐったり寝入ってしまった。…ほんとにお酒はやめよう。と、一瞬だけ思って、翌日すぐに撤回。こんなんじゃ、オーラの絞りかすくらいなものも出ないだろうなぁ。と凡人は思った。で、またそういうチープなこともひっくるめて今の生活が結構好きだったりもする。
October 1, 2005
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じゃんけん、ポーカーに始まり、年末ジャンボ宝くじに至るまでとかく賭け事のニオイがするものならとりあえず不得手な私。でも面白そうなニオイがするものなら、とりあえず鼻面までは突っ込んでみたくなるらしい。だから、呼び出しの声に帰省の荷物も早々に放り出してすっ飛んでいった。 `NO GUTS, NO GLORY.` こんなキャッチコピーのポスターが煌くトゥインクルレース。夜の競馬場に足を踏み入れたのは初めて。思った以上に穏やかだった。・・・闇夜をただひたすらにゴールへ向かって駆け抜けるこの馬たちのように、他のものなんて何一つ視界に入れないまままっすぐまっすぐ走っていけたらいいのに。私は散漫だ。
August 16, 2005
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最後まで顔を残しつつ、ゆっくり飲みました。トトロだったのは、ほんの気まぐれ。気が向いたからだそうです。・・・書く、描く、売る、歌う、占う、訴える、鳴らす、奏でる、マンガを声に出して読む…好き放題何でもありの、緑豊かなこの場所で自分も好きなようにするとしたら?この人は太極拳やってるだろうな。私は楽器を持ってくるかな?パーカッションとか。ついでに歌っちゃうかも。
August 7, 2005
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朝、鳥の鳴き声と共に(スズメ、鳩除く!)ゆっくり起き出して、フレンチトーストを山のように焼いて、ジャムとシロップをずらりと並べてよく晴れた空の下、澄んだ空気も一緒に頂きながら庭のデッキでブランチ。みたいなことをやってみた。からっとした山の空気をみんなでまったりと味わって、ただひたすら笑って食べた。もうこのまま、「毎日が夏休み」的生活を送っていたいって思ったけれどクルージングしたり、美しい断崖絶壁の上で火サスごっこをしたりして甘いフレンチトーストがすっかり消化される頃飽きっぽい私は案の定思っていた。年に2回もあれば充分だな、と。毎日見ていたら、この日差しの明るさにも気付かなくなっちゃいそうだ。ここは幸せすぎて、今20代の日常を過ごすには向かない。…40代なら平気かな?割と30代くらいに住んでたりして。選択をする時は、そう遠くないだろう。
August 6, 2005
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足を踏み入れた瞬間、実はほんのちょっとだけ居心地がわるかった。まぁそんなことはおくびにも出さずに、何食わぬ顔で愛想を言ったりして。だって、ほんのちょっとだけだから。20分後、その場所を離れた。「良かったねぇ」本当にそう思ったから言ったのだ。一緒にいたその人は、「うん、良かったね。…ところで、さっき何か微妙に緊張してたでしょ」どうしてわかったんだろう。ずっと背中しか向けてなかったはずなのに。
August 5, 2005
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ちょっとありえないような色の肌に浴衣を引っかけていたり考えたくないような場所に太いピアスが何本も刺さっていたり。そういう人たちも全部ひっくるめて同じタイミングで歓声をあげ、誰に向かってでもなく思わず拍手をしている。いつの間にか話もすっかり止み、体育座りをする勢いで花火に正対し、じっと見つめているのに気づく。蚊が私の足首を刺したい放題であることには、全く気づかない。酔うほどの人出にはうんざりするけれど、花火、という芸術というか流れているDNAみたいなモノの前で同じ空を見上げてため息をもらす、そういう日本人であることが好きだ。その感動をやっぱり携帯で撮影したくなったのだが昔より明るく眩しく、滞空時間も長く、残像もくっきりしている花火は今の性能のいい携帯では (というか私の腕のせいかもしれないけれど)散っていく細かい火の粉や広がっていく煙までしっかり写りこんでしまう。撮るのをやめた。・・・友達が送ってくる携帯の画像。そこに写った花火を見るとき、その人の意図をちゃんと受け取ろうとするならば、私は自分の記憶から目を射すような閃光と、破裂音と、辺りの建物に共鳴して一拍遅れで響く低音を取り出して、補完して、そして眺めているんだろう。人間の持つレンズほど、完璧で都合のいいフィルターはない。
August 1, 2005
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ハードルが高くなればなるほど、考えるたび眉間にシワが寄り口元が固くなる出来事だの思い出せば悔しさで眠れなくなる記憶だのが諸々たまるので、考えてもどうしようもないことを頭から追い出せるように、不幸顔が張り付かないように、いい夢を見てぐっすり眠れるように、大切な言葉は手元にも記憶にも残しているのです。そういう言葉は、どこかにあるスイッチをすっと押してくれて途端に目元と口角が緩むのを感じます。今日はなぜか会社宛の頂き物にあった「ドリエル」を貰ってしまったのだけれど、これに頼らないで済む日々を送らせてくれるのがそういう言葉だったりエピソードだったりします。今、瞬間を生きていくために、丸くて優しい過去が必要なのだと思う。
July 27, 2005
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「駅徒歩1分」でも道に迷うし (これは生まれつき)記憶力は加速度的に磨耗しているし (これは年のせい)松竹梅なら明らかに梅コースであろうレベルの健康診断には引っかかるし (シロだったけど)全く最近の自分を見ると、目を見張って呆れてしまう。が、それでも決して衰えない感覚があるらしい。振り返ってみれば生まれてこの方、私はこの手の勘を外したことがない。…言うほど長く生きてませんが。
July 21, 2005
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たいていの人々は、運命に過度の要求をすることによって、自ら不満の種をつくっている。過去の記憶があなたに喜びを与えるときのみ過去について考えよ。・・・貴重な時間を大切に過ごしていこうとするならば覚えておいた方がいい言葉なのかもしれない。
July 18, 2005
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大きな帆を立てて あなたの手を引いて荒れ狂う波にもまれ 今すぐ風になりたい天国じゃなくても 楽園じゃなくてもあなたに会えた幸せ 感じて風になりたい何ひとついいこと なかったこの町に沈みゆく太陽 追い越してみたい生まれてきたことを 幸せに感じるかっこ悪くたっていい あなたと風になりたい何ひとついいこと なかったこの町に涙降らす雲を つきぬけてみたい天国じゃなくても 楽園じゃなくてもあなたの手のぬくもりを 感じて風になりたい天国じゃなくても 楽園じゃなくてもあなたに会えた幸せ 感じて風になりたい風に 風になりたい「風になりたい」 "THE BOOM"・・・時々アタマの中をぐるぐる回る歌。
July 15, 2005
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この人の前ではきっと尻尾を下ろせないだろうこの人にだったらとっととお腹を見せてもいいだろうそういう見極めや判断みたいなものが素早く下せてしまうのが年を取るということなんだろうと思ったりする。確かに無駄はないけれど。+カモミールの花は、ホントに当たり前にあの匂いがした。甘くて眠くなりそうな、あの匂い。
July 13, 2005
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暑くて暑くて、気分だけでも涼しくなろうとひさしぶりに取り出した。 「墨香」そっと火をつけてみたら、思った以上に冬の匂いがした。そして、あっという間にトリップした。通いつめていた、京都の銭湯の帰り道に。脱衣所のおばちゃん達の京都弁のおしゃべりに。ケロリンの黄色い洗面器に。帰りつく頃にはすっかり湯冷めするのがわかっていながら、それでもやっぱり自転車の後ろに乗っかってちゃりちゃり通っていたあの頃に。
July 5, 2005
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出るときが出発時間 着いたときが到着時間 のんびりいこうよ・・・ そうそう、それくらいがいいよね。と思うとき。 いやいや、そんな悠長なことを 言ってる場合じゃないのですよ。と思うとき。針は、どっちの目盛りにも振り切れずいかだは、漕いでるようで 実は流されてるようでもある。
June 28, 2005
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カラダを動かすからこそ発散できるストレスとか、懐の深い誰かの横にただ座っていることで落ち着く気持ちとか、気取った雰囲気の中で背筋を伸ばしていれば入れ換えられる空気とか、オフで出したいモノは色々あるけれど。最近は、目で愛でたい、舌で味わいたい、かつ自然なモノに触れたい、そういう気分だったらしく一日中、緑の中にいた。一生分のさくらんぼを見て、向こう一年分のさくらんぼを口にした。さくらんぼってこんなに美味しかったっけ?!でもなぜか、お土産に買ったのはズッキーニ。ひたすら太陽を浴びた週末。・・・ひそかに持たされていたお土産が翌日、これまた笑っちゃうくらいわかりやすくカラダに出てきた。絶対後悔するってわかっていたのに。果物王国での一日にネズミ王国での一日も加わって、ありえない焼けっぷり。そうは言っても都会に暮らしていると、どういうわけか「緑色」を欲する時がある。田舎育ちの人間に限るのかもしれないけれど。
June 26, 2005
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卒検ぶりにクルマを運転した。私が運転するなんて、法律的にはいいけれど人道的にはほぼ犯罪みたいなものだ。でも、この国なら許されるはず。そう、千葉にありながら東京と銘打った、ネズミが支配するこの国なら。案の定、直線コースでは素敵なカーブを描き曲がるべきところではコースを無視同然、フルスピードで突っ切りそうになる。「国外」なら何人轢いたかわからない、目も当てられないハンドルさばき。ブランクがあるだけ、慣れれば簡単!とか思っていたけれどここはひとつ親の忠告に従って、一生運転席には座るまい、と決意。ついでに、今日だけは紫外線のことは忘れようと決意。午前中のうちに、絶叫系はほぼ乗り尽くした。カリブの海賊を眺めながらランチを食べて、プーさんとも白雪姫ともピーターパンとも戯れ、蒸気船にも蒸気機関車にも、いかだにもボートにもカヌーにもトロッコにも乗った。エレクトリカルパレードも、シンデレラ城の花火も。一つのアトラクションに20分以上並ぶことなど一度もないまま、朝から晩まで夢と魔法の国に滞在。ある意味ネタみたいなクリームソーダ味のポップコーンも、この国なら楽しい。でもいちばん楽しいのは、今日が金曜日だってこと。
June 24, 2005
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たとえば、同じ歌を口ずさみながら歩いているとき。たとえば、クセ毛には受難のいまの季節…でも、鏡を気にしなくたっていいやと思えたとき。たとえば、「私、いま単語で受け答えしてるな」と気付いたとき。
June 18, 2005
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次の約束まで、まだ時間がある。予想以上にたっぷりと。パキッとしてるのに渋い、モダンな感じのデザインのディスプレイに惹かれ、ふらっと入った呉服屋…というよりは、着物屋。羽織ってみるだけかと思いきや、二人がかりで本気の着付けが始まってしまった。冷やかしの試着なんてしょっちゅうなのだ、もう断るのも面倒になり、されるがままになる。お、やっぱり目を引いただけのことはある。素敵。ちょっとテンションが上がる。と、今度は表に連れ出され、写真を撮られる。…ははぁ、後で「写真ができたから取りにいらして下さいね」という寸法ですね。じゃ、私の携帯でも撮って下さい♪とお願い。洗練された人が多い街だけど、さすがに着物はそうでもないらしく道行く外国人がずかずかと近寄ってきて、遠慮なく撮影していく。冷やかしついでに聞いてみたお値段は、そのデザインと質と隠れたこだわりに確かに似つかわしく、ゼロの数に驚かされる。ひとり暮らしの女に勧めるなら、もう少し現実的なお着物にすればいいのに。何だか体力を消耗してしまい、おかげで午後たっぷり余った時間にやらかすはずだったムダなお買い物もゼロ!店員の為すがままに着せられてただけなのに、何で私がすり減るのか。・・・ゼロの数を聞き、地に足がついて、テンションが現実に戻ったとき実は着付けがかなり苦しいことに気がついた。逃がしたくない、との気合いがそうさせたのか?50歳過ぎのマネージャーの女性がここぞとばかりに締め上げたらしい。
June 12, 2005
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鎌倉で紫陽花を見よう!と友達4人でドライブへ。が、まだ紫陽花には早かったらしく、結局江ノ島で半日を過ごす。コンクリート壁の上に座って裸足をぶらぶらさせながら、ビール片手にたわいもないおしゃべりに興じる女4人。(絵になるんだか、ならないんだか…)目の前の海には、波を待ってぷかぷか浮いているサーファー。空には、ぐるぐると飛ぶとんび。時々急旋回して降りてきて、びっくりさせられることも。あまりの気持ちよさに、うっとりぼんやりしているとまたとんびが頭上をかすめていった。3度目だもん、もう驚かないもんね。そこへ、友達の一言。 「…豚串、取られた」え~っ!みんな一斉にその子の右手を見るとさっきまで握っていた豚串がものの見事に消えている!!(点線で豚串の形を描いて、点滅させたいくらいの勢いで)ヤツは、さっきから彼女の豚串を狙っていたのだった。2度の急降下(チャレンジ?リハーサル?)を経て3度目の正直、とんびは持ち主に怪我一つ負わすことなく鮮やかに豚串をさらって飛び去っていった。そういえばヤツの飛来コースは、3度とも豚串を握っていた二人の真上。お菓子を持っていた私の上ではなく。・・・数時間後に聞いた話。食べ物を狙うとんびに注意!というのは、地元ではかなり有名らしい。「うん、私もお弁当の唐揚げだけ盗られたことあるよ」と鎌倉に住む知り合いは語った。「鳥にカモにされるなんて!」と被害者は半ば呆れかえった様子でぼやいた。・・・豚串をさらわれた後、唖然呆然とする4人が空を眺めると…とんびはぐるぐる回るのをやめ、止まってじっと様子を伺っていた。見下ろしているのは、ピザパンを片手に海を眺める男性二人連れ。 菓子パンじゃイヤなの、ピザパンがいいの。
June 4, 2005
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おなかにコバンザメを従えたサメは、とっても大きく見えた。どこかが本当に接続されてるんじゃないか、実はコバンザメは自分で動いてないんじゃないか、そんなふうにすら思える、一心同体の2匹。が、じっと見ていると…うっかり離れてしまうこともあるらしい。あわててピヨピヨとヒレを振って追いつき、元の位置に戻る様子がなんとも言えずかわいらしい。定位置に戻ってきたコバンザメをおなかの下で庇護して(いるように見える!)、大きく悠々と泳いでゆくその様子。思い出して切なくなった。「切ない」っていうのはこういうことだな。多用できない、したくない。・・・何の気持ちも挟むスキマもなく、電車は動き出す。窓の端へ流れていく大きなサメを見ながら、泣きたくなった。
May 23, 2005
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久々に、無礼極まりない人に出会った。アタマに「慇懃」がついて、おまけに「尊大」もセットでどうぞ、ときた。大嫌いなモノを抱き合わせにして、その人は嫌なボールをほうって来る。この人に渡す名刺なんて一枚も持ち合わせてはいない、そう思った。そこまで徹底して拒否できる性格ではないが、それでもしっかりと顔には表れてしまう。運動神経はまるでさっぱりなのに、顔の裏の神経細胞は、張り巡らされた表情筋とがっちりオトモダチだ。こういうワタシに手を焼いているうちに、またうっかり誕生日が巡ってきた。相変わらずである。
May 18, 2005
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自分の背中は、どうしても見えない。自分の睫毛も、やっぱりムリだ。そういえば…顔ですら、実は自分の目で見たことはないのだ。それに限りなく近しいものを、鏡の中に見る。・・・自分の周りに置いた人たちは、鏡でもある。付き合いも長くなった友達とのんびりランチを取っていて思ったこと。 好きになる人たちの変遷をかえりみると、何か見えてくるね。 そうだね。鏡に映るのは、自分に限りなく近しいもの。でも、似て非なるもの。結局、どんなに頑張ったって自分の顔を自分で見ることなんて一生叶わないわけで。似て非なるものを通して、わかったような気になるしかないのだろう。
May 16, 2005
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たぶん、今まで生きてきた中で(大して長くないけど)いちばんだった。一度に目に飛び込んできた星の数が。4等星くらいまで見えてるかも?な、満点の星空を見上げると目薬を点すときにはがっちり閉じている口が、バカみたいにぽかんと開いていた。どこにいようと、空に浮かんだ星の数は変わらない。見えていないだけだ。それとも、見ようとしていないだけ?東京のビルみたいに星の光を邪魔することのない澄んだ空気が、混じりっけないままグサリと肌を刺してきたのでガタガタ震えながら毛布をかぶって眠りについた。…さむっ!+実は相当美形なのに、なぜか「馬刺 馬ノ介」と名づけられてしまった、かわいそうな馬。
May 3, 2005
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ちゃんとできて当たり前だと思っていた、イルカショー。そうだ、完成品を見ているつもりだったのだ。そんなことはなかった。中の1頭は、まだまだ修行中の身であるらしい。数メートルの高さにあるボールへ向けてジャンプ!ところが、4頭のうち1頭はどうしてもうまくいかない。鼻づらはあと十数センチのところで届かない。そして、そもそもジャンプすらしないことがある。いちばんのベテランがぴったりついて辛抱強く合図をする。ほら、気を取り直してもう一回!私たちから見れば合図、調教師からしてみれば叱咤激励。合図を受けて水にもぐった落ちこぼれイルカを、場内の観客が固唾を呑んで見つめる。三度目の正直?それとも、二度あることは三度ある?…あぁぁ、またダメ。失敗の様子を何度も見ているとわかってきた。あ、今度は違うな、調教師とイルカのタイミングが合わなかったな、私たちにすらそう見えたときには、絶対ジャンプをしないのだ。イルカも義理堅いのか、一応もぐっては見せるが絶対飛ばない。ぐるっと回ってまた戻ってくる。会場のあちこちから漏れるため息なんて、これっぽっちも聞かないふりをして。優秀な3頭は、「まぁまぁ皆さん、そんなにがっかりしないでこっちを見て下さいな」とばかりに見事な芸を繰り広げてくれている。「まったくもう、アイツひとりが成功しないからショーがちっとも進まないじゃん!」と内心で思っているかどうかは知らない。気が向いたらね!とばかりにくるくると泳いでいる、いつまでもジャンプしないイルカ。なにやら、楽しそうですらある。…あれ、私に似てるかも。
May 2, 2005
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世のオフィスに氾濫しているという、この動物。うちの職場も例外ではないようで。見回せば、社員よりも多かろうという「リラックマ」。人より羊の数が勝るというどこかの国のようだ。小さい、バカでかい、泣いてる、笑ってる…よくもまぁこんなに。呆れるほどいろんなリラックマがオフィスを埋めている。私のデスクにはない。ちなみに同僚曰く、このベーシックリラックマは仕事に飽きてヤサグレているところで、聞いている音楽はエミネムだそうである。そんな呑気なうちのオフィス。呑気でいたくない私のところに、これまでと違った領域の仕事がやってきた。ヤサグレたリラックマを横目に、私はひさしぶりにスーツを着て出て行った。・・・たまに着るスーツは良い。(毎日は絶対勘弁だけど)どこが太ったか、すぐにわかる。緩みかけた気持ちを引き締めることができる。水着と同じで、ずっと着ないでいると似合わなくなるのがスーツというもの。リラックマを抱いてのほほんとオフィスにいるわけにはいかないのだ。
April 21, 2005
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思わず撮ってしまった。あんまりキレイだったので。もう4月、忘れた頃に戻ってきたお菓子。
April 8, 2005
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ひさしぶりに、グラスが汗をかいているのを見た。そう、半年ぶりくらい。あぁ暖かくなったんだなと思った、この春二度目の出来事。
April 7, 2005
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特に西武ファンというわけではない。そもそも野球、だけでなくスポーツ全般にまったく詳しくない。ただ、雰囲気を味わいたかったからついて行った、インボイススタジアム。オープン戦だし、まぁ松坂が投げるんだろうし。君が代が流れ、始球式にはネプチューンが登場。おぉ、それっぽい感じ。寒い寒いとココアをすすりながら眺める。ドームといえども、ここは吹きっさらしなのだった。投手戦になり、淡々と(粛々と?)回が進んでいったが、何だか流れが崩れてきた。ピッチャー交代。唯一まともに顔が分かる選手、松坂がマウンドから下がっていく。次の人、誰?…へぇぇ、そうなんだ。よくわかんないけど。へぇ、ふぅん、という気のない相槌がやんだのは、続いてマウンドに上がったピッチャーが目に留まったときだった。投げようとするでもなく、まったく違う方向を向き頭を垂れて胸に手を当てたような格好で止まっている。祈っているのだろうか、気のせいだろうか。ちょっと選手名鑑、見せて!あれ、何て名前の人?どんな顔?インボイススタジアムでオープン戦を観戦しています、みたいな状況から私の意識は一気にマウンド上にフォーカスされた。あっという間に満塁のピンチになった。やがて松坂は勝利投手の権利を失い、間もなくあのピッチャーもマウンドから下りた。どっちが勝つのか、なんて、もはや興味の範囲外。彼は今どんな顔をしているんだろう。時が止まったように見えたあの瞬間、彼は何を考えていたのだろう。報われるよね、もちろん。そう、そんなことを思う私はつくづく日本人だ。
March 26, 2005
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いろんなことが本当で、いろんなことが嘘くさい。刹那的に見るか、諸々飲み込んだ上で納得してみるか。いずれにしても、今日の私にとっては嘘くさいのだ。何でもいいから、早く寝かせてほしい。
March 20, 2005
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熱があるな、と気付いたとき。仕事中なら、体温計で測ったりしてはいけない。「病は気から」確かにその通り。自覚した瞬間から、人は病人になる。・・・気のせいだ。絶対、気のせいだ。社内ではやたら健康体だと思われているけれど。○○じゃないのだ、こんな私だってたまには風邪を引く。今日のこのくしゃみは風邪の症状だ。鼻がグシュグシュいってるのも、もちろん風邪だ。今日は何だか白目が白くないことも、ランチへ出かけてから、無性に目がかゆくなってることも……もう、観念しました。遅まきながら、この日ついにdebutantを果たしました。戴いたのは、ティアラの代わりに立体マスク。・・・眼科にコンタクトレンズ、諸々のド近視費用に加えて花粉対策費用も計上するはめになる。年間予算の中に、決して楽しくない類の固定費の項目が増えていくのが齢を重ねるということなのだろうか。俄仕立ての花粉症患者は、今まで見向きもしなかった「今日の飛散状況」欄に目をとめ、マスクをかけて家を出る。まるで昔からそうしていたかのようなツラで。
March 18, 2005
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ほんとに芽が出たよ。
March 17, 2005
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連夜のオールという、普段からしたら考えられない時間を過ごし、テンションの高さと、たまった疲れがごちゃ混ぜになった身体でなだれ込んだ場所。オーダー外の何かが、トレイに載っていた。その小さな箱には、茶色の繊維でできた鉢と、袋に入った土と、ミニひまわりの種が入っていた。モスバーガーは、前日に「誕生日」を迎えたのだという。花の種は、それを記念してのプレゼント。ほとんど寝ないで朝を迎えた面々のトレイに載ったそのこぢんまりした箱は、あまりにも健康的だった。・・・部屋の中で何かが生きている匂いがするのは素敵。さすがにペットを飼おうとまでは思わないが。だから、咲いている花を買ってくる。キレイなものを、既にキレイな状態で自分の生活に取り入れる、ということ。ゼロから1を創ることが苦手、な気がしていたから、何につけてもずっとそんなふうにやってきた。最近思う。何もないところから、何かをカタチにするってホントに素敵。…育ててみよう、と思った。土を湿らせ、種を蒔き、また土をかけた。今はキレイでもなんでもない茶色い鉢を部屋において、待ってみることにした。小学生の夏休みの朝顔以来のこと。ほんとに育つのかな。茶色い鉢の横には、グラスに挿した花が並んでいる。うちの部屋にやって来てから蕾を開いた。もうすっかり満開だ。
March 13, 2005
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「選ぶ」「捨てる」って言葉がよく出てくるね。 そう言われて、初めて気付いた。まったく、自分のことはわからないものである。そうか、選ぼうとしていたのか。ほんの暫くの時間、生活パターンを変えてみた。絞って減らして削ってみたら、あっという間にギブアップ。大事なものを見極めるために無意識のうちにそうしてたらしい。バランスを保つ、エネルギーの源となる大切な時間とそのエネルギーを注ぎ込みたい仕事のタイプ。言われて気付いて、ようやく見えてきた気がする。何もかもを何となくやっていて、何だかよくわからなくなったらいったん針を極端に振れさせた生活に入ってみてもいいかも。大切にしたいモノ、ストレスの元凶、最近の思考パターン。口癖には、そんなものがわかりやすく表れる。定点観測してくれる人のありがたみを知る。
March 12, 2005
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MONDO GROSSO、というか大沢伸一のイベントへ。踊るどころか立つのもやっと。自分の場所を辛うじてキープ。酸素が薄い。おまけに、私の苦手なものだらけ。人いきれ、汗ばんだ空気、そしてタバコの煙。でもこの人の音には、そういう不快感を吹っ飛ばす何かがある。何というか、昇りつめて行く感覚、とでも言ったらいいのか。・・・と、先輩に話していたら、うんうんと頷かれた。 「わかるわかる、アゲアゲな感じだよね!」…アゲアゲな感じ??私の感じたことは、その一言に内包されているのだろうか。たとえば、今まさに降り立とうとしている機内の中から異国の地を見下ろす気分に似ているな、とか。何か大きく新しいことが始まろうとしている時の揺さぶられ加減に近いかも、とか。そういう感覚を思いっきり昇華したら、残るのは「アゲアゲな感じ」という言葉なのかしら。間違ってはいないが、正しくもないような。補導されるべき言葉、というのがある。今すぐの罪ではないけれど、使い続けていたら本当に感じたことをいつしか伝えられなくなってしまうかも、という意味で。
March 11, 2005
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顔がぴりぴりするくらい凍てついた空気に、やわらかい朝陽。小さな木の椅子と金属のバケツを提げて、湖の上をてくてく歩く。あまりの寒さに、歩いても歩いても目的地が近付かない。あとで気付くことになるのだが、一面に張った氷は予想以上に厚かった。いかにも、なカタチの木の椅子は物入れも兼ねていて、透明な容器には虫が、そして簡素なつくりの竿も入っている。バケツに入った炭は、寒さに押されながらもぼんやりと炎を上げていて持って歩いているうちに、グレーの手袋には美味しそうな焦げ目がついた。目的地に着くと、スクリュー式の道具でゴリゴリと穴を開ける。相当に深くまで回し続け、水がごぼっと溢れてきたら準備完了。(が、あまりに寒いのでぼんやりしているとまた薄氷が張ってくる)が、心優しいワタシは、エサとなるはずの虫を自然に帰してあげることに。…というか、針につけようとして手袋を外した指がまともに動かなくなり、容器をひっくり返してしまっただけなのだが。虫より先に私のカラダの方が凍結しかかっていてもはや為す術もなく、彼らがゆっくりと氷漬けになるのをただ眺めておりました。で、結局こんな朝早くから何をやってたかというと…わかさぎを釣った。…あれ、ちょっと違うな。わかさぎを釣りに行った。「わかさぎ釣り」をした。…つまり、坊主だったというわけで。なんとその場の面々、全員が。まったく持ってお寒い話。が、周りを見回しても、釣れた様子のグループが見当たらない。どうも時期が早すぎたらしい。しかし、釣れるまでは帰らないぞ!とはいかない状況。そんな意地より、寒さの圧倒的勝利。でもちゃんとわかさぎ定食は頂く。何処ぞの誰かが釣ったわかさぎは、予想通りきちんと美味しかった。結果は寒かったが、ここでこうしている状況自体が面白く凍って動かない表情筋をぴくぴくさせながら笑った。・・・すっかり固まったカラダを温泉で解凍して、今度はイチゴ狩り。極寒の湖から、舌だけは常春の世界へ。赤く色づいたイチゴは片っ端から一行のおなかへ消えていく。貸し切り状態のビニールハウスは、軽く追いはぎに襲われた後のようになってしまった。・・・ そういえば、今まで最も寒いと感じたのは京都の大原に行ったとき。手首から先が凍って地面に転がり落ちるかと思った。が、あの湖から立ち上る冷気は、いともあっさりと記録を塗り替えてしまった。肩から先が凍って落ちても、気付かないだろう。ロシアとか何とか、寒い国のお酒の飲み方をちょっとだけ理解できた数時間。ポケットからウォッカの小瓶が出てきたりするのはこういうシチュエーションなんですな、きっと。
February 26, 2005
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テーブルに置かれた寄せ鍋の具に、なぜかナスが混じっていた。…寄せ鍋にナス?妙なものを入れるんですねぇ、と言いながら顔を上げたところに遅れてきたメンバーが入ってきた。初めて会う人。でもどこか懐かしいような空気を持った人。それが誰を指すのかは、すぐにわかった。私と同い年だと言う彼は目の前に座り、言葉を選びながら話の輪に加わった。確かに、顔は似ていなくもない。が、あくまで「何となく」。話し方だって、彼はとっても物静かだ。それがなぜ、こんなに懐かしく感じるのだろう?鍋に伸ばした彼の手が視界に入り、はっとする。手の甲の大きさ、指の節々、爪の形。驚きながら目を上げてみる。おやおや、肩のシルエットがそっくり。鍋の底が見えてきた頃、席を立ってドアを開けようとする背中。ニットを着た肩甲骨の形に絶句。…顔が似てると、骨格まで似てしまうのか?ディテールが集まって、その人を形作る。記憶の中にある部品を、リアルで組み立てていったかのようだった。「何となく似ている人」から「そっくりな人」へ。それ以外の何者でもなくなった。だぶって見えて仕方がない。唯一違うのは、見慣れていた形の左手の薬指には指輪が控えめにはまっていてもう結婚5年目だという奥さんが隣でニコニコ笑っていたこと。・・・ずいぶん前のこと。先輩は言った。 「女はところてんみたいに出来てるから」??? 「次ができると、押し出されるんだよね。考えるのは、直近のことだけ」・・・数回継ぎ足した鍋の出汁も終わり、デザートまで頂き、もう終電近い。お開きお開き、とエレベーターに乗り込む。狭い箱の中、前に立つ彼。数代前に押し出された、ところてんを眺める私。
February 19, 2005
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一説によると 10歳の子供からすれば、1年間は一生の10分の1である。 時間が経てば経つほどその分母は大きくなり、分子を構成するモノの重みが減ってくる。 それが、「年を取れば時間の過ぎるのが早くなる」といわれる所以。だそうだ。時系列で物事を記憶することがおそろしく苦手なため何があったか大して覚えていない時間、というのを積み重ねるとまったくこれでいいのだろうか、と思うことがままある。上の説によれば、まぁそれも仕方ないということらしい。が、心の中に 何で一日は24時間しかないの? 何で明日は平日なの? 明日、ほんとに会社に行かなくちゃいけない? …私、帰らなくちゃいけない?というメチャクチャな疑問が湧いてくる瞬間もあるわけで。それは、毎日決まった時間割に沿ってランドセルに教科書を入れていたときには決して浮かんでこなかった感情。 時間は、流れていくモノであり決して戻らないモノであり 貯められないモノであり誰もに平等に与えられたモノである。私が自由に使える時間は、あとどれくらいあるのだろう。こんなことを思いながらも、自分はきっと平均寿命を全うするだろうというまったく根拠のない前提の下に、日々のほほんと過ごしてたりする。意外と、分母は大きくないかもしれないのに。
February 15, 2005
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ちと話をつけるかも 限界だ何だか電報みたいなメール。いつも其処此処に散りばめられている絵文字がない。その空白に、かえって表情が見えるというものだ。 このまま明日をむかえたくないから話をつける いってくるあぁぁ今頃、会社で大きな声が響いているに違いない。言い出したら絶対聞かない、後に引かない、いかにもそういう血筋な人だ。えらいことになってるだろうなぁ、ほんとに。携帯を閉じてちょっと想像してみたら、なぜかこんな言葉がアタマに浮かんだ。 「怒髪冠を指す」何でここで漢文が出てくるの?と首を傾げながら、しかし似合いすぎだこの言葉、と苦笑してしまった。どうか明日からは笑って仕事ができますように、髪の毛が逆立ったりしないで済みますように、日付が変わる前に会社を出られますように、と携帯越しに思った。
February 14, 2005
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なくしたピアスが見つかった。一目惚れで買った代物、しぶとく片耳だけつけるようになって久しい。なくした日のことは覚えている。片耳が軽いことに気づいた時、あぁ今日はほんとにアンラッキーだ、と思ったからだ。・・・どれを観ようかな、と上映プログラム一覧を眺めていたら背後から声を掛けられた。振り返ると30代後半とおぼしきカップルがいた。「良かったら代わりに観ませんか?僕たち急に帰らなきゃいけなくなったんで」感謝と恐縮しきりで受け取ったチケットは、まさに今から始まろうとしているプログラムの指定席。その時、世間では最も話題に上っていた映画だった。入ってみたら、その座席はちょうどいい位置。今日はなんだかラッキーだ。さっき食べたつけ麺も、待たされただけのことはあってとっても美味しかったし。あんなお店があるなんて知らなかったし。えぇ、この映画の幕開けのドラマティックさときたら、ほんとに息を飲みましたし。なのに。中盤から冗長な展開、そして朗々と流れ続ける歌。…子守唄代わりになってしまった。ロード・オブ・ザ・リングの時だって必死で我慢したのに。展開が冗長だから?ただ寝不足だったから?シートが気持ち良かったから?それともワインを飲みながら観たから?何でもいいが、とりあえず映画館で寝てしまったことに軽くショックを覚えながら、素敵な指定席を後にする。 ま、いっか。もともと転がり込んできたものだから。さっきのショックはとっとと忘れ、また幸せな気分で飲みに行く。そんなに芋焼酎好きなら、メニューには出してないけど…とカウンターの奥から取り出してきてくれた貴重品がとってもヒット。あぁやっぱり今日はラッキーだった、とラスト一杯を美味しく飲み干しついでにもう一軒行って、笑って一日を終える。…が、家に戻ったら片耳が軽いことに気づいた。・・・そういう日だった。だいたいピアスというものは、なくしたら最後だ。なくしたのが仮に自分の部屋だとしても、見つからないことがままある。あの映画には縁が薄かったけれど、1ヶ月以上も経って手元に戻ってきたこのピアスには、きっと縁がある。しぶとく片耳につけていた甲斐があったというものだ。そうしたら今度は、それ以上に大事な大事なピアスを落として泣きそうになった時のことを思い出した。当日、翌日とお店に二度も電話を掛けたことも、銀座で落としたピアスだってさ、海に指輪を投げたのと変わんないよ、などと思いつつ、下を見ながら歩いてみたりしたことも。だいたいピアスというものは、なくしたら最後だ。
February 13, 2005
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エスカレーターを駆け上がり、ホームをダッシュし、終電に滑り込んだ。先に店を出ようと決めたのがあと5秒遅かったら、きっと間に合わなかっただろう。息をついた。オールは好きじゃない。夜は眠るものだ。そんな安堵感はものの10秒も続かなかった。なんだか首回りが軽い。事態を飲み込もうと、満員の車内できょろきょろしているうちに渋谷から原宿への3分間が過ぎる。つまり、マフラーを落とした、ということだった。というか、実際は飛ばしてしまったのだった。走りすぎて。駅の構内に入る前にはあったのに。ショックのあまり、すっかり酔いが醒める。・・・皮肉なことに、家に戻って最初に目に飛び込んできたのは今朝届いたばかりの新しいカーテン。 家に帰ったら取り替えようっと。そう思って箱から出したままだった。何だか悲しくなりながら、新しくうちにやって来たカーテンを取り付けた。入れ替わりに出て行ってしまったマフラーのことをぼんやり思いながら。・・・翌朝、ベッドの中で携帯に手を伸ばし、そのまま小声でゴソゴソ電話を掛ける。JR渋谷駅に、立ち入ってもいない東急東横線渋谷駅に。 「…ありませんねぇ」そうこうしている内に、昨日連絡しておいた自宅の最寄り駅からも電話がかかってくる。 「該当するようなモノは届いてませんでした」・・・妙に物持ちが良い、捨てられないことは自覚していたが、ここまで来ると「モノに拘泥する」と言った方が正しい。土曜の午前中、他に用事のない渋谷まで出てきてしまった。どうやら、適当そうな駅員の生返事だけでは諦められないらしい。他のどれよりも気に入っていた代物。また買えばいいじゃないか、で片付けられなかった。同じものは売ってないのだ。そこが気に入って買ったのだから。そこまで気に入っていながら、走って飛ばしてなくした。よりにもよって、使い捨ての巣窟みたいな街で。まったく自分のアホさ加減が信じられない。後にマフラーがあるのを認識していたところから、ホームまで往復してみる。やっぱりない。あるわけがない。時計を8時間前に戻して。そこからやり直させて。あのままダーツを続けていれば、終電に走りこまなければ。VIP待遇で大事にされていた例のブツは、私の首を離れた瞬間から「落とし物」という、名前も所属もない宙ぶらりんな存在になってそのままどこかへ飲み込まれてしまった。一縷の望みは、ぷっつり絶たれた。早く暖かくなればいいのに、と思った。マフラーの要らない季節に。・・・特に用事のない渋谷。でも「駅周辺を往復」だけで家に帰るのはあまりにバカバカしい。が、買い物をする元気もない。服やアクセサリーといった身につけるものを選ぶには、それなりにエネルギーが必要なのだ。やっぱり帰ろう。が、ふと気が変わり、踵を返した。アタマに浮かんだお店へ一直線。買ったのは、手のひらサイズのテーブルブーケだった。カーテンに似合う色。早く春にならないかな、と思った。花のキレイな季節に。モノによってぽっかり開いた穴を、私はやっぱりモノで埋めようとした。
February 12, 2005
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さくら舞い散る中に忘れた記憶と 君の声が戻ってくる吹き止まない春の風 あの頃のままで君が風に舞う髪かき分けた時の 淡い香り戻ってくる二人約束した あの頃のままでヒュルリーラ ヒュルリーラさくら散りだす 思い出す 意味なく灯り出す あの頃また気になる変わらない香り 景色 風違うのは君がいないだけここに立つと甦る こみ上げる記憶 読み返す春風に舞う長い髪 たわいないことでまた騒いだりさくら木の真下 語り明かした思い出は 俺 輝いた証ださくら散る頃 出会い別れそれでも ここまだ変わらぬままで咲かした芽 君 離した手いつしか別れ 交したねさくら舞う季節に取り戻すあの頃 そして君呼び起こす花びら舞い散る 記憶舞い戻る気付けばまたこの季節で 君との想い出に誘われ心の扉たたいた でも手をすり抜けた花びら初めて分かった 俺若かったこの場所来るまで分からなかったが此処だけは今も何故 運命のように香る風暖かい陽の光がこぼれる 目を閉じればあの日に戻れるいつしか君の面影は 消えてしまうよ 何処かへあの日以来 景色変わらない散りゆく花びらは語らないさくらの下に響いた 君の声 今はもうそっと僕の肩に 舞い落ちたひとひらの花びら手に取り 目をつむれば君が傍にいる花びら舞い散る 記憶舞い戻る花びら舞い散る `ケツメイシ`
February 10, 2005
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「この時期の」ソニプラというところは、前に進むのも困るほど何だかものすごいエネルギーが充満している。同じ理由から、デパ地下のスイーツ売り場も混雑の極みなのだけれど眼に痛いくらいカラフルな雑貨やコスメが並ぶこのショップは他のバラエティショップに比べて、ついで買いの気分をくすぐるツボを知っている。このイベントにかこつけて、いろいろマイナーチェンジを試みる女の子のちっちゃい夢に火をつけるのがほんとにうまい。と思いつつも、さっさと通り過ぎようとした。今日はあんまり時間がない。 が、ちらっと目に入った色使いとデザインのセンスの良さに釘付け。思わず足が止まった。少しくすんだミントグリーンの地に、ゴールドの細いラインと上品なブルー、深いチョコレート色のマルチボーダー。あえて寒色メインでシンプルにまとめた、今年のゴディバのパッケージ。・・・プレゼントされる側には伝わらない。その一粒のチョコレートは、かじったら何が出てくるのか、あれとこれだったら、どっちが好みの味であるか、このパッケージはかわいすぎるかどうなのか…そんなことをディスプレイの前でじっと考え込んでいるということ。その一つの箱を選ぶために、どれだけ生産性のない時間を費やしたか、ということ。伝わらないことにまで考えをめぐらせるから、こんなにも品数が増えこんなにも人がごった返し、こんなにも売り場が楽しい。イヤでない混雑、というのも存在する。もっぱらプレゼントする一方、という性だから言えることかもしれないが。
February 6, 2005
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ひとり暮らしを実感するとき。さっきのコーヒーカップを片付けたくないとき。
February 5, 2005
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ロマンスカー、っていう響き、いいですよね。 ほら、一緒に乗る相手が誰であれ 何だか、ゆったり小旅行を楽しめそうな感じがするじゃないですか。 窓から朝陽や夕暮れや富士山が見えそうなイメージ。先輩は言った。 え、私には不倫旅行しか思い浮かばないけど。会話終了。・・・そんなことはさておき、初ロマンスカー。某エステから、2月正式オープンに先駆けて関係者をご招待、とのお話。体験してみて下さいな(ついでにどこかで取り上げてもらえれば嬉しいな)とのこと。 が、それこそ小旅行になってしまう距離なので手を挙げる人がない。それじゃ、ということで同僚のエディターと一緒に行ってみることにした。リニューアルされてなかなかキレイなロマンスカーで想像していた通りの風景を眺めながら、遠足気分で一路西へ向かった。そのエステは、某レジャー施設の中にオープンしたもの。ずらりと並んだ一般客の行列を横目に、プレス専用受付からすんなり入場。マネージャーから挨拶を受けた後、担当者が館内を丁寧に案内してくれた。さて、目的のエステ招待会の予約時間までまだまだある。じゃあ、お昼にしますか!なかなか充実のランチ、すっかり満足。こんなに食べたら、水着は絶対ムリ!と言いながら着替える。まさかこの時期に水着を着るなんて。抜き打ちだ、不意討ちだ、身体が冬眠モードなのに。ヤバイヤバイと口では言いながら、でもお互いの顔がすっかり緩んでいるのを見て笑う。 だって、ポケットにはあれが入っているから!私たちは、半ば駆け出す勢いで更衣室を飛び出した。オイルマッサージ、足底療法、そして某エステのフェイスケアコース、はたまた別のフットケアで角質がキレイさっぱりツルツルに。・・・ とってもきもちよかったです。 またいきたいな。 おわりそんな小学生みたいな感想文を書いてしまえばそれまで。確かに個々のケアは相応に気持ちよく、ひとつひとつにフォーカスすればそれほど文句はない。が、これは ポケットに「報道関係者」のパス(何もかも一切フリー!)が入っている独身女性の言い分なのだ。が、その施設で周りをぐるっと見渡してみると…ファミリー層ばかり。小さな子供の面倒を見るのにてんてこまいの主婦が、この敷居の高そうなエステを利用できるだろうか。そのハードルを下げるような試みは一切見られなかった。では翻って、エステ大好きな都心の独身女性なら? 私なら、二度と行かない。エステのために、わざわざロマンスカーに乗ってまで行く必要があるだろうか。都心には激しい競争の中でレベルアップしているサロンがいくらでもある。じゃあ、カップルならいいんじゃないの。 …ムームーのような、あのセンスの欠片もないウェアを渡されて? リピートはまずないだろう。都心に暮らす人たちは、幸か不幸かいろんなところで舌が肥えてしまうのだ。ラクーアみたいな、随所に気遣いと工夫の凝らされた施設に比べれば、遠く足元にも及ばない。(が、ラクーアはカップルで行くにはちょっとキツイ。水着を着て入れる温泉ではないので、当然男女別。薄暗くて広くて天井が高い部屋の、床暖房の入った石の上にごろんと横たわりひたすらのんびりする、くらいなもの。男性に合わせて一緒にいようとすれば、温泉やサウナを使い倒せなかった女性が物足りなさを感じ、少々不機嫌になり、ついでにケンカ気味になる。…誰のこととは言いませんが)何より問題は、動線に沿わないつくりをしている上、こんなに広いのにナビゲーションがすこぶる悪いことだ。ファミリー層に対する不親切さときたら決定的。テンションの高かった私たちだって、ひたすら振り回され、歩き疲れた。行きの盛り上がりとは打って変わって、帰りのロマンスカーは徹底批評タイムへ。・・・しかし、そうは言っても東京に帰る私たちの足取りは軽かった。だって、そんな諸々の疲れをすっかり支払ってその上お釣りがくるくらいのマッサージを受けていたから。
January 30, 2005
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うーん、でも…そうするのって、面倒だし。・・・ 本当は、面倒とかじゃないんでしょ? 十分、一生懸命じゃない。 本当に伝えたいことをそのまま伝えたからって、 あなたは何にも失わないんだよ。 大切なのは、あなたが自由であること。 自分がしたいような生き方で生きること。 どちらを選んでもかまわない。 あなたであることには変わりがないんだから。・・・そうですね。ほんとにその通りだと思う。ありがとう。こういう時の自分は、大概 考えすぎるか、考えることを放棄するかのどちらかだ。考えすぎて、考えることから逃げ出して、戻ってきて、やっぱり考えすぎるのだ。間を取ったら?いい加減、学んだら?ほんとに、仕方のないヤツだ。
January 18, 2005
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映画館で観る邦画なんて、ジブリアニメくらいなものだ。ドラマの延長をスクリーンで見たって、としか思っていないからだ。「観る」って言葉を使うのも何だかなぁ。…偏見のかたまりである。が、引っ張っていかれたこの映画。顔に縦2本の筋ができ、間断なく流れ続けた。たまに拭っておかないと、首まで伝ってくる始末。思い返せば、涙が浮かんできたのは上映開始10分後。当然、話は何にも展開していない。田舎の光景、美しすぎるその緑の色にやられてしまったのかもしれない。でも、この映画を観に行くことになった時点で「今日は泣く」と決まっていたような気がする。キャスティングだ。というよりむしろ、「好きな顔」だから、と言った方が正しいかもしれない。中村獅童と竹内結子。どうしようもなく好きな、この2人の顔。破天荒さ、小市民的な感じ、豪胆さ、繊細さ、根拠なき自信に溢れた顔、こっちがもどかしくなるくらい自信のなさげな顔。こんな色々な表情ができる中村獅童の顔が、たまらなく好き。竹内結子なんて、鬱蒼とした森の中にぽつんと座り込んでいる始めの登場シーンを見ただけで、目元にじわじわ浮かんできた。こうなってくると、もはや話の筋は二の次だ。犯罪的にキレイだった。いかにも骨の細そうな巧、白いワンピースが似合いすぎる澪。涙が出たのは、あの2人が演じていたからだ。他の顔じゃ、ムリだ。いかにイケメンでも、いかにモデル級の美女でもムリだ。・・・「あの映画、どうだった?」と感想を求められそんなことを力説したのだけれど、もうこれは好みの世界の話。思うとおりに相手に伝わるはずもなく、もどかしくなって口をつぐんだ。
January 16, 2005
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東京在住の、いや、そうでなくでも普通のサラリーマンならまだまだ眠りを貪っている時間。明るくてひんやりした、いかにも冬らしい陽射しの中に佇むお寺へ。 (少々遅刻…ごめんなさい)鎌倉五山のひとつ、円覚寺。日本史好き、寺社仏閣好きの自分にはたまらない。こんなに早く、こんなに寒い朝に、僧侶の話を聞きに来るなんて(しかも鎌倉まで)私たちもなかなか物好き…いやいや、とっても奇特だ。などと自分で思うあたりが、既に生臭い。が、中に入ってみると。本当なら相当広いであろう室内に、スペースはほとんど残っていなかった。もうぎっしり埋まっている。その人いきれをもってしても、ちっとも暖まっていない。この高い天井の下、全く暖まる気配がない。勝手のわかっていない私たちが、何とか空いている場所に座ろうとするとそこは通路だから、と常連(?)の方々に声をかけられる。物見遊山で来たつもりはさらさらないのだが、日曜説教会なるものが、生活の一部になっている人たちに混じろうとしたこの時私たちは、さながら観光客のようだった。で、やっと管主が入ってくる。穏やかそうな顔。渡された「修養聖典」を開き、後を追って一斉に唱える。さっきまで足を崩して座っていた普通のおじさんが、暗証するどころか、節回しといい声の大きさといい僧侶顔負けの読みっぷりだったので、隣で驚く。どこを読んでいるのか、時々わからなくなったりもしながらついていく。仏教徒ではないが、何にせよ厳かでぴんと張った空気が好きだ。終わったあと、「そこは通路だから」と言われた訳を知る。管主が、部屋の中央から斜め後ろのスペースへ移ってくる、その通路だったのだ。おもむろに一同が90度向きを変えて座りなおす。私たちは管主の左手、最前列になってしまった。 そろそろ足がきつい。法話が始まった。失礼ながら、円覚寺の管主様は大変お話がお上手であった。飽きさせず聞かせる、聞き手を話に引き込む、ということをよく心得ていらっしゃる。仏様のお話、みたいなことはまるで出てこない。昨年はこんな年だった、こんなことがあった、そのときのマスコミの報道の仕方はこうだったがその陰で私たちはこんな部分に思いが至っていないのではないか、年賀状や山手線に見る最近のマナー、家族事情などなど。 足がきつい。これだから最近の若い者は…と言われても、やっぱり。少子化についても触れられる。最近は自分たちの生活を最優先にする人が増えた、それが一因ではないか、と。管主様の正面に座り、時折肯いていたおばさん、おじさん、そしておばあさんおじいさんたちが、ちらりちらりとこちらに視線を投げる。 いや、私たちは未婚ですから。関係ないですから。 あまり非難がましく見ないで下さい! それに、子供を大学に入れて卒業させるまでいくらかかると思います? 義務教育だけでも生きていけた頃とは違うんですよ!などと、誰に代わってか、心の中で言い訳をする。結婚してもいないのに。・・・さて、円覚寺といえば臨済宗。臨済宗といえば禅宗。そのまま坐禅会へ。胡坐、じゃなくて坐禅を組んで、手を前で組む。雑念を振り払うため、アタマの中で数を数えると良いとのご指示。TVで見るように、「そこ、気が緩んどる!バシッ!!」というわけではないらしい。並んで坐禅を組んだ人たちの前を、静かに僧侶が歩いてくる。希望する人のみ、手を合わせて頭を下げるのだそうで。一人目が、頭を下げた。 バシッバシッ!バシッバシッ!呼吸の音と、誰かのおなかが鳴るだけが響く室内に、空気を割ってしまうようなその激しい音。一人目の音が聞こえてきた時点で、すっかり恐れおののいてしまう。ヘタレな私は、様子見に徹してしまった。 誰かが頭を下げる。僧侶は立ち止まり、その人の背中を押してもっと下げる。で、例の棒(ケイサク、というらしいが漢字が不明)で、右肩、左肩と叩くわけだ。それぞれ2回ずつ、計4回。僧侶は、アタマの中で数を数えることすら満足に出来ない雑念まみれの私の前を通過。やっぱり止まって頂く勇気が出なかった。 いや、次こそは!絶対!…と思っていたら、1回目が終了。小休憩に入る。2回目が始まる。まだ若い僧侶は言った。「次は皆さんのところを回りませんから、リラックスして坐禅を組んで下さい」 えっ。来ないの?逃した魚は実に大きい。この期に及んでまだ生臭いのか、という話だけれど。・・・一つ分かったことがある。 ヘタレな人間は、 己のヘタレさに対して喝を入れてもらう機会すら失っているのだ。 そのヘタレさが故に、日々、往々にして。 それに気づいたこと、それ自体を「喝」としよう。
January 9, 2005
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