とりあえず・・DIYで行こう!

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April 24, 2010
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カテゴリ: 本・テレビ等

【入荷予約】 天地明察


これはいい本だ。
めちゃくちゃ面白い。
「これは面白い!」と万人が認めたようで、第31回 吉川英治文学新人賞受賞、2010年 本屋大賞受賞と、大きな賞をダブル受賞したところだ。
当然だろう。

とにかく、自分の大好きなポジティブ作品。
とことんポジティブ。
主人公は前しか向いてない。
後ろを振り返らず、しかし後へ置いてきた人たちの思いは忘れずに、前へ前へひたすら進む。

ジャンルは時代物なんだけど、今読んでも全く違和感がない。
かといって時代考証がいい加減ということもない(と思う)。
大きな賞を受賞しているということは、時代物としてもそれなりのレベルに達しているということなんだろう。

主人公の渋川春海は将軍様の前で「御城碁」をうつ「碁打ち衆」という役職(ちなみに実在の人物である)。
そこからしてあんまり聞きなれない言葉なんだけど、碁の話かと思いきやそうではなく、この時代に広まりだした「算術」のほうが好きという変わり者で、その算術から始まって天体観測や測量、ついには江戸幕府や朝廷を巻き込んだ一大事業にまで・・・
というような、ダイナミックなだけでなくドラマチックでもある素晴らしい作品なので、ぜひとも読んで欲しい一品。
ワクワクドキドキだけではなく、しんみりとさせるところもあり、三回くらい泣けてしまった。
最近、涙腺がゆるいんだろうか?
泣けると言っても決して暗いわけではない。
エンディングでは感動で泣けてきたくらいだから。

最近は世相を反映してか暗い作風がスポットを浴びがちだけど、いつも言ってることだけど根暗でネガティブな作品読んでも得るものなんて一つもない。
だから、そんな作品を世に広めてもいいことなんて何もない。
そいういう意味でこの作品が「本屋大賞」をとったことはとてもいいことだと思う。
ぜひ、これからもこういうパワーみなぎるポジティブな作品を選んでいって欲しい。

最後に、この作品の面白いところをもう一つ。
作中で当時の幕政の良いところ悪いところを色々述べてあるんだけど、それが今の政治を揶揄しているようでとても興味深い。
特に将軍綱吉治世のもとでの「緊縮政治」、その結果生じた江戸城の貧窮の様子(城で働くものに給与を支払えなくなる)などは、まったくそのまま今の社会の様相だ。
時の権力者を「暗愚を通り越して末期症状」と記すところなど、けっこう痛快。

ほんとに、政治家にこそこういう作品を読んでもらいたいものだ。
漫画もいいけど、小説も読んでくれよ~。

結局、三日で二度も読んでしまった・・・。





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Last updated  April 24, 2010 02:36:23 PM
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