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桃太郎715

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May 13, 2024
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カテゴリ: 母ちゃんの日常

昨日は母の日でした。

遠いところは負担になるというので、近隣のレストランを予約し、一応そんなにお高くはないけれどコース料理を頼みました。

しかし、母は喜ばなかった…

あ、またか。

母の日は昔からこうだった。

小学生のとき、父と一緒に母の日のプレゼントを買いに行った。レースのエプロンが華やかで素敵だったので、どんなに喜ぶだろうと期待しながら買って帰ってきた。

「なに、この下品なエプロン!」

母は怒ってお店に行き、地味なエプロンと取り替えてきた。

唖然とした。

それからも

「この時期のカーネーションは見るだけで腹が立つ。いつもよりずっと高い値段つけて。絶対買うな!」

果物にしていた時期もあったが、

「ケチってこんなに少ないさくらんぼなんか!」

と怒りまくることも。

「何をしても喜ばない」

と、父に愚痴ったら

「それでも、何もないともっと怒るから仕方ないよ」

笑われた。

お金を払って怒られてもなあ。

昨夜も延々と父の悪口を言い続けるので私はシラケて聞いていた。

「あんた、私を可哀想だと思わないの?」

の質問に

「思わない」

正直に答えてしまった。あ、だから相性の悪い親子だと叔母に嘆かれるのね。でも、私の半分は父のDNAで出来ておりますので、父の悪口=私の悪口なんだよ…と何度説明しても、母には届かない。母は一緒になって父の悪口を言う娘が欲しいのである。

じゃ、何もしなきゃいいとは思うのだが、相手は高齢者。食事に誘うのは見守りも兼ねているのだ。みんな死んでしまったから、私しかいないので、義務感でやっている。

いや、本当は一度くらい喜んでもらいたい、認めてもらいたいと深層心理では思っているのかも。

全ての母親がこどもを愛するなんて、絶対あり得ないと理屈ではわかっているのだけれど。

こんなこと、娘にも言えやしない。

ただ、遠回しに言ったことはある。

「いい人が長生きするとは限らないし、嫌な人だってバチも当たらず、長生きしてることもあるよね」

クールな娘は言い放つ。

「そんなの、当たり前。いい人でも長生きしてたり早死にしたり、悪い人でも長生きしたり早死にしたり、全部四分の一の確率なの!」

四分の一なのかなあ。

とすると、私はどうなるのかな。 

母に

「お母さんは私より長生きするかもね」

と昨夜言ったらあっさり

「そうかもしれん」だと。この人、100才まで生きそうだもの。

母にとってはボケるかどうかの方が大事らしい。

「賢い人ほど、ボケるで、私はアホやからボケへんのや」

そうですかいな。賢いとご自慢の妹(私の叔母)は83才ですが、ボケてませんな?

と矛盾をついても意にも介さない。

「それなら私はボケるかな」

と言ってみたら

「あんたは賢くないで、ボケへんやろ」

賢くなくてすんませんな。ま、昔から取り柄なしと馬鹿にされているので構いませんが。

何だかどっと疲れていっきに年を取った気がする。

母の日に無理やり感謝することはない、と若い人達に言いたい。感謝できなくてもいいのだ。罪悪感を持たないで。

ただ、親があまりに高齢になってしまったら仕方がない。恨んでも相手は年寄りだし、何も治らないのだ。犬や猫だって年を取ったら、今まで以上に労りたくなるでしょう。よく頑張って生きてきてくれたねと自然に思えるでしょう。人間にそれができないのは不自然なのだと思う。言葉があるから、傷つけ合うのだろうけど、そうでなければ同じ動物ではないか。親孝行なんて思わなくていい。動物として、弱いものは労ろう。

ここちゃんが私に寄り添ってゴロゴロ言っている。この子は私を母親だと信じているのだ。私が不器用で賢くなくても愛して信じてくれている。

裏切るまい。

明日からも頑張って働く。

還暦過ぎて、二度めの新人生活は辛いと思うこともあるけれど、守るべきものがあるから、頑張れる。働ける。

ここちゃんといるとオキシトシンというホルモンが沸々と湧いてくる。

ここちゃんのお母さんで良かった。

あ、娘は今年もプリンの箱詰めを送ってくれました。私はそんなにいいお母さんじゃなかったし、娘も私が不器用で要領が悪いのは百も承知。哀れに思っているかも知れぬ、この頼りない母を。

だけど、気持ちは十分に受け止めたい。

こどもにしてもらったら大げさなほど喜んでみせる。こどもは喜ばせたくてやっているのだから決して裏切ってはいけない。相手が喜んだら贈った方は嬉しいのである。親を反面教師にして学んだことだ。

ここちゃんがいてくれてブルーな気持ちも和らいだ。

ちょっとダルいのはまた風邪をひいちゃったのかなあ






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Last updated  May 13, 2024 09:40:57 PM
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