森へ行こう(心とからだと子育てと)

森へ行こう(心とからだと子育てと)

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

「本当に大切にした… New! かめおか ゆみこさん

Comments

森の声@ Re[1]:「思春期以降の育ちを支えるもの」(普遍的な世界と出会う)(10/17) フィービーさんへ >孤独🟰幸せではない…

Profile

森の声

森の声

2024.05.16
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
30年以上も前から、私は自宅で造形教室をやっていますが、最近の子どもたちを見ていると一面的なものの見方しか出来ない子が多いような気がします。考え方や感じ方が固定されてしまっているのです。幼い頃から「正解」を押しつけられて育っているからなのでしょうか。

そういう子は、何かをする場合にも「自分のやり方」にばかりこだわります。
「こうやってダメだったら、別のやり方でやってみよう」という「発想の転換」が出来ないのです。そのため「試行錯誤」が出来ません。最初に考えたやり方でやってうまく行かないと、別の方法を試すことなくすぐに諦めてしまうのです。そして大人もまた同じ状態です。

そういう状態の子はうまく行っている時にはいいのですが、ちょっと「思い通りにならないこと」が起きると簡単に挫折してしまいます。
でも、そのまま大人になってしまった子は、社会に出てからも仕事や人間関係で簡単に挫折してしまうのではないでしょうか。結婚しても、夫婦関係や子育てで簡単に行き詰まってしまうのではないでしょうか。

子育てで行き詰まっている人の話を聞くと、考え方が固定されてしまっている人がほとんどだからです。「早くしなさい」と言っても、子どもが早くすることなどないのに、毎日「早くしなさい」を繰り返してばかりいる人はそのような状態の人です。

私たちが生きている現実の世界には正解なんて存在しないのです。正解が存在するのは学校という狭い世界の中だけです。

また、試行錯誤が出来ない子は、他の人の言葉も理解することが出来ません。自分の視点にばかりこだわって、他者の視点に立って相手の言葉を理解しようとすることが出来ないからです。
自分の価値基準だけで相手の言葉も判断してしまうため、誤解も生まれます。

またそのため、自分とは異なった価値観で生きている人たちは“おかしな人たち”ということになってしまいます。マスクやワクチンに対してもみんなと同じ意見を持っていない人、みんなと同じ行動をしない人は「陰謀論者」などと言われてしまいます。イジメの問題もこのことと関係しているのはないかと思います。

自分の視点だけにこだわるような人は、自分とは異なる価値観の人を受けいれることが出来ないので話し合いを通して一緒に何か活動をするということもできません。そもそも「話し合う」ということ自体が出来ません。
話し合いの基本は「相手の立場に立って相手の言葉に耳を傾ける」ということなんですが、それが出来ないのですから。
そういう人は、自分の考えとは異なったことを言われただけで「否定された」と感じてしまうのです。

またこれは、学力低下の問題ともつながっています。それは、「暗記科目は得意でも応用問題が苦手」という日本の子ども達の状態に表れています。
「子ども達の科学離れ」の問題ともつながっています。多視点思考が出来ない子が科学に興味を持つことは期待できないからです。

国際的に見たら、日本人の異常なほどの自殺の多さの背景にもそういう「単一思考しかできなくなってしまった日本人」の姿があるのではないでしょうか。行き詰まった時に迂回路を模索することが出来ずに、すぐに結論を出してしまうのです。

また、それは国際舞台での日本の政治能力の低さの原因でもあるでしょう。
多様な思考力、視点、感性はバランス感覚の基礎なんですが、日本人はそれが非常に弱いのです。危機管理能力の低さもそこから来ています。

ちなみに本当のユーモアはそのバランス感覚から生まれます。ですから、 ユーモア上手な人はバランス感覚にも優れています。 でも、そういうユーモアが(文化としては)日本にありません。ちなみに「おやじギャグ」はユーモアとは別のものです。

多様性を持たない文化、思考、制度は管理がしやすい反面非常にもろいのです。
また、多様な視点、多様な考え方を持っていない人は簡単に洗脳されてしまいます。今の日本の状況から言えばマスメディアを操作すればアッという間に大部分の日本人を操作できてしまうでしょう。そして、実際操作されています。

日本人はいっぱい選択肢があれば自由だとか、多様だとか考えているのかも知れませんがそれはいっぱいアトラクションがある遊園地と同じです。自由に見るもの、遊ぶものを選ぶことができるので自由だと感じますが、自分が遊園地という檻の中に閉じこめられていることには気付きません。

その選択肢そのものを自由に創り出すことができる能力、そしてその状態こそが自由で、多様性が存在している状態なんです。
そして、その能力がないと道を誤ります。

だから、子育てや教育の現場では、「考える楽しさ」、「工夫する楽しさ」、「対話する楽しさ」、「みんなと協力して一緒に活動する楽しさ」を伝えてあげて欲しいのです。
その楽しさを知った子は、色々な視点から物事を考えることが出来るようになるでしょう。

また「生きる楽しさ」にも目覚めるでしょう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.05.16 09:05:05
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
X

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: