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森の声@ Re[3]:「体験格差」(子どもの育ちに必要な体験について)(11/04) めげぞうさんへ >これからどうなって行…

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森の声

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2024.11.19
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カテゴリ: カテゴリ未分類
昔の人は「失敗は成功の母」というようなことを言いました。それは人間は試行錯誤を通して成長する生き物だからです。

ロボットを作る時にはその動かし方において二種類の方法があります。一つは予め必要とされるデータを全て記録しておき、何らかの出来事と遭遇した時にはそのデータ中から適合するデータを選択し、さらにそのデータを元に予めプログラミングされた動きを行うというタイプのものです。

このようなロボットの場合は一対一対応で、同じ状況ではいつでも同じ行動をします。そして、全体的な状況を判断することが出来ません。

人が前に来たら「こんにちは」と言って握手するようにプログラミングされたロボットは、その相手が握手を拒否しても同じ行動をします。相手や状況に合わせて自分の行動を変化させるということができないのです。ですから同じ間違いを何回も繰り返します。間違いから学習することが出来ないのです。

このようなロボットには絶対的な「正解」があり、その正解以外の反応は出来ません。その「正解」以外の行動をするようになった時には、そのロボットは「壊れた」と判断されます。人間でも、時々それに似た状態の人がいます。

その「正解」はプログラムを作った人が決めた正解です。そのプログラムを作った人はそのロボットが遭遇するであろう状況を予め想定してプログラムを作ります。でも、どんなに優秀なプログラマーであろうと、そのロボットが遭遇するであろう全ての出来事を正確に予想するなどと言うことは出来ません。それが出来たら神様です。

ですから、予めロボットの活動に制限を加えることでそのような不測の事態を避けようとします。それでも万が一、予測不能な出来事が起きたら事故が起きてしまう可能性があるので、すぐに動きを止めます。そのため、ロボットの動きから目を離すことができません。それでいつでも「モニター」をすることになります。

工場などで働いているロボットなどにはこのタイプのロボットが多いようです。工場はいつも同じ出来事の繰り返しで動いているわけですから、このタイプのロボットが丁度いいのです。むしろ、ちゃんと同じことをやってくれないと困るのです。
お役所の人はよく「前例がありません」という言葉を使うようですが、お役所の人もこのタイプのロボットと似ています。

でもそれは、生きている人間を相手にするやり方ではありません。
人間を相手にするロボットはこれでは困まるのです。人間の場合は相手がどんな反応をするのか予測が出来ないからです。
ですから、人間を相手にするロボットには、相手の状況に合わせて自分の動きを変えていく柔軟さが必要になります。それを「学習型のロボット」といいます。

その時に必要なデータは「予めプログラマーが作り与えたデータ」ではなく「自ら学んだデータ」です。その際「失敗」は非常に大切なデータになります。その失敗から学ぶことで、より自由度と精度を上げることが出来るからです。

ロボットに卵をつかんで持ち上げさせるという動きをさせるとします。でも、最初は石を持つようにつかんでしまい、割ってしまうでしょう。でも、卵が割れてしまったらロボットはその状態をフィードバックさせて、自分の動きを変えて再挑戦します。それを何回か繰り返して、適切な力加減を学んでいきます。
そうすると、もう卵を割らないで持ち上げることが出来るようになります。

このタイプのロボットにおいては、「失敗」はデータを集めるために欠かせない大切な行為なんです。そして、失敗から学ぶことで、様々な状況において柔軟に能力を発揮することが出来るようになるのです。

でも、予めプログラミングされているロボットの場合は、プログラマーがそのような状況を想定してプログラムを作っているのなら最初から失敗せずに卵を持ち上げることが出来ます。でも、卵以外のものには対処することが出来ません。

この両者のタイプのロボットに一つの制限を加えます。それは「失敗を許さない」という制限です。

人間の場合なら、「失敗は罪だ」「失敗したらダメな子だ」という価値観を植え込むことでこの制限を掛けることが出来るようになります。
そのダメ度度合いを調べるのに最適な方法が「減点法」という方法です。日本の教育では一般的なあれです。

すると、失敗の繰り返しによって学んでいる「学習型」のロボットは何にも出来なくなり、無能なままになります。潜在的な能力はあるのですが、その能力が開発されないままになってしまうのです。

それに対して、行動パターンが予めプログラミングされているロボットの場合は、失敗しないのでその能力を発揮することが出来ます。

ですから、このような制限のある状態ではプログラマーの指示通りに動くロボットが「良いロボット」ということになります。

でももし、全てのロボットが最終的にはプログラマーの管理から離れなければならないように運命づけられているのだとしたら、どういうことになるのでしょうか。

そして、人間の子どもはみんな親や、先生や、学校から離れて生きていかなければなりません。そんな時、失敗が許されない子育てや教育を受けた子は、身動きが取れなくなってしまうのではないでしょうか。

「親ガチャ」という言葉は「失敗が許されない社会」だからこそ生まれた言葉だと思います。
失敗が許されない社会では、初期値で結果が決まってしまうのです。





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Last updated  2024.11.19 08:28:57
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