1.) さみしがりや の クマさん
森のクマさんは、とてもさみしがりや、
友だちが いなかったの・・・
友だちが ほしいなあと、いつも 思っていたのですが、
リスくんは、チョロチョロ しすぎるし・・・、カラスさんは、
ギャア ギャア うるさすぎるし、・・・ ヘビさんは、
ニョロニョロ していて 気持ちが 悪いし・・・
みんな ぼくには 合わないなあ、
と、心の中で つぶやいていました。
でも クマさんは、友だちが 欲しかったのです。
ある はげしい 嵐の日の ことでした。
雨と風に、樹木は激しくゆれていました。
クマさんは、足をすべらせて ころんでしまいました。
足は 痛いし、お腹は 空くし・・動けなくなってしまい、
エーン、エーンと 泣いていました。
カラスさんが、クマさんを 見つけました。
困っている クマさんを 助けようと、大きな声で 鳴きながら、
森の 友だちに、助けを たのみにゆきました。
やって 来た ヘビさんは、
きずぐちに よくきく薬草を もっていました。
リスくんは、きずぐちに 薬を
やさしく ぬってくれました。
クマさんは、さっきよりも、もっと
大きな声で なきました。
きずの 痛みは もうありませんでした。
それでも、目に いっぱい 涙をためて、
泣いてしまったんです。