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2008年10月22日

サラエボの花

(6)

テーマ： DVD映画鑑賞(14236)

カテゴリ：ボスニア・ヘルツェゴヴィナ映画

２００６年　　ボスニア・ヘルツェゴヴィナ／オーストリア／ドイツ／クロアチア　
ミリャーナ・カラノヴィッチ　　ルナ・ミヨヴィッチ　　レオン・ルチェフ　　

ストーリーは、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの首都サラエボのグルバヴィッツァ地区。女性たちの集団セラピーに通いながら12歳の娘サラと２人で暮らしているシングルマザーのエスマ。生活は苦しく、子どもがいることを隠してナイトクラブで深夜まで働く日々。一方、父親がシャヒード（殉教者）であることを誇りに思っている活発な少女サラは、サッカー中のケンカがきっかけとなり、同じシャヒードの遺児、サミルと友情を深めていく。そんな中、サミルから父の最期を訊かれ、何も答えられなかったサラは、父のことを話そうとしないエスマに、次第に不満を募らせていくのだったが…。　　

第二次世界大戦後のヨーロッパで最悪の紛争となったボスニア・ヘルツェゴヴィナの内戦によってもたらされた深い爪痕に苦しむ母娘の再生と希望の物語を描く衝撃と感動のヒューマン・ドラマ。
終戦までに死者２０万人、難民が２００万人発生したと言われてるこの紛争なんですが、その他にも心に傷を負った人は数え切れないはずです。
この映画の主人公エスマも、紛争によって心と体に傷を負った女性で一人娘サラのために頑張って働いています。
心に深い傷を負った女性達がセラピーで自分の忌まわしい過去を告白するシーンがあるのですが、紛争というもので女性や子供がどれぐらい酷い被害にあったのかリアルに伝わってきたのでショックでした。
エスマは過去の事を話す事が出来ずに心の奥に過去を閉じ込めて生きているけど、彼女の娘はエスマの辛さを理解出来ずに反抗的な態度をとります。
自分の父親が誰かを知りたい気持ちは理解出来るけど、それを知ったところで環境が良くなるとは思えないのが辛いですね。
娘との衝突でついに堪忍袋の緒が切れたエスマは衝撃の告白をするのですが、あまりにも衝撃的で改めて紛争の醜さを知らされました。

この映画では紛争の傷跡が未だに市民の日常生活に根深く残り、そして支配しているのかを伝えてました。
戦争シーンがない映画なんですが、それでも紛争の悲惨さやその後の後遺症などが良く描かれていたと思います。
女性の方が観た方が男性よりもエスマの子供に対する深い愛など理解出来るはずです。
かなり重たい映画ではあるけど、観て損はしない映画です。

評価（3.8）

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最終更新日 2008年10月22日 23時36分17秒
コメント(6) | コメントを書く

■コメント

Re:サラエボの花(10/22)

reinky さん

この映画知りませんでした。ボスニアの戦争後の人々の心のおはなしなんですね。
あつぼう～さんが書いてる戦争の映画日記を読むたびに思うけれど、戦争って戦争自体で体に傷がついたり死んでしまったりするけど心につく傷の方が深くて人間自体を変えてしまいますよね。
心の傷って内に込めてないで少しでも外に出した方が傷が浅くなるっていいますね。告白シーンはつらくてもみんなで話すことでお互いの傷が少しでも癒されるんでしょうね。
見たいので放送されたら録画して見ますね。
(2008年10月23日 12時26分27秒)

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Re:サラエボの花(10/22)

シナモンヤミーさん

私もこの映画、知りませんでした。
ボスニア・ヘルツェゴビナで内戦があったことは知っていても
なぜ内戦になったか、同じ国内なだけに、どれだけ悲惨だったかなど
あまり情報がないですよね。

オリンピックの開会式で、「内戦終結後、初出場です」とか
「この国はいまだ内戦が続いてますが・・・」とか
アナウンサーがコメントしてて
「よく来たね！！がんばって！！」と、ジワジワきながら見てました。

この映画、必見ですね。
(2008年10月23日 16時35分04秒)

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Re:サラエボの花(10/22)

りらっくままハッシー!^o^ さん

話を読んでるだけでも、かなり心に迫ってきそうな内容ですね。
ＷＯＷＯＷで放送したら観ようと思いました。
ちゃんと覚えておかないとなぁ～☆
ちなみに、コレはあつぼうさんは何故チョイスしたのですか？
(2008年10月23日 21時17分41秒)

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reinkyさん

あつぼう～さん

ボスニアの紛争が残した傷跡を母と娘をとおして描いてる映画でした。
戦争映画を観るたびに、その戦争がもたらした被害というものを考えてしまいます。
結局何の罪もない女性や子供達が被害にあい、その傷跡が幸せな家庭を壊してしまいますよね。
告白する事によって痛みをみんなで分かち合おうって感じやったけど、実際に被害にあった人でないとこの気持ちって理解出来ないんでしょうね。
凄く重たい映画やけど、色々と考えさせられる良質の映画でした。
放送されてたら是非観て下さいね。
(2008年10月25日 01時15分48秒)

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シナモンヤミーさん

あつぼう～さん

日本人にとってボスニアでの紛争は遠い国の話って感やったからこの紛争を詳しく知ってる人は少ないでしょうね。
だからこそこういう映画の存在って大切やと思います。
オリンピック期間中もロシアとグルジアなどが紛争をしてたけど、両国の選手達は表彰台で抱き合って反戦をアピールしてましたね。
あのシーンは感動しました。
是非この映画は観て欲しいです。
(2008年10月25日 01時18分04秒)

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りらっくままハッシー!^o^さん

あつぼう～さん

テーマが凄く重たいのですが、この映画を観る事によって戦争の愚かさを再確認出来たらいいなって思います。
ＷＯＷＯＷなら必ず放送しそうな映画なんで放送されたら是非観て下さいね。
あつぼうはたまにミニシアター系の映画が観たくなるのですが、ツタヤに行った時にミニシアター系の映画のコーナーがあってそこでこの映画を見つけました。
ジャケットの裏のストーリーを読んだら凄く観たくなってこの映画をレンタルしました。
(2008年10月25日 01時20分43秒)

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