レオナは外見だけを見ているとなんだかフォクシーレディみたいで、当節の若いイケイケねーちゃん的に見えたのに、中身が意外にそうではなかったところも、後になって彼女に注目し始めた理由の一つだ。 歌っている時に力がはいった時に思わず出てしまうオバサン的な身振りや、しゃべらせてみるとこれがまた、最近はなかなか巷間でお目にかからないくらいの引っ込み思案だったりで、決勝以降の彼女を追いかけてみているのが結構おもしろかったとは言える。 彼女の歌が好き、とは最初は言えなかったのではあるが、毎週聴いていくうちに、彼女なりの覚悟ができたというか何かの眠りから覚めたように、彼女が階段を一段ずつ昇っていくのがわかる気がした。 審査員が何度も彼女に「You can do no wrong!」と言っていたのが印象的だったのだが、つまり「アナタのやることで、まかり間違っても失敗することはない」という褒め方だ。 その上、時々、審査員から「うーん、ちょっと今日はマライア・キャリーの(ホイットニー・ヒューストンの)真似っぽかったね」と言われていたこともあったが、考えてもみてほしい、普通の一般の人間が真似しようと思ってマライア・キャリーの、ホイットニー・ヒューストンみたいに歌えるものか。
そういうことで、今年のシリーズ開始当初から、我が家では注目度はゼロに近かったレオナではあったが、私は彼女の歌に2回泣けた。 それがこの2曲。 「Summertime」 「Sorry seems to be the hardest word」 1曲目の「Summertime」は、この歌、こんなにいい歌だったのかと初めて聴き惚れたし、たくさんの歌手が歌っているが、レオナの歌の解釈は素晴らしかったと思う。 それに2つ目のエルトン・ジョンのこの曲、今、ここに貼り付けるURLを探すのにもう一度見て、また泣けた。 「胸を締め付けられるような」というのはこういうことを言うのではないかと思う。 2コーラス目以降の彼女の歌の運びは圧巻だ。