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2023.10.19
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カテゴリ: 報徳記を読む


巻之六【3】先生上牧某を教諭す

上牧曰く、
一藩の人情誠に先生の明察の如し。
我多年之を憂ふるといへども如何(いかに)ともすること能はず。
今我が行ひを以て一藩の卑心(ひしん)を解(かい)することを得(え)ば上下の幸(さいはひ)何事か之に如(し)かん。
其の道なるもの如何(いかん)。
先生曰く、
其の道他にあらず。
惟(たゞ)子(し)の恩禄を辭(じ)せん而已(のみ)。
其の言に曰く、
今國家(こくか)の窮困(きゆうこん)既に極れり。
君艱難を盡(つく)し玉ふといへども臣下の扶助(ふじよ)全からず、
一藩の艱難も亦(また)甚しといふべし。
某(それがし)大夫(たいふ)の任にありて上(かみ)君の心を安(やす)んずることあたはず、下(しも)一藩を扶助すること能はざるは是(これ)皆不肖(ふせう)の罪なり。
今二宮の力を借り以て衰國(すいこく)を再興せんとす。
先づ恩禄を辭(じ)し聊(いささ)かたりとも用度(ようど)の一端を補ひ、無禄にして心力(しんりよく)を盡(つく)さんこと某(それがし)の本懐(ほんくわい)なりと主君に言上(ごんじやう)し、一藩に告げて以て禄位(ろくい)を辭(じ)し、國家(こくか)の爲(ため)に萬苦(ばんく)を盡(つく)す時は衆臣(しゆうしん)必ず曰(い)はん。
執政(しつせい)國(くに)の爲(ため)に肺肝を碎(くだ)き再復の道を行ひ、恩禄を辭(じ)して忠義を勵(はげ)む。
然るに我輩(わがともがら)國家(こくか)に力を盡(つく)さずして空しく君禄(くんろく)を受く。
豈(あに)之を人臣(じんしん)の本意(ほんい)とせん。
僻令(たとひ)禄の十ヶ(が)一を受(う)くるも大夫(たいふ)に比すれば過(す)ぎたるにあらずやと。
積年の怨望(ゑんぼう)氷解(ひようかい)し、始めて素餐(そさん)の罪を耻(は)づるの心を生じ、日々活計(くわつけい)の道に力を盡(つく)し、他を怨みず人を咎めず、如何(いか)なる艱苦をも安んじ、之を常とし之を天命とし、婦女子に至るまで其(そ)の不足の念慮を去らん。
然らば則ち一藩を諭(さと)さずして當時(たうじ)の艱難に安んじ、忠義の一端をも勵(はげ)まんとするの心を生ぜん。
是の艱難の時に當(あた)り大夫(たいふ)たるもの上下の爲(ため)に一身を責めて人を責めず大業(たいげふ)を行ふの道なり。
然して惟(たゞ)之を行ふ事のあたはざるを憂ひとせり。
此の道を行はずして人の上に立ち高禄を受け、辨論(べんろん)を以て人を服せしめんとせば、益々(ますます)怨望(ゑんぼう)盛んにして國家(こくか)の殃(わざわひ)彌々(いよいよ)深きに至らん。
何を以て衰國(すいこく)を擧(あ)げ上下を安んずることを得んや 
と。
上牧某(なにがし)大いに此の言(げん)に感激して曰く、
謹(つゝしみ)て教へを受け直ちに之を行はんと云ふ。
下館(しもたて)に歸(かへ)り此の事を聞(ぶん)し速(すみや)かに恩禄三百石を辭(じ)したり。
微臣(びしん)大島某(それ)小島某(それ)なるもの此の事を聞き感動し、二人共に自俸を辭(じ)し無禄にして奉仕せり。
先生之を聞きて曰く、
上(かみ)これを好むときは下(しも)之より甚(はなはだ)しきものあり。
上牧(かみまき)一度非常の行ひを立つれば兩人(りやうにん)亦(また)此の事を行ふ。
古人の金言(きんげん)宜(うべ)ならずや。
是(これ)に於て上牧大島小島三人一家(いっか)扶助の米粟(べいぞく)を櫻町より贈り、其の艱苦を補ひたりと云ふ。

上牧は言った。
一藩の人情は誠に先生が明察されるとおりです。
私は多年にわたってこれを憂えておりますがいかんともすることができません。
今私の行いによって一藩の卑しい心を解消することができるならば上下の幸いはこれにまさるものはありません。
その道とはどのようなものでしょうか。
先生は言われた。
「その道は他でもありません。
ただあなたが恩禄を辞退するだけです。
そのときこのように言うのです。
『今、国家の困窮は既に極っています。
君は艱難を尽くされておられます、臣下の扶助を完全に行うことができない状態です。
一藩の艱難もまた甚しいというべきです。
私は家老の任にあって上は君の心を安らかにすることができず、下は一藩を扶助することができません。
これすべて私の不肖の罪です。
今、二宮の力を借りて衰国を再興しようとしております。
先ず私が恩禄を辞退していささかなりとも必要な資財の一端を補い、無禄で心力を尽すことが私の本懐です。』
このように主君に言上し、一藩に告げて禄位を辞退し、国家のために万苦を尽くす時は衆臣必ず言うでしょう。
『ご家老は国のために肺肝を砕いて再復の道を行い、恩禄を辞退して忠義を励もうとされている。
しかるに我等は国家に力を尽くさないで空しく君禄を受けている。
どうしてこれが人臣の本意としようか。
たとえ禄の十分の一を受けてもご家老に比べれば過ぎたものではないか。』
積年の怨望は氷解し、始めて無駄に食事をしている罪を恥じるの心が生まれ、日々活計の道に力を尽くし、他を怨まず人を咎めず、どのような艱苦をも安んじて、これを常としこれを天命として、婦女子に至るまでその不足の念慮を去ることでしょう。
しからば則ち一藩を諭さなくても現在の艱難に安んじ、忠義の一端をも励もうとする心を生ずるでしょう。
この艱難の時に当たって家老たるものが上下のために一身を責めて人を責めず大業を行うの道です。
しかしてただこれを行う事ができないことを憂いとします。
この道を行わないで人の上に立って高禄を受け、弁論で人を服さしめようとすれば、ますます怨望が盛んになって国家の災いはいよいよ深くなることでしょう。
どうして衰国を挙げて上下を安らかにすることができましょうか。」
上牧は大いにこの言葉に感激して言った。
「謹んで教えを受け直ちにこれを行いましょう。」
下館に帰ってこの事を主君に告げて、すぐに恩禄300石を辞退した。
微臣の大島という者と小島という者がこの事を聞いて感動し、二人ともに自俸を辞退して無禄で奉仕した。
先生はこれを聞かれて言われた。
「上がこれを好むときは、下はこれより甚しきものありという。
上牧が一度非常の行いを立てたら両人がまたこの事を行う。
古人の金言はなんともっともなことであうことか。」
そこで尊徳先生は上牧、大島、小島の三人に一家を扶助する米粟を桜町から贈って、その艱苦を補われたという。



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最終更新日  2023.10.19 06:00:13


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