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2023.10.24
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カテゴリ: 報徳記を読む
【4】先生下館の分度を定む

尊徳先生は下館藩の過去10年の租税を調べ、その中をとって、過不及がない所の分度が既に定まった。
しかし年々3万余両の負債の利息の償還だけで2千余両にもなっていた。
このために租税の過半を失っていた。
先生は家老以下にこう言われた。
「年々負債の利子のために多数の米金が消え、何十年をへて幾万金を出してもその利息を補うだけで、元金の3万は少しも減らない。
しかも用度に節度がなく、雑費は増倍し、なお借金でこれを補おうとしている。
このようにして歳月を送るならば、ついに国の租税で負債の利息に充てても足らないようになるであろう。
そうであれば、2万石という名があってもその実は既に亡国に異ならない。
実に嘆かわしいことではないか。
一日も早くこの大禍を除かなければ、後で後悔しても及ばない。
しかして今この大患を除こうとするに、何か他に方法があろうか。
ただ上下が「艱難に素して艱難に安んじ」内を節約してこの憂いをなくすだけである。
しかるにいながらにして艱苦を免れようと私に請求しても、私が他国の租税を取つて、下館の不足を補うことはできない。
また借金を踏み倒して下館の憂いを除くこともできない。
また私の区々たる微力で、諸侯の不足を年々補うことはできないのはもとより論を待たない。
しからば大小各々節倹を行って艱難を凌ぎ、上下一致して丹誠を行うよりどのようにして憂いを除く方法が他にあろうか。
もし敵国が兵を挙げて下館領を攻撃することがあれば、一藩これを傍観して国の滅亡を待つであろうか。
あるいは一身をなげうって粉骨して苦戦をつくして国を全うしようとするだろうか。
国が危い時に当たって国のために命を棄てることは、もとより人臣の常道であって誰であろうと憤激戦闘の労をつくさないものはない。
しかるに今、借金のために領中の多くの租税を失い、君主がこのために安心できない、臣下もまたこのために困窮に迫られている。
事は異っているようだが、紛乱の世に当たって、敵のために領中をうち取られることに変わりがあろうか。
しかるに手をつかねて年を送るならば、一国を失ったのと等しい大害となろう。
このような危い時に当たって、一藩が身命をかえりみず国の再復に心力をつくすのが人臣の常道ではないか。
しかるにこれを憂えず、ただ目前の扶助の不足を憂えて、国家に生じない米粟を豊かに受けることを望めば、どうしてこれを忠としようか義としようか。
惑いの甚だしいものといわないわけにはいかない。

およそ国家の衰弊が極まる原因は君主が君主の道を失い、臣下が臣下の道を失うためである。
これを再復しようと欲する時は、君主は群臣に先立って艱難をつくし、臣下は恩禄を辞退し、自己の勤労を以て活計の道とし、上下一致し力をあわせ国の憂いを除く時には、たとえ何十万の借金があろうとも償却すること十年を待つことなく皆済できるであろう。
このようにして上下の永安を得るに至るならば、君臣が共に「艱難に素して艱難を行っている」といってよい。
しかしてこれを戦争や粉骨砕身の苦労に比べれば、なおやさしいことは同日の論を待たない。
どうして成し難い事があろうか。
たとえ衰えた時代の人情であり、君主の扶助を残らず辞退し、この事を成しとげることができないないとしても、国の米粟が減少して扶助の米金もなく、他の財を借りてこれを渡し、このために歳月を経過すれば国は危亡に瀕するであろう。
しかして恩禄を受けて自ら安んじているようであれば、また災難も甚しいであろう。
君主も国家の憂いを増長して一藩を扶助しようとするのは君主の過ちである。
たとえ君主が過ってこのようにされるとしても、臣下がどうしてこれを受けるべき道が有ろうか。
これを君臣ともに至当の道を失っているといって間違えているか。
今、国の患いを消除する方法は他にない。
君主がこの道理を明かにして一藩に示し、国になきものを取ろうとするの心を改めて、艱難の天命に随って大借を皆済すれば、必ず艱難を免れることは疑いない。
この故に借債一年の利息に出すものを上下の用度に配して、その減少分を計算するに平均分度のうち二割八分の減に相当している。
これは自然の天命であって人の作ったものではない。
この減数を君の用度一藩の扶助を制し、その余は決して得るべきの道がない事を明らかにし、艱難をつくし年々利息を送るならば、三万両の借債は減らなくても、毎年に増借する災いは免れるであろう。
もしこの自然の分度に安んずることができなければ、国家の一粒の出所がなくなるまでにならなければ止むことがないであろう と教誨された。

家老以下大いに先生が明示された至当の論に感激し、この事を実施しますと言った。
下館に帰り先ず君主に報告し、次に一藩に示して減少当然の用度を立てることができた。
分度は既に定り、一藩艱難に対処して行った。
家老以下再び桜町に来てこれを先生に告げた。
先生は喜んで言った。
「下館の上下が天命を知り、その本は既に定った。
この時に当たって負債償却の道を設けなければならない。」
ここに数日、先生は沈思黙慮されて遂に数巻の書を作成し、これを家老以下に示して言われた。
「今、君臣ともに艱苦に安んじ年々利息を支払う道は備ったが、元金の三万両はいつまでたっても減ずることができない。
減じない時は国の患いは消除する時がない。
しかれどもこれを減じようとしても一金の出所もない。
やむを得ず、元金が減少する道を考慮したがここに一つある。
来年亥年の正月二月の両月の国用、米財私が仕法の米金を贈ってこれを補おう。
七八両月の米財は下館の市井の富商が常に君家の用財を弁じてきたもの八戸にて之を補わせよう。
また、宗家の石川候は慈仁であって憐恕の心が深い。
今、下館の君臣が艱難をつくし旧来の衰弊を挙げて永安の政を行おうとしていることを具陳すれば、必ずや補助をなしていただけるであろう。
しからば三四五六の四ヶ月の用財を補っていただくようお願いしなさい。
下館が再復すればその時に至って本家並びに商家の出財を償うことも甚だ易しいことだ。
このようにして当戌年に下館領村の租税で借債を償うがよい。
しからば元金の莫大なるのを減じて、従来の利息の支払で消えていたもののうち、多くの財を余らすに至ろう。
これを以て毎年元金を償うならば、ついに三万両の借債を償却することも困難ではないであろう。」
家老以下、尊徳先生の仁にしてかつ大知なることを感歎して、大いに悦んでこの事を詳しく本家に伝えた。
本家は先生の誠意を感じて四ヶ月の用財を贈られた。


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「ツキを呼ぶ魔法の言葉」は、言葉の使い方の教科書です。
また自らの潜在意識をコントロールする方法を教えるものです。


イスラエルのおばあさんが説いた「言葉の使い方」は、生涯、実践すべき大切な教えだと思います。
1 決して怒ってはいけない。(p.20-21)
2 一人でいるときも、絶対に人の悪口を言っちゃダメよ(p.20)
3 汚い言葉を使ってはいけない。きれいな言葉を使いなさい。(p.20)
4 (1) 嫌なことがあるときに「ありがとう」と自分に言いなさい。
 (2) 良いことがあったら「感謝します」と言いなさい。
 (3)この言葉がとても便利で、たとえまだ起こっていないことでも、なんの疑いもなく不安も心配もなく、力まずに自然とそう思い込んで、言い切っちゃうと、そうなる可能性が高まる。(p.18-19)





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最終更新日  2023.10.24 00:00:30


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