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2023.10.29
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カテゴリ: 報徳記を読む
報徳記

巻之六【6】奥州相馬中村領盛衰之概略

草野某(それ)大才ありて度量人に超え内(うち)仁心ありて外(そと)方正也(なり)。
常に言ひて曰く、
我が祖先以來(いらい)君恩を蒙(かうむ)る事高山(かうざん)も比(ひ)し難(がた)し。
國家(こくか)艱難の時に當(あた)り再復の命を受け、此の大業を擧(あ)ぐるに尋常の覺悟(かくご)を以て成る可(べ)き事に非(あら)ず。
我が輩(はい)の如き兩(りやう)三人も身命(しんめい)を棄てずんば成るべからず。
智計の及ぶ所にあらず。
唯(たゞ)死を以て國家(こくか)に報ぜん而已(のみ)と。
人之を聞て其の誠忠を感歎せり。
池田某(それ)才學(さいがく)衆人に超過(てうか)し、加之(しかのみならず)明斷(めいだん)遠慮(えんりよ)あり。
大小の事通達(つうだつ)せざるはなし。
改正の規則既に定まる。
君(きみ)兩人(りやうにん)の忠義を察し同じく大夫(たいふ)と爲(な)して國政(こくせい)を任じ玉ふ。
年々貢税の六分の一を省(はぶ)き之を以て領民を撫育(ぶいく)し、或(あるひ)は堤(つゝみ)を築き用水を保ち、古來(こらい)用水路の大破を修復し新用水堀を鑿(ほ)り、堰(せき)を掛け以て開田の資(し)となし、他邦の氓民(ぼうみん)を招き家作(かさく)を與(あた)へ農具米粟(べいぞく)を與(あた)へ開墾せしめ、税を免(ゆる)すこと二十年或(あるひ)は十五年又は十年を以て期(き)となし、年限滿(み)ちて然(しかる)後(のち)貢税を納めしむ。
又(また)養育料を與(あた)へて貧民の赤子(せきし)を養育せしめ、數(すう)十年の用費擧(あ)げて數(かぞ)ふべからず。
荒地を開くこと幾千町(ちやう)、新戸を立ること二千軒に及べり。
且(かつ)累年の負債之を償ふべきの財なきを以て、或(あるひ)は約(やく)するに改正成つて後之を償はんとし、或(あるひ)は年々幾許(いくばく)を償ひ年數(ねんすう)を經(へ)て償ひ盡(つく)さんとし、又は無利息年賦(ねんぷ)の償(しやう)を約(やく)し、一々誠意を主として談ずるに艱難の實事(じつじ)を以てす。
富商其の實忠(じつちゆう)を感じて往々(わうわう)其の約束に隨(したが)ふ。
是を以て負債三十萬(まん)と雖も大略其の償道(しやうだう)備(そな)はれり。
是れ兩(りやう)大夫の誠忠に由(よ)る所なり。
非常の艱苦を盡(つく)すこと十年、頗(すこぶ)る其の潤色(じゆんしよく)顯(あらは)れたりと雖も、積年の衰弊(すゐへい)容易に復古(ふくこ)に至り難く、加之(しかのみならず)天保巳申(みさる)兩(りやう)年の大飢(だいき)天明度(ど)の凶荒(きようくわう)の如く、下民(かみん)食を得る所なく飢渇に迫り、高山(かうざん)に登り、木實(もくじつ)を拾ひ草根(そうこん)を掘りて食(しょく)となす。

此の時に當(あた)り文化改正の後、上下(じやうげ)艱苦を盡(つく)し有餘(いうよ)を生じ、非常の用に充(あつ)る所の米財(べいざい)悉(ことごと)く之を散じ、一藩以下農工商に至るまで一人(にん)一日(にち)二合(がふ)五勺(しやく)の食を與(あた)へ其の飢渇を凌(しの)がしむ。
國(くに)の米粟(べいぞく)猶(なお)足らず人をして出羽(では)の國(くに)秋田へ趨(はし)らしめ粟(ぞく)を求むること幾千、攝津(せつつ)の國(くに)大阪に於(お)いて米を求むること幾千、蒼海(さうかい)を運送せしむ。
天幸(てんかう)を得て海上無事に中村に着船し、此の米粟(べいぞく)を散じて撫育(ぶいく)の道を行ひ飢亡の憂(うれ)ひを免れたるは是(これ)亦(また)兩(りやう)大夫(たいふ)の誠忠に由(よ)つてなり。
初め巳(み)年の飢饉に當(あた)り領民撫育の爲(ため)に、積年艱難の中(うち)より積み立たる儲蓄(ちよちく)を散じ一民の飢渇なからしむ。
豈(あに)圖(はか)らんや再び申(さる)の大飢(だいき)至らんとは。
實(じつ)に申の凶荒に當(あた)りては米粟(べいぞく)空乏(くうぼふ)如何(いかに)ともすべからず。

隣國(りんこく)遠國(えんこく)共に流民餓ヒヨウ(がへう)數(かぞ)ふべからず。
然るに中村領民而已(のみ)此(こ)の大患(たいくわん)を免るもの豈(あに)仁術の至る所と謂(い)はざるべけんや。
然りと雖も兩(りやう)年飢歳(きさい)の爲(ため)に積功(せきこう)斯(こゝ)に空(むな)しくして、再び艱難の地に迫れり。
彌々(いよいよ)節儉(せきけん)を行ひ領中再盛の施政怠らず。
然して文化度(ど)改正の時は、十年にして衰廢(すいはい)を擧(あ)げんとせしも年(とし)經(ふ)るに及んで未だ半途(はんと)に至らず。
草野大夫(たいふ)既に七十の齢(よはひ)を越え池田大夫も亦(また)五旬(じゆん)を越えたり。
一世の力(ちから)初願を達する事の能(あた)はざるを憂勞(いうらう)せり。
天斯(かく)の如く君臣共に國民(こくみん)を惠恤(けいじゆつ)するの誠心を憐れみ給ふ歟(か)。
天保某(それ)年に至り二宮先生撫恤(ぶじゆつ)勸農(くわんのう)の良法を行ひ、不世出の才徳を以て衰廢(すゐはい)再興の道を盡(つく)せりと兩(りやう)大夫(たいふ)に告ぐる者あり。
兩(りやう)大夫(たいふ)これを聞き歎じて曰く、
嗚呼(あゝ)我が輩(ともがら)三十年の間(あひだ)千辛萬苦(せんしんばんく)を盡(つく)すと雖も其の事業半(なかば)に至らず。
先生君(きみ)より委任の土地を擧(あ)げ、大いに仁政を布(し)き餘澤(よたく)他邦(たほう)遠近(ゑんきん)に及ぶもの誠に大徳の賢者に非(あら)ずんば何を以て此(こ)の大業(たいぎやう)を成(な)さんや。
此人に就(つき)て國家(こくか)再興の道を求めば、必ず舊來(きうらい)の志願も亦(また)成るべしと、甚だ悦び君(きみ)に告(つ)ぐるに此の事を以てす。


 草野正辰は、大才があってその度量は人に超え、内に仁心あって外は方正であった。
常にこう言った。
「私が祖先以来、君恩をこうむること高山にも比べがたい。
国家の艱難のときにあたり、再復の命を受けて、この大業を挙げるに尋常の覚悟をもって成るべきことではない。
私のようなともがらが二、三人も身命を捨てなければ成就することはできない。
智慧計略の及ぶところではない。
ただ死をもって国家に報ずるのみだ」と。

 池田胤直は、その才学は衆人に超過していた。
それだけでなく明断、遠き慮りがあった。
大小のことに通達しないことはなかった。

改正の規則はすでに定まった。
君は両人の忠義を察して、同じく大夫(家老)となして国政を任じられた。
年々貢税の6分の1を省いて、これをもって領民を撫育(ぶいく)し、あるいは堤を築き、用水を保って、昔からの用水路の大破を修復して、新用水堀をほり、堰(せき)をかけ、
もって開田の資となして、他の国の民を招いて、家を与え、農具米粟(べいぞく)を与えて、開墾させて租税を免除すること20年あるいは15年または10年をもって期となし、年限満ちてその後に、貢税を納めさせた。
また養育料を与えて、貧民の赤子を養育させ、数十年の費用は挙げて数えることができない。
荒地を開くこと幾千町、新戸を立てること2千軒に及んだ。
かつ累年の負債はこれを償うべき財がないことから、あるいは約束するのに改正が成って後に、これを償わんとし、あるいは年々いくばくを償い、年数を経て償い尽くそうとし、または無利息年賦を約し、
一々誠意を主として談ずるに艱難の実事をもってした。
富商はその実忠を感じて往々その約束に従った。
ここをもって負債30万といえども大略その償還の道は、備った。
これは両大夫(家老)の誠忠によるところである。
非常の艱苦を尽くすこと10年、すこぶるその効果があらわれたといっても、積年の衰弊容易に復古に至ることができない。
それだけでなく天保年中の両年の大飢饉や天明の凶荒のように人民は食を得るものなく、飢渇にせまって、高山に登って木の実を拾い、草の根を掘って食となした。

 この時に当たって文化改正の後、上下艱苦を尽くし、有余を生じて非常の用にあてるところの米財をことごとく散じて、一藩以下農工商に至るまで一人一日2合5勺(しゃく)の食を与えて、その飢渇を凌(しの)がせた。
国の米粟(べいぞく)ではなお足らず、人を出羽の国、秋田へはしらせて、粟を求めること幾千、摂津の国大阪において米を求めること幾千、蒼海(そうかい:青い海)を運送させた。
天幸を得て海上無事に中村に着船し、この米粟(べいぞく)を散じて撫育(ぶいく)の道を行い、飢亡の憂いを免れたのは、両大夫の誠忠によってである。

始め巳年の飢饉にあたって領民の撫育のために積年艱難の中より積み立てた貯蓄を散じて、一民も飢渇させることがなかった。
どうして想像できようか、再び申(さる)の大飢饉が来るとは。
まことに申の凶荒にあたっては米粟は空っぽで、どうともなすすべがなかった。
君は飲食を省いて、什器(じゅうき)を売り払い、お城の木や領内の良木を伐木して、それで他邦の米粟を求めて撫育した。
隣国遠国ともに流民飢え死にする者数えることができないほどである。
それなのに中村領民のみ、この大患を免れたのは、仁術の至る所と言わなければならない。
しかしながら、両年の飢饉のために積功ここに空しくなり再び艱難の地に迫られた。
いよいよ節倹を行い、領中再盛の施政怠らず、そして文化年間改正の時は10年にして衰廃を挙げようとしたが、年を経つに及んで未だ半途に至っていなかった。

草野大夫は、すでに70の齢を越え、池田大夫もまた50を越えた。
一世の力、初願を達する事ができないことを憂慮した。
天はこのように君臣ともに国民を恵む誠心があることを憐れまれたのか。
天保某年に至り、二宮先生が撫術勧農の良法を行い、不世出の才徳をもって、衰廃再興の道を尽くしていると両大夫に告げる者があった。
両大夫これを聞き、嘆じて曰く、

「ああ、私の輩(ともがら)は30年の間、千辛万苦を尽くしたけれども、その事業半ばにも至らない。
二宮先生は、君より委任の土地を挙げて、大いに仁政を布(し)いて、余沢は他国遠近に及んでいる。
誠に大徳の賢者でなければどうして、この大業を成すことができようか。
この人について国家再興の道を求めるならば、必ず旧来の志願もまた成るであろう」と、はなはだ喜び、君に告ぐるにこの事をもってした。
君はこれを聞かれて、大いに嘆賞されて、その良法を得る道を両大夫に命じられた。

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最終更新日  2023.10.29 00:00:16


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