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2023.11.10
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カテゴリ: 報徳記を読む
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報徳記

巻之六【9】草野正辰先生の良法を聞き國民を安撫せんとす

群臣服せずして曰く、
某等(それがしら)の論ずる處(ところ)一己(こ)の私にあらず。
國家(こくか)をして過(あやま)ちなからん事を欲してなり、
今兩(りやう)大夫是非(ぜひ)に此の事を發(はつ)せんとならば、微力(びりょく)之を止(と)むることを得ず。
然れども心服せずして雷同する事は又(また)爲(な)さざる所也。
強(し)ひて用ゐんとせば某等(それがしら)を退け、餘人(よじん)に命じて然る後に此の仕法を行ひ玉ふべし。
某等(それがしら)の知る所にあらずと云ふ。
大夫(たいふ)笑ふて曰く、
子(し)の輩(はい)と共に家國(かこく)を憂ふること既に三十年、今良法を得て行はんとするも、國家(こくか)の永安を願ふが故なり。
積年忠義を瑳(みが)く所の各々を廢して、以て事を擧(あ)げんとするは、豈(あに)是れ我が心ならんや。
先(ま)づ論評の趣きを以て草野へ傳達(でんたつ)せんと云ひて退き、具(つぶさ)に此の事情を書して江都(かうと)に贈り、再び思(おも)へらく二宮不凡(ふぼん)の明哲なること疑ふべからず。
此の人に依り再興の仁術を得ば國(くに)の盛時に復せんこと必ず年を期して待つべし。
然りと雖も群臣の疑惑未だ解(かい)せず、強(し)ひて此の事を決せんとせば、功臣退去の憂ひを免れず。
從容(しようよう)として説諭數(すう)回に及び、一同の惑ひを解(かい)し、其の心服を待(ま)ちて然る後依頼の事に及ぶに如(し)かざるなり。
善を求むる事速やかなるを以て道とすと雖も、諸人(しょにん)の不服を如何(いかに)せんやと。

是に於て數(すう)日役所に出て辯論(べんろん)説解を盡(つく)し衆疑を散ぜんとすれども疑惑盛んにして解(かい)せず、
大夫心中甚だ之を憂ふ。
時に江都(かうと)に於て草野大夫(たいふ)池田大夫の返翰(へんかん)を得て之を閲(けみ)するに衆疑紛々(ふんぷん)として決せず。
一旦に事を爲(な)さば、諸有司(いうし)退くの憂あらん。
説諭を盡(つく)し時を待つには如(し)かずと云々(うんぬん)。
大夫歎じて曰く、

古(いにしへ)より以來(いらい)百世の計を爲(な)すもの、何ぞ凡庸(ぼんよう)と共に謀(はか)ることを得んや。
聖人を知るもの其の知聖所(せいしよ)に至らずんば知る事あたはず。
賢を知る者賢者にあらざれば何を以て其の賢なることを知らんや。
今二宮心に一毫(がう)の私念を存せず。
萬民(ばんみん)を惠(めぐ)むこと天地の萬物(ばんぶつ)を生育(せいいく)するを以て法とせり。
豈(あに)平常のものゝ計(はか)り知る所ならんや。
疑惑元より當然(たうぜん)なり。
然して池田諸臣の心服を待ちて事を爲(な)さんとするは萬全(ばんぜん)の道なりと雖も、之を待つ時は必ず機會(きくわい)を失はん。
文化改正以來(いらい)心力(しんりょく)を盡(つく)すこと斯(こゝ)に三十年、我既に極老(きょくらう)に及べり。
然るに先生に逢(あ)ふて國(くに)の再興明瞭(めいれう)の道理を聞き、之を行はんとするに一日の後(おく)れんことを惜(をし)めり。
此の時に當(あた)りて凡庸(ぼんよう)疑惑の解(かい)するを待たば、所謂(いはゆる)日暮れて路(みち)遠しの譬(たとへ)に均しからん。
早く政教(せいけう)の指揮を二宮に依頼せんには如かざる也(なり)
 と。
直(ただ)ちに筆を操(と)り再び書翰(しょかん)を池田大夫に贈れり。


1人、スローロリス、ダッフルコート、テキストの画像のようです


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最終更新日  2023.11.10 00:00:19


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