MM2022のブログ

PR

プロフィール

MW2022

MW2022

カレンダー

コメント新着

天国にいるおじいちゃん@ Re:打席に入る前に、バットを天にかざして、天国にいるおじいちゃんに『力を貸してくれ』(08/24) 天国にいるおじいちゃんについては、 089…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2024.01.25
XML
カテゴリ: 健康・元気
サラシアの機能
化学と生物 - 日本農芸化学会 - | Vol.59 No.9 | サラシア属植物のヒト消化管に対する作用の解明と新規機能性食品開発
1. サラシアの消化管への作用
消化管におけるサラシアの作用を理解するため,ラットにサラシアエキス末を投与し,小腸粘膜細胞の遺伝子発現変化の解析および糞便の腸内細菌叢解析(T-RFLP法)を行った.その結果, 腸内細菌叢が顕著に変化し多数の免疫関連遺伝子の発現が増加 することがわかった.
さらに,インフルエンザウィルス感染マウスモデルにサラシアエキス末を投与する試験を行ったところ,肺や脾臓のNK細胞活性値が上がりくしゃみや咳の回数が有意に減り,肺の炎症が軽減して組織損傷が顕著に抑えられる結果が得られた.
サラシアのマウスのインフルエンザウィルス感染後の炎症を抑える作用は,その 糖吸収抑制作用により吸収されなかった糖が腸内細菌叢を変化させ,腸管免疫機構を通して,生体調節作用をもつ可能性が示唆 された

2. ヒトの腸内・免疫機能に対する作用
ラットやマウスへの効果検証で,サラシアは腸内細菌叢を変化させることがわかったが,これらの齧歯動物とヒトは摂取する食物や腸内細菌の分布がかなり異なるため,次にヒトでの効果検証を行うことにした.
最初にサラシアの影響を相対的に知るため,ヒトにおいては腸内環境に影響する素材の代表であるヨーグルトとフラクトオリゴ糖との効果比較を行った.それぞれの素材を4週間毎日飲んでもらい1週間ごとに腸内細菌叢解析(TRFLP法)を行ったところ, サラシアを飲んだ人はほかの素材を飲んだ人よりも顕著に腸内細菌叢が変化 しており,特にBiffidobacteriumの比率が摂取前後の比較で上昇していることがわかった.
上記の結果を受けわれわれは,ヒトに対するサラシアの作用をさらに詳細に確認するため,健常成人を対象とした二重盲検試験を実施し,サラシアのヒト免疫および腸内細菌叢に対する作用を評価した.生活習慣が類似した50~59歳の健常男性を対象としたスクリーニングを行い,廣川らが開発した『免疫力測定検査』(6~8)において免疫スコアが低めの参加者30名を選出し,無作為に
2群(サラシア群,プラセボ群)に振り分け,無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間試験を実施した.
プラセボ摂取群との群間比較の結果,サラシア群において,血中のT細胞増殖係数の向上(図2①),CD4+Naïve T細胞の増加傾向(図2②),IL-6の低下傾向,糞便中のBifidobacterium比率の有意な増加(図2③)を確認した.
上記の試験と合わせて実施したヒト血液の遺伝子発現解析では,サラシア摂取により細胞性免疫,特にinterferonシグナリングにかかわる遺伝子の発現が多数増加しており,腸管免疫を通した免疫賦活作用が進んだことが示唆された.
また,炎症関連遺伝子の発現低下も観察された.さらにシーケンサーを用いた腸内細菌叢の詳
細解析から,糖尿病にかかわる菌の変化も確認できた.
以上の結果から, サラシアはヒトにおいても腸内細菌叢の変化を介して,免疫機能調整および糖尿病の予防に作用している可能性 が示された

サラシアはこれまで糖の吸収を抑制することにより糖尿病を予防する素材と考えられてきたが,腸内細菌叢変化を通して免疫機能や消化管の炎症抑制,糖尿病の予防等に関与する可能性が示された.
現在,廣川らの考案した免疫機能評価方法は,多くの食品機能性研究に活用されているが,食品の機能性評価に用いたのは本研究が最初であり,試験系の開発も含めて,免疫に対する食品の機能性評価の先鞭をつけたと考えている.
また サラシアの整腸作用は食べた糖質の一部未消化の部分が腸内環境に影響を与えるため,カテゴリとしてはプレバイオティクス類似 のものだと思われるが,α-グルコシダーゼ阻害による大腸へ送られるオリゴ糖量の増大を伴うため,新しい概念を含んでいると思われる.
腸内細菌叢への影響は大きいが,機序を考えると腸内細菌の栄養状態を変えることで分布に変化をもたらすものなので,細菌叢の多様性を損なうものではないと考えている.

サラシアは糖の吸収を抑えることで血糖値上昇を抑制 し,さらに 腸内環境を変化させて免疫を活性化させる働きがある ことがわかった.
小腸での二糖類の吸収抑制が腸内細菌叢を変化させる要因の一つであることは,今後の食による予防を考えるうえで重要である.
また,この効果は他の産業動物でも確認されており,たとえば腸の障害の多い競走馬の腸内環境改善や免疫が未熟で発熱しやすい仔馬の体調改善などの研究結果も報告されている.
すでにGI優勝馬を含め競走馬の世界にも浸透してきたサラシアであるが,さらに家畜の肉質改良や生産性向上に寄与する可能性があり検討が進められている





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2024.01.25 04:40:12


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: