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2024.02.12
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――<木谷ポルソッタ倶楽部>――――――――――――――――――――

         ■ルードウィヒ「神々の黄昏」■

――――――――――――――――――――――――<2007/3/27>―――

先日の日曜日、「大分映像センター」に出かけた。
週末の映画鑑賞会に参加させてもらうためだ。
春なのに暗い部屋で映画を見る、これもまた良しだ。

まずトキハの「岩手県の観光と物産展」に出かけた。
ふふふふ、盛岡冷麺を喰らふためだ。
スープ、麺ともにおいしかった。満足だ。
Amazon.co.jp: ルートヴィヒ/神々の黄昏 [復元完全版] (字幕版)を観る | Prime Video
今回の映画は、ルードウィヒ「神々の黄昏」という映画だ。
この映画、私は見ていなかった。
監督のルキノ・ヴィスコンティという名前だけは聞いていた。

映画ファンの間では有名な監督らしい。
「ベニスに死す」だけは見たことはある。
哀しいかな凡人の私にはその良さはわからなかった。

確かに映像は美しかった。

そして、今回のルードウィヒ「神々の黄昏」という映画だ。
四時間を超える長さにまず驚いた。
午後一時に始まり、終わるのは午後五時近くという。

ギョッ、エッ、ゲーエッ、なんという映画なんだろう。



センターに行く。いつもなら観衆は五人程度だ。
それが十人を超えている。女性が多い。
みなさん、映画をご存知なのだろう。

上映の前に、主催の産婦人科の先生がおっしゃった。

「ルードウィヒは国民の税金を使って、城やワグナーなどに浪費した。
 でもそのノイシュバンシュタイン城は、現在、ドイツの観光の核となって
 世界中から大勢の観光客を呼び込み、ドイツ観光のためになっている。
 ルードウィヒの遺産が今に役に立っているということですかな」

映画は、重く暗く展開していく。
ヴィスコンティ特有の映像美が随所に見られる。
ノイシュバンシュタイン城は撮影に協力をしたが
強引な撮影のためにあちらこちら傷つけられたそうだ。

時代は19世紀、若くしてバイエルンの国王となったルードウィヒが
国家から退位を強いられ四十歳で謎の死をとげるまでの
狂気ともいえる孤独な半生を描く。



三年前に行ったノイシュバンシュタイン城が思い浮かぶ。
個人旅行で行ったためかガイドの吉永さんという方が
ルードウィヒの城ばかりを案内してくれた。

中谷さんと吉永さんが真剣に話していたことを思い出す。
ふたりはこの映画と共にワグナーの音楽談義に耽っていたのだろう。

映画を見終わった。拍手はチラホラだった。
そうだよな。拍手をする気が起こらなかった。
最後のキャスティングの文字が流れる中の重い曲が漂う。

う~ん、春の一日、なんという映画を見てしまったのだろう。

映像センターを出た。春の黄昏が迫っていた。

人はそれぞれの運命があり、それぞれの方法で
人生の黄昏を生きていくのだろう。

ああ、おいしいドイツビールが呑みたいなあ。

春が来た。桜が咲いた。うん、今年も、まずは生きていくことだ。

――――――――――――――――――――――――
 人間のためでも、誰のためでもなく、
 それ自身の存在のために自然が息づいている。
 そのあたりまえのことを知ることが、いつも驚きだった。
        (星野道夫著「長い旅の途上」より。
―――――――――――――――――――――――
  ■発 信 者 :木   谷   文   弘
  ■木谷ムラマチ計画研究室

*ルードウィヒ/神々の黄昏(イタリア・フランス・西ドイツ1972)
=1864年、19歳の若さでバイエルン国王となったルードヴィヒ2世(ヘルムート・バーガー)は、作曲家ワグナー(トレヴァー・ハワード)に心酔し国費をつぎこむ。 彼は従姉妹のエリザベート(ロミー・シュナイダー)を恋するあまり、ソフィーとの婚約を破棄してしまう。 やがて、1866年にオーストリアとの戦いに敗れ、ワグナーにも裏切られたルードヴィヒは、失意のどん底に突き落とされ、突如謎の死を遂げる=

ルードヴィヒ2世の生涯を描く壮大なドラマを、イタリアの名匠ルキノ・ヴィスコンティが描いた力作映画。





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最終更新日  2024.02.12 20:01:40


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