みゅうにゃん お散歩日記

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ララニャン@ あらら あらあらビニールシートが大好きみたい。…

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2024年04月03日
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アミは、大笑いをした。
「それじゃまるで善良な極悪人と言っているようなもんだよ」
 ――じゃ、映画に出てくるバットマンやスーパーマンのライバルの、すごく悪い科学者たちはどうなんだろう?--アミはぼくの考えていることをキャッチして笑った。
「その科学者たちは、気かふれているんだよ。インテリなんかじゃなくてね」
「だったら、頭のおかしい科学者のいる世界があって、いつか地球を破壊しようとしていてもおかしくはないだろう……」
「それはちょっと、地球以外では考えられないね……」
「どうして?」
「もし、そのひとの頭がおかしいとしたら、まず、ほかの惑星を侵略するのに必要な科学の水準に達する前に、かならず自分たちで、自分たちのくびをしめるようなことをしはじめるよ。
 だって、爆弾をつくることのほうが、宇宙船や円盤をつくって、ほかの星を侵略するよりも、ずっとかんたんなことだからね。あるていどの科学の水準に達した、でも、やさしさや善意の欠けた文明は、かならずその科学を自滅するほうに使い出すんだよ」
「でも、いくつかの惑星は、それでも偶然生きのびられるかもしれないよ……」
「偶然? それどういう意味? われわれの言葉には、それに相当する言葉がない」
 いろいろな具体例を出して、やっと説明できたとき、彼は笑って言った。
「すべてのものは、みな関連し合って成り立っているんだ。偶然なんてひとつもないんだよ。でも、その連結している法則がどんなものか理解できないでいるか、あるいは、わざとそれを見ないようにしているだけのことなんだよ」
「でも、きみの言うように、もし百万もの世界があるのだとしたら、いくつかの例外があったとしても、少しもふしぎじゃないよ」
 ぼくは、知的な侵略者のいる可能性があると言いはった。
 アミは、なんとかぼくに理解させようとして言った。
「じゃ、ちょっと想像してごらん。もし、すべてのひとが、まっ赤に焼けただれた鉄の玉を、素手でにぎらなければならないとする。その中に、まったく火傷しないですむひとがいると思う?」
「そんなの、みんな、火傷するに決まっているよ。ひとりの例外もなしにね」
「そうだろう。それとおなじことなんだよ。すべての悪玉は、自分たちの悪を克服できないかぎり、けっきょくは自滅するしかないんだよ。だれもこれを支配している法から逃れることができないんだよ」
「その法って?」
「ある世界の科学の水準が、愛の水準をはるかにうわまわってしまったばあい、その世界は自滅してしまうんだよ……」

「アミ 小さな宇宙人」(エンリケ・バリオス、徳間書店)、第2章宙に浮かんだペドゥリート





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最終更新日  2024年04月03日 07時05分03秒
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