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ララニャン@ あらら あらあらビニールシートが大好きみたい。…

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2024年11月03日
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アミ、ビンカ、そしてぼくの三人は、ふたたび円盤に乗って、別の時間空間の中にすべりこんでいった。
 「アミ、これからどこへ行くの?」
 「この銀河系にある何百万もの文明の中から、もうひとつ、おもしろいものを見せてあげるよ。あまり時間はかけられないけど。そのあと、ゴロとクローカのようすを見にいかなければならないからね」
 まどのむこうに、完全にかわききった惑星が見えてきた。ぼくたち地球の衛星の月によく似ていたけれど、もっと赤みがかっていたから、どちらかというと火星に近いのかもしれない。ぼくたちを乗せた円盤は、すさまじいスピードでその惑星の表面に近づいていった。
 「ああ、あそこだ。エクシスの世界だよ。ここにきみたちが見てきたどこよりも、進んだ文明があるんだ」
 アミはさらに円盤の速度をあげて、その惑星のあちらこちらをめぐりはじめた。ひとまわりするのに一分とかからなかったから、すぐにわかった。この惑星には海がないんだ……。
 「ここは生命のいない、かわいた惑星なんだね……」
 アミは上きげんだった。
 「うん、表面には石ころしかない。でも内部には……」
 「この世界の文明は地下の中にあるなんて言わないだろうね……」
 「まさしくそうなんだ、ペドゥリート。この惑星のひとたちみたいな、高い進化水準に達した人類はみんな、文明基盤を地下に移しているんだ」
 ビンカはすっかり興味をひかれたようだ。
 「ということは、アミ。高いところまで進化した人類はもう、惑星の表面には住まなくなるの?」
「もちろんさ。だって惑星内部のほうがずっと安全だもの」
「どうして?………」
「サリャーサリムとおんなじ理由だよ。まず、惑星内部には、太陽の紫外線や放射線みたいな有害物質がとどかないし、隕石がぶつかったって、なんの影響もない。天候についていえば、そこに住むひとたちが自由に調節するから、かみなりともひょうとも大竜巻とも無縁だ。それからこの惑星の表面には一滴の水もないけど、内部では人工的に水と酸素と光を供給して、この惑星にふさわしい生態系をつくりあげている。害虫やその生態系をみだすような種は、あらかじめ取りのぞくこともできるんだよ。そしてこれがかんじんなんだけど、近くの惑星に住む未開文明人に、おかしな関心をもたれることもない! カラカラにかわききっだ死の惑星に見せかけておいて、そのじつ、内部には大文明かさかえてるってわけだ……宇宙でいちばん高いレベルまで進化した人類が、こうして惑星内部に住むようになるってこと、理解できたかな」
 「うわーっ! そうだったんだ! そんなこと、いちども考えたことなかったよ……そうか、わかったよ。ぼくたちの太陽系では、地球以外の惑星に生命の気配がないわけが、それでなっとくいったよ」
 「わたしたちの太陽系でも、きっとそうなんだわ」
 ビンカもなっとくのようすだ。
 「そのとおり。宇宙には、きみたちが想像するよりもはるかにたくさんの生命がいるんだよ。でもねえ、きみたちの文明は、とっても精神的だから、いまはまだ、あんまり上の段階のことは知らないほうがいい」
 「うん、わかったよ……」
 「それに、惑星内部に住むということが、そのひとたちの魂のありかたをも反映しているんだよ」
 「それ、どういうこと?」
 「きみたちの世界の人々は惑星の表面に住んでいるだろう?」
 「もちろん」
 「きみたちの文明では、すべてが、表面の問題なんだ……つまりきみたちが注意をはらうのは外部だけ、内部のことはさっぱりだ。だからこそ、きみたちは惑星の表面に住んでいるんだよ。それはきみたちの魂のありかたを反映しているんだ」

「アミ3度めの約束 愛はすべてをこえて」、エンリケ・バリオス、徳間書店
第8章 エクシスの世界, P392-395





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最終更新日  2024年11月03日 07時05分05秒
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