【死者のための音楽 山白朝子短篇集】山白朝子
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
…おばあちゃん、まるで後を追うみたいだったね。病院で、返事をしないおばあちゃんにむかって、話しかけてたよね。「ねえ、音楽は聞こえてる?」(「死者のための音楽」より)。怪談専門誌『幽』の連載で話題騒然の作家、待望の初単行本。
【目次】(「BOOK」データベースより)
長い旅のはじまり/井戸を下りる/黄金工場/未完の像/鬼物語/鳥とファフロッキーズ現象について/死者のための音楽
乙一さん
の別名義本との事で手に取ってみた作品です~
発売当初から色々噂はあったようですが、今年ご本人のtwitterで明かされたので本物デスネ。
読んでみれば、ところどころに乙一さんの気配を感じるというか…(笑)
残酷さと哀しみ、凄惨な描写の中に小さな優しさと希望がちらりと垣間見えるのですよね
この絶妙なバランス感覚は、絶対にオツイチさんしかありえない。 (いや、ホントそう思いますよー!)
全体的に、 「平面いぬ。」
に収められていた「石ノ目」の作風に近かった気がします。
一昔前の日本の風景が脳裏に広がります。闇がまだ身近にあった頃の不思議なお話。
いいなぁ、こういう作品大好きだなぁ。。。
≪オススメPoint≫ ファンタジーホラー?? 恐ろしいのに切ない 収録順が絶妙!
どれも面白かったのですが、黒乙一らしい!と思ったのが 「黄金工場」
。
工場廃液が垂れ流される森のすぐ近くにすむ少年が語り手。
廃液を浴びると、昆虫や動物等全ての生き物が黄金になる事を発見してしまう。
このギョッとするほどブラックな幕引きは、「さすが…」と言う他ありません(笑)
「鳥とファフロッキーズ現象について」
も好きだったなぁ
ある少女と小説家の父親の住む家に、突然やってきた大きな黒い鳥。
その謎の鳥と一緒に暮らすようになってから、周囲で不思議な現象が起こり始める。
あのシーンはショッキングですが、鳥の健気さに心打たれ号泣した作品です。
個人的に一番好き…というかインパクト大だったのが 「鬼物語」
!!
これね、雰囲気が 「SEVEN ROOMS」
(「ZOO」に収録されてます)
に似てるんですよ~(笑)
鬼が人を喰らう…この想像するだに恐ろしいほどのグロさ、それなのにラストに感じる切なさ。
読了後に思い出すのは、不思議と美しく舞い散る桜の花びらだったりするのです。
そして、ラストに収められた表題作 「死者のための音楽」
がまた秀逸でした。
母と娘、交互に語り手が入れ替わりながらお話が進んでいきます。
音のない世界が美しく、愛しさと哀しみに満ちた物語でした。じんわりと心に沁み入ります。
ところで、この本の装丁はとてもセンスが良いです~~
一見シンプルだけどとても凝ってます。特にこの栞!!最初髪の毛かと思った…(笑)
もしやと思ったら、やっぱりブックデザインは祖父江慎さんでした。
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