【水底フェスタ】辻村深月
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
村も母親も捨てて東京でモデルとなった由貴美。突如帰郷してきた彼女に魅了された広海は、村長選挙を巡る不正を暴き“村を売る”ため協力する。だが、由貴美が本当に欲しいものは別にあった―。辻村深月が描く一生に一度の恋。
辛口評価
です。
どこまでも救いようのない物語だったなぁ……。
相変わらず辻村さんの物語は、気が滅入るぐらいに 負のオーラ全開
です(笑)
いつもの辻村作品は、最後に一筋の光が見えるというか希望が残されているのですが。
今回はそれがありませんでした。鬱々とした気持ちで本を閉じました~
全てが村の中で完結してしまうような、閉塞的な雰囲気自体は嫌いじゃないです。
「屍鬼」
を彷彿とさせるような、隠蔽体質の村人達や古くからの慣習もなかなか良い。
……でも、そこに新しい物がうまく溶け込んでいない。どこか中途半端なんです。
それなら、いっその事「ロックフェス」という要素を入れずに、
あくまでも因習的で不気味な村の事を中心に書いて欲しかった気がします…
≪オススメPoint≫ サスペンス 村の秘密 やるせない
舞台は、村おこしのために野外フェスを毎年行っている、田舎の睦ッ代(ムツシロ)村。
毎年恒例の野外フェス「ムツシロック」に参加していた村長の息子・広海は、
そこでかつて村を捨てて上京した八歳年上の女優・由貴美に出会う。
妖精のように白く長い手足、眼光の鋭い大きな瞳に、一瞬のうちに魅了される広海。
正直、由貴美には最後の最後まで魅力を感じる事ができませんでした
魔性の美しさ、というのともちょっと違う。どちらかというと怯えている小動物系(笑)
最後まで広海が振り回されている格好になって、若干 イライラ
しますー。
由貴美の言う「復讐」というのも、動機があまりにも弱い気がするし、
「水底に沈んだ村」の設定も、投げ出された感がありうまく活かされていませんでした。
うーーん、決して 面白くないわけじゃない
んですが
辻村さんが書いたんだ、と思うと物足りなさが残る作品ですねぇ。。。
ついでに、もう一つ。
あらすじの 「一生に一度の恋」
が、とてもとても不満。この二人の場合恋とは言えないよ!
一生に一度の恋は、 「子どもたちは夜と遊ぶ」
の月子と浅葱みたいな恋だと思うのです~。
* * * * *
ところで、辻村さん。今年は産休育休に入っておられたようで。
ママになった辻村さんが今後どんな作品を書かれるのか、期待したいと思います
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