りらっくママの日々

りらっくママの日々

2010年02月16日
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今日の日記




「ある女の話:カリナ最終回(未来へ)」


病室には私とノボルだけがいた。

私はノボルの手を取った。

「ねえ、私ノボルと結婚して、本当に幸せ…」

そして、彼の手を私の頬に当てた。

「僕も幸せだ。」

ノボルは頬に当てた手で、私の頬をなでて、真っ直ぐ目を見て言った。

おちゃらけて、いつもなら笑ってそうな言葉なのに、
今日は、そう行かないことが淋しかった。


しばらくして、
病室に人が来る気配がして、
私達は手を離した。

いつまでも握っていたかったノボルの手。

看護士さんといっしょに、マナとユウトが入ってきた。
歩けるのに、形式で車椅子に乗ると、
いよいよなんだな…と思った。

みんなが心配そうな顔をしてるのが見えた。

「何だか、たいそうなことになってる感じがするね~?」

「一応、たいしたことなんだけどね。」

私が言うと、ノボルも同じ調子で、おどけて言った。
マナとユウトも、調子を合わせて、
お母さんってば、まったくもう~。って言っていた。

私は信じることにした。

もしも神様が何かを決めていたら、
私はまだきっと生きている。

そしてダメだったら、
それは神様が決めたこと。

ノボルが看護士さんに交代をお願いして、車椅子を押してくれて、
手術室の前で看護士さんに変わった。

「じゃあ、行ってくるね。」

私は笑顔を作る。

もしも、
これが最後だとしたら、
最後の顔が泣いてる顔なんて絶対嫌だ。

ノボルが大丈夫だからって言うように、笑顔で頷いて、
マナとユウトが手を振っているのが見えた。

ドアが閉まった。



白い空間で、

今まで会ってきた人たちが私のもとへやってきた。


そこには、私をあざけり、笑っていた人たちがいる。

初めて会って、挨拶した時のような笑顔で、

私に近付いてくる。

差し出された手は、

仲直りの握手。


コレをずっと待っていたのかもしれない。


もう、いいよね…?

そう、私の心が言っている。


マッシーがスギモト先生の横で笑ってる。

良かった。幸せなんだね?


ユウ…ミキ…
みんな…
出会ってきた人たちが笑顔で手を振る。

白い空間は一面、

温かい色の花に包まれた丘になった。


イシタニくんが手を振り、それが赤木くんに変わって、手を振っていた。

誰かといっしょだと思った。

それはマナのように見えた。

そして、赤木くんじゃなくて、キジマくんなのじゃないかと思った。


ユウトが小さい頃の姿になって走りまわり、

パパー ママー って、振り返って手を振る。

私の隣には、

ノボルがいた。


手を

握っていた。




「お父さん、何読んでるの?」

「え?ああ、コレはお母さんからのラブレター。」

「マジ?!見せて!」

「ダメだよ。コレはお母さんとのナイショなんだから。」

「ケチ~」




声が聞こえる。

大切な人の声だ。



私はゆっくりと目を開ける。

ゆっくり

ゆっくりと。





  将来の私へ

この手紙をあなたが読む時、あなたは何歳ですか?

私は14歳のあなたです。

今日、学校で10年後の私へって、手紙を書くように言われて書いたけど、

それは本当に出されるかわからないし、

先生が読むかもしれないので、

私は本当の気持ちを私に書こうと思いました。

いつか私がちゃんと見つけてくれてますように。

ずっと、お父さんとお母さんがケンカしています。

勝手にユウカと私はお母さん側に、

トモキはお父さん側に引き取るつもりでいるみたいだけど、

そんなのヤダよ。

私は姉だから、弱音吐けないことも疲れた。

でも誰かに話したかった。

未来の私なら、どうなっているのか知ってるよね?

離婚してなきゃいいけど…。

二人は恋愛結婚だっていうけど、

私のせいで結婚したのかな?って思います。

だから、私は結婚するのなら、冷静にお見合いで結婚したいなって思うよ。

そして、それからその相手に恋をしたいの。

お互いに好きになりたいの。

そして、歳を取ってからも、手を繋げるくらい、仲の良い夫婦になりたい。

できれば、そんな結婚をしていて欲しいです。

子供は、産むの痛そうだし、

こんなに親のことでハラハラするなんて可哀想だから、

どっちでもいいや。

でも、仲良し夫婦なら、そんな心配無いよね。

バスケットで世界を目指せるような選手になっているとか、

そこまでスゴイことしてなくてもいいけど、

それだけは、かなっているといいな。

あ、でも結婚してるのかな?

結婚するなら、そこのところヨロシクね。

では、私のためにも幸せになっていて下さい。



   14歳のカリナより

<end>

花畑





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最終更新日  2010年02月16日 17時29分57秒
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