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駐機していた飛行機が滑走路に向かって動き出し始めた時、ウサギの隣の窓際に座っていた青年が窓に向かって手を振った。誰か見送り?いやこんなに建物から遠くには。そうだ、日本の空港では貨物を摘み終わった空港職員が出発する飛行機に向かって手を振ってくれるんだった。日本人には見慣れた光景。窓に向かって手を振る青年が可愛くて思わず、「可愛い」と呟いてしまったら、その青年が振り向いて「可愛い」と笑って言った。きっとウサギが手を振る空港職員のことを言ったと思ったのだろう。擦れていないピュアさだから、「モンゴル人?日本人?」とモンゴル語で聞いてみた。やっぱりモンゴル人、「日本で10ヶ月働いて帰るところ。日本語はほんのちょっとだけ」と言っていた。私の拙いモンゴル語での会話でもなんとか通じている。モンゴルに帰ったらエアコンの取り付けの仕事をするんだそうだ。頑張れ若者。そして、チンギスハーン空港には我が家に留学していた2人が迎えに来ているはず。荷物が出てくるのを待っていたら、機内で隣だった若者が夫にニコニコ寄って来て握手していた。なぜ夫?別れ際に「また日本に行ってね」と言ったら溢れんばかりの笑顔で「ありがとう」と帰って来た。空港には留学生だった2人とその彼女となぜかお母さんとお父さんも来ていた。そして手渡されたのが花束とホールケーキ。花瓶のないホテルでどうするのよ。ホールケーキ食べきれないよ。ホールケーキは夕食時にホテルのレストランで4個に切ってもらって4人で食べたのであった。
June 25, 2024
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外国人の旅ガイドブックLonely Planet、「地球の歩き方」みたいなガイドブックには瀬戸内海の見どころで、直島というのが書いてある。ベネッセハウス初め、島でアートめぐりという楽しみ方だ。行きたかったのだ。せっかく瀬戸内海に来たから、島めぐりもしてみたい。しかし、日展だって毎年招待券を貰う友人の絵のある部屋しか見ない夫の事。「アート?、いいや。寒いし」直島却下、本島却下、ええいこうなったら手ごろな鬼が島(女木島)でもいいと妥協してみたが、天候も有って却下された。そんな訳で高松に泊まった翌日は、瀬戸大橋を渡る電車で倉敷に直行したのである。倉敷のホテルは「倉敷国際ホテル」。夫が以前よく出張で利用していたので、毎年割引券が送られて来ていた。一度泊まってみたいと思っていたら、今回のANAツアーでも選べるようになっていたのでそこに決めたのである。良い選択だった。地元出身の画家、児島虎次郎の絵が玄関を入るとどかんと掲げてあり、吹き抜けのロビーには大きな棟方志功の版画が見上げるように飾ってあるクラシカルなホテルだった。なによりロケーションが良い。大原美術館と敷地を分け合うように建っていて、互いの窓から互いの庭が見える位置にある。倉敷の観光の目玉である美観地区の中に有るのであるから、荷物を置いては、古い街並みを観光に出かけ、お土産を買っては買ったものを置きに帰り、夕ご飯を食べに美観地区に出かけ、夜景を見にちょっと外に出る。街並みを観光するするには街並みの中に有るホテルがベストなのである。外国でも日本でも。実は今回の旅行は娘からお土産の指令が出ていた。岡山に行ったら「清水の桃の缶詰」を買ってこいという。以前自分の出張で岡山に来て桃缶を買ったらおいしかったのだとか。確かにお土産屋には売っていた、しかし1缶1,400円。高い!桃やマスカットのびん詰や缶詰、ジャムなど重いものをお土産に買って、ホテルから送ってもらうのも、便利なところにホテルが有るので苦にならない。倉敷には2泊して、美観地区の街並み、大原美術館初めいくつかの美術館を見学し、倉敷の近くの児玉というジーンズで有名な街のジーンズ生地を使ったバックや小物を買い、大きな料亭の支店で和食や海鮮のランチを食べ、ガイドブックに有った「おかやま桃子」というカフェで名物の1,800円もする桃のパフェを食べた。ホテルを基地にして出たり入ったり。倉敷での2連泊は正解だったかもしれない。
December 15, 2014
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