♪ ★ ♪ ★ チョコ's History ♪ ★ ♪ ★ |
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2002.12.10 雪の降る日にチョコは我家にやって来た。 あれはまだ、私が外で仕事をしている頃の事だった。 会社の同僚と、休憩中、お茶をしながら話をしていた。 その同僚も部類の猫好きで、よく猫談義に花を咲かせていた。 その日も、いつもと同じ様に、猫の話をしていた。 『あっ、そう言えば、最近、うちの庭に毛が長い、人懐こい猫が来るの~♪』 同僚曰く、その猫はここ数日、庭に遊びに来ては、足元にスリスリして、 気が付くと、居なくなっているらしい。 近所に、猫を数匹飼っている家があるから、そこの猫かも知れないと言っていた。 私は、特に気にも留めず、その話はそれで終った。 数週間後・・・ 同僚が、例の猫の話をまたしてきた。 『あの猫、近所のお家の猫じゃないんだってぇ! 』 すっかり、飼猫だと思っていた例の猫は、野良ちゃんだった。 同僚も、それを知って、その猫を飼おうかと思い始めていた。 しかし、同僚の家には、1歳になるお子さんが居て、家の中では飼えない状況だった。 外猫で飼おうかとも思っていたみたいだが、同居している母親があまり、猫が好きでは無い様で迷っていた。 私も、これから厳しい冬を迎えるというのに、外で飼うというのは、あまりにも…と思っていた。 そんな話を知ってか知らずか、例の猫は同僚の家の庭に、パッタリと姿を見せなくなった。 私は、内心ちょっとホッとした(^_^;) 同僚には悪いが、やっぱり、真冬はマイナス15℃まで下がる所で、猫を飼うなんて無謀すぎる。 人懐こい猫だったと言うから、誰かがもらってくれたのだろうと思っていた。 数日後・・・ 会社に一本の電話が鳴った。 その電話の主は、同僚の近所に別荘を持っている方だった。 『ドアを開けたら、猫が家の中に入って来ちゃって…』 あの例の猫が、暖を取ろうと、その方のお家にご厄介になってしまっているらしい。 話を整理すると、例の猫はあれからも、転々と放浪していたらしい。 そして、その日はシーズン初めての大雪で、お腹も空き、寒さにも耐えられず、 人気のあるお家にやって来たのだろう。 辿り着いた、お家は運良く、猫好きな方で、ご飯をもらい、お腹もいっぱいになった猫は 図々しくもその方の膝の上でスヤスヤ眠ってしまったそうだ。 寄りによって、今日は朝からの雪で、既に15cm程、積もっている。 こんな雪の日に、猫を追い出す事も出来ず、かと言って、その日は自宅に帰る予定だったので、 困り果てて、ご近所の同僚の所へヘルプの電話をよこした訳だ。 と言っても、外で猫を飼おうとしていた同僚もこの雪の日に外に猫を置き去りには出来ないと さんざん、悩んでいたが、一向に解決策は出て来ないようだった。 このままでは、例の猫は、雪の降りしきる中、また路頭に迷ってしまう。 事の成り行きを全て聞き、悩んでいる余裕も無さそうだったので、私は仕事場から主人に電話をかけた。 『野良猫、預かって良い?』 この時点で、まだ私は飼うつもりは無かった。 既に、うちには4匹の猫がいる。 とりあえず、うちで保護して、里親を探そうと思っていた。 主人にもそう伝えたら、あっさり、OKしてくれた。 そして、同僚から電話をかけてくれた方へ、お昼休みに猫を引き取りに行くと伝えてもらった。 お昼休み・・・ 雪はまだ、降り続いていた。 ダンボールに入れられた猫を引き取り、中を見ずに、車に乗せた。 ダンボールの中から聞こえる声は確かに変わった声だった。 そして、次の瞬間、私は吹き出しそうになってしまった! 『ガサッ!プキャッ!』 ダンボールの蓋を開け、変な鳴き声と共に飛び出してきたその顔を、私はその時、はじめて見た。 『何~、その顔!ブチャイクちゃんだね~!』 何色とも言えない柄に、右目の上の傷のような黄色の模様、 ヒマラヤン譲りの鼻ぺチャな顔立ちは、お世辞にも可愛いとは言えなかった。 でも、噂通り、とても人懐こくて、ダンボールから飛び出て、私の膝の上でグルグル言っている。 10分ほどで、自宅に着き、主人に顔を見せると、やっぱり、大笑いしていた。 後は主人に任せ、私は会社に戻った。 家に戻ると、異様な臭いが立ち込めていた。 スグに、臭いの正体は何か分った。 このツンと鼻に付く臭いは、アレしかないっ!! 『やっぱり!!』 例の猫が、ベッドの上で、粗相してしまったのだった。 しかも、主人のベッドで・・・(~_~;) でも、オシッコが出ないのが主人は気になっていたらしく、粗相した事よりも、 オシッコをしてくれた事の方が良かったらしく、ホッとしていた。 私も、違う意味でホッとした。 猫が来て、一週間・・・ 最初は、家で飼うつもりは無かったが、獣医さんへ健康診断に連れて行ったりしても、 本当に大人しく、人懐こい性格で、私達をドンドン虜にさせて行った。 それに、一番、重要な他の猫との相性も良くて、手放す理由が無くなっていた。 勿論、ベリーとは無理なので、部屋猫のネネとタムと同居する事になるのだが… こうして、いつの間にか、我家の猫となり、チョコレート色の毛から、『チョコ』と名付けた。 でも、後姿がトトロにそっくりなので、時々『チョコロ』と呼んでいる。 |